マッチングにおける研修病院ごとの特徴について

5、6回生の方々は研修病院選びに苦慮しておられることと存じます。

私自身いくつかの病院に勤務したり、また研修医になって見学にきた学生と話すうちに、それぞれの病院に特徴があることが分かってきました。

病院別の特徴

一般的に大学病院は手技が少なく、市中病院は手技が多いと言われます。これはまぎれもない事実ですが、多方面から話を聞く限り、このはなしは必ずしも真実ではないようです。

気管支鏡検査1つとっても、2ヶ月で10件経験したという大学病院の研修医もいれば、3ヶ月で1件だけという市中病院の研修医もいました。

おそらくこの類いの話はそこらじゅうにあって、CVやカメラなど研修医が必ず行うような手技をどれだけやれるかという点については、指導医の指導方針がかなりの部分を占めていると考えられます。

A病院が良い、B病院が悪いという風のうわさはもちろん参考にしつつ、大切なのは自分の将来を考えた時に、どこの病院が適切かということでしょう。

2年目で眼科を長くローテーションしたい場合は、自ずと眼科の診療体制が充実している研修病院が候補にあがりますし、1−3次救急の症例をたくさん体験・経験したい場合は地方中核病院が候補になります。

大学病院のメリット・デメリット

研修病院の中で規模は最大。教授回診やカンファレンスを有意義なものと考えるかどうかだが、退屈なものでしかないことが多い(実際市中病院の先生でも否定的な考えをもつ人は多い)。

マイナー科で長く研修したい場合などは大学病院の選択もありか

●メリット

  • 医局の雰囲気が分かる。医局とのコネを作ることができる(母校でない場合は重要かもしれない)
  • アカデミックな雰囲気に触れる事ができる
  • 研修医の同期が多い
  • 責任を持つ場面はほとんどなく、業務は楽。

×デメリット

  • 教授回診、無駄に長いカンファレンスなど雑用が多い
  • 給料が安い
  • 経験値という点では市中病院に比べて劣る

都市部中核病院のメリット・デメリット

実際に感じている事だが、若い先生が多いと質問しやすく勉強になる。

症例も豊富にあるので、やる気になれば実力はつくだろう。随時研修医がいるためか、指導する側も研修医に慣れている感がある。手技の件数などに関しては冒頭の通りで指導医次第。

●メリット

  • 全科揃っている
  • 医師、指導医の数が多い。若い医師も多い
  • 近隣大学の医局の話もちらほら入ってくる
  • 3年目以降のキャリアも考えやすい

×デメリット

  • 3次救急をもつ場合が多く、1,2次救急が手薄。その分経験は少なくなる。
  • 医師の数は充足。即戦力として扱われる事は少ない
  • common diseaseは少ない

都市部中規模病院のメリット・デメリット

ここで想定しているのは、都市部にある200-300床くらいの、市街地にはあるけれども、研修医の採用人数は5人くらいといったような病院です。

これらの病院を一括りに語るのは難しいのですが、何かしら有名な診療があるというわけでなければ、なんとなく全体的にアクティビティが低い印象です。

●メリット

  • 市街地に住める
  • 医局コースも考えやすい

×デメリット

  • まったりとしている勤務体系が主体
  • 即戦力として扱われる事は少ない

地方中核病院のメリット・デメリット

責任を持たされることが多く、研修は充実。即戦力として扱われ手技も多い。ただし勤務が激務なので、相応の体力と精神力が必要。結婚を見据える場合は出会いも少ないか。

●メリット

  • 即戦力として動員される。責任をもつ場面が多い
  • 軽症から重症まで症例が豊富
  • 給料が良い

×デメリット

  • 当直回数は多い。勤務時間も長い
  • 遊ぶ場所がない
  • 3年目以降のキャリアを描きづらい

ブランド病院のメリット・デメリット

東京に限らず、北海道、沖縄、千葉あたりにもパっと浮かぶようなブランド病院がありますよね。

私の同級生も、某ブランド病院で勤務していましたが、水が合わなかったのか、知っているだけで2名は途中で辞めていきました。ですから、ブランド病院は研修医を選ぶような空気があるのかもしれないですね。

●メリット

  • キャリアアップができる
  • 同期の研修医が多い

×デメリット

  • 実力がなければドロップアウトも可能性あり(同期から聞く限り多いようだ)
  • 基本的に忙しい
  • やる気がないとつらい

病院側は医学生を評価しているのか?

一部のブランド病院を除いては、大抵の研修病院は学生を評価する余裕なんてないと思います。

2010年代の研修医不足時代にあっては、まさに研修医の売り手市場でありますから、よっぽど危ない研修医でない限りは、問題なく採用されること間違いなしです。

下記は一部のブランド病院に限った、病院側の学生に対する評価の決まり方です。あくまで伝聞ですし、私もそのような施設にいたことがないので、なんとも言えないのですが・・・。

病院側の学生に対する評価の決まり方

病院側の学生に対する評価は

  1. 病院見学の回数、そのときの態度
  2. 学生時代の活動内容
  3. 希望する診療科
  4. 試験の成績

の4つに大きく左右されているようです。

1に関しては、A病院では見学にきた学生を後期研修医が評価している、とか、B病院ではカンファレンス中に英語で質問を投げかけその返答を評価する、などの直接的なものから、明確な基準のない、あいまい評価方法まで様々あるようです。

2に関しては“普通でない学生”を避ける目的があるようです。

特別な事情がないにも関わらず、大学時代に1度もサークルや部活、医学部以外のコミュニティに属したことのない学生は、”コミュニケーションに不備あり“と思い込まれても仕方ない部分があります。

やはり病院側も地雷は踏みたくないのでしょう。

3に関しては内科系、外科系で偏りが出ないように希望診療科を考慮して調整されていると聞きます。

確かに一部の病院においては”外科コース””内科コース”などがあらかじめ設定されており、指導する側の負担を考えれば合理的だと思われます。

4に関しては、具体的な話は聞いたことはありません。私自身は、研修医以前段階で、有能な研修医とそうでない研修医をふるいわけるのはほぼ無理だと思っています。

医学的な知識の習得に加えて、やる気、患者への対応、器用さ、人間関係の良好な維持など、医者として働くにあたってはいろんな能力が要求されますからね・・・。

まとめ

研修病院は、それぞれに病院のカラーがあり、求めている人材や一緒に働くであろう研修医の意気込みなんかも違ってきます。

十分なリサーチを行なった上で、研修病院を選ぶようにしたいものです。

研修病院マッチング試験体験記

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先生まだ医局辞めてないんですか?

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