中心静脈ポートのあれこれ

中心静脈ポートの概要

中心静脈ポートと言うのは、体の皮下に埋め込む小さな機械のことです。

この中心静脈ポートは、直径はおよそ3センチ位で、簡単なイメージでは、ロッテのパイの実みたいな形をしています。

そしてこのポートとデバイスにはカテーテルと呼ばれる内部が空洞の細長い管がつながっており、その管の先端は、心臓の近くの太い血管まで到達しています。

したがって、中心静脈ポートの全貌というのは、ロッテのパイの実+ストロー、という感じになりますでしょうか。

このポートの厚みのある本体部分、つまりパイの実部分に、専用の針を刺すことで、栄養の点滴や、抗がん剤の点滴などを容易に安全に行うことができ、注入した液体を直接心臓の近くの大きな血管まで投与することができるのです。

さて、ポートは皮下は埋め込むと書きましたが、具体的にはちょうど鎖骨の下に埋め込むことが多いですね。

まれに鼠径部と呼ばれる足の付け根や、肘のところに埋め込むこともありますが、ほとんどは鎖骨の近くに留置することになります。

学術的に詳細な情報についてはこちらをご覧ください

ポートを留置する方法

処置は局所麻酔でおこないます。

慣れている人がやるのか、そうでない人がやるとかにも言ってもかかる時間は違いますが、おおよそ1時間もあれば終わります。

このポート留置という手技は一緒になって1年目とか2年目とか研修医の先生がまず初めに取り組む処置でもあります。

私も研修医2年目の時には、色々とポート留置について教えを受け、慣れてきた頃には最初から最後まで一人でポート留置を行なっていました。

そんな私でも、慣れてきた頃には、順調にいけば30分位で終わっていたので、技術的にはそんなに難しくない手技なのです。

ですから、アメリカなどでは、トレーニングを受けた看護師がやっています。

ポート留置の利点

痛い思いが少ない

抗がん剤の投与何回も受けている患者さんでは、抗がん剤の副作用によって、血管が次第に細くなってきたり、もろくなってきたりします。

点滴で投与する抗がん剤は、毎週とか、3週間に1回とか投与していきますから、毎回注射をして、点滴をする管をつなげていけば、患者さんは毎回辛い思いをします。(病院の中ではこれをルートを確保する、よくいます。)

また注射をする医療者にとってもこれは結構負担で、血管の確保が難しい患者さんに、何度も何度も針を刺すのは、医療者側も申し訳なくて辛いものがあります。

上にも書いた通り、ポート自体はパイの実のような携帯で、直径2センチとか3センチ位ありますから、失敗してうまく針が刺さらないと言う事はまずないと言っていいでしょう。

医療者側も、消毒をしてポートのあるところに針を刺すだけで良いので、点滴用の注射をするよりは、はるかに楽です。

たくさんの量を注入できる

ポートを用いて、抗がん剤でなく栄養の点滴を行うこともあります。

栄養の点滴の場合、細い血管に投与してしまうと、血管がダメージを受けてしまうような組成の栄養点滴もあります。

手に点滴の針をさして細い血管からこれらを注入する場合、血管がダメージを受けてしまうのですが、ポートを経由して直接太い血管に注入することで、これらのダメージを回避することができます。

また、細い血管に投与するよりは、太い血管に投与する方が、時間あたりの投与量は多く投与することができます。

中心静脈ポートのトラブル

しかしもちろんこの中心静脈ポートと言うのにもトラブルがつきものです。

カテーテルがつまる

よくあるトラブルとしては、まずはポートが詰まるということが挙げられるかと思います。

このポートというデバイスは人工物で、かつ細長い管がつながっていますので、何度も使用していると突然うまく液体が流れていないと言うことに遭遇することがあります。

もちろん毎回ポートを使って点滴をする場合には、つまりがないかどうかをあらかじめ生理食塩水でテストします。

ですから、ポートが詰まったからといって、患者さんに即座に実害があるわけではありません。

ただし一度ポートが詰まってしまうと、再開通させることは現実的に非常に困難なので、いちど埋め込んだポートを取り出して、再度留置すると処置が必要になってきます。

ポート感染

ポートというのは、金属製またプラスチック製の人工物ですから、体の中に埋め込んだとは言っても、異物には違いありません。

通常の生活をしている患者さんであれば、感染と言うのはそうそう起こらないのです。

ただし例えば強い化学療法で免疫力が弱っている患者さんや、放射線治療を行って抵抗力が落ちている患者さんなどでは、そこそこの頻度で感染を起こしてしまいます。

一旦ポートに感染が起きてしまうと、抗生物質を使った治療を行っても、根本的な解決にはならないことが多いです。

ですから、ポートを埋めている患者さんで、高熱が長く続き感染症が疑われるような場合などには、最終的には抜去してしまうことが多いですね。

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先生まだ医局辞めてないんですか?

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