新人医師の臨床研修に産婦人科必修について思うこと

新人医師の臨床研修に産婦人科必修

読売新聞より

勤務環境の厳しさなどから産婦人科医が不足するなか、厚生労働省は2020年度から、新人医師の臨床研修で産婦人科を必修にすることを決めた。

10年度に必修科目から外れたが、研修医全員に産婦人科の現場を経験してもらい、志望者を増やすきっかけにしたいと、関係学会が再び必修化するよう求めていた。

2020年から、研修医にとって、産婦人科の研修を必須とするような仕組みが投入されるようです。はっきりってこの方針に関してはどちらでも良いのですが、思うことを書いてみたいと思います。

私も研修医時代に産婦人科をローテしました

私が研修医だった頃には、産婦人科は選択必修でした。

よく覚えていないのですが、産婦人科と他のいくつかの診療科の中から、2つを選択しなければならないと言うような制度だったと思います。

ですから私も、産婦人科で1ヵ月研修させていただきました。

人気漫画のコウノドリとは違って、厳しい研修だったわけです。

私が研修していた病院は、都市部の総合病院だったわけです。したがって産婦人科の常勤医師の数も比較的恵まれていました。

とは言っても、産科という診療科の特性上、お産はいつ起きるかわかりません。ですので、平日夜は毎日誰かが当直していましたし、土日祝日でも常に誰か待機しているような状態でした。

緊急帝王切開と言うことになれば、術者と助手の合わせて2名が必要になりますので、時間外対応も結構大変な診療科です。

日中の外来や手術の対応に関しては、マンパワーに恵まれていましたので、さほど忙しそうと言う印象は受けませんでした。

ただ、当直や時間外対応は、相当辛かったろうと推察します。また特殊な診療科だけに、患者さんへの対応に関しても、気を使うことが多かったのではないでしょうか。

産婦人科研修で学んだことは、ほとんどない

さて私が1カ月間産婦人科を研修して学んだことですが、医学的な部分でははっきり言って何もありません。

たぶん、妊婦さんの方が母体の変化等詳しいんじゃないでしょうか。

お産はもちろん見学させていただきましたし、帝王切開の手術にも何度か入れていただきましたが、患者さんに自信を持って還元できる知識、手技となれば話は別です。

まあこれはどこの診療科でもだいたい同じなのだと思いますが。

産婦人科の医師を増やしたいという試み

今回学会側が産婦人科検診を必修にしたのは、減少する産婦人科の医師を少しでも増やしたいという意図があるようです。

ただし、物事を適切に解決するためには、原因に対するアプローチが必要です。

胃がんがあって生命に危険が及んでいるのであれば、胃癌を摘出する手術を行うのがセオリーです。

一方で、現在産婦人科医のなり手が減少しているのは、主として産婦人科の先生方の働く環境が厳しいからであります。

その厳しさは、上に書いた通りです。

ですから本来、産婦人科のなり手が減少していると言う問題に対する対処法は、産科医療の集約化とか、コメディカルによる業務拡大、お産制限など、本来は働く産婦人科医の負担を軽減する方向でなければならないはずです。

ただし今学会が試みようとしている方法と言うのは、研修医が産婦人科に触れ合う機会を増やすための試みであって、これがどこまで実効性を持っているか甚だ疑問です。

そもそもすべての研修医は、学生実習の時に産婦人科で否応なしに1-2週間研修しています。ゆえに、研修医と学生と言う身分の違いはありますが、全く産婦人科にノータッチと言うわけではないんです。

それに、研修医になって感じたのは、産婦人科は忙しいなぁ、その割には医療訴訟とかあって大変そうだなぁ、という印象でした。

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先生まだ医局辞めてないんですか?

一方で皮膚科なんかは、美人の女医さんがいて、患者も手がかからなくて、きらきらしていて、17時には業務が終了して、当直もそんなに忙しくなくて・・・という、まさに魅力的な診療科でした。

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