主治医を信頼できないときに考えるべきこと。患者さんにできる事は何か

外来にやってくる患者さんの中には「今の主治医と合わないんです」と嘆く方もいます。

このようにストレートに話される方の他にも、言葉の節々を聞いていると、主治医の先生を信用していなのかな、と思う患者さんもします。

医師患者関係も人間同士の付き合いですから、馬の合う・合わないはどうしてもあるでしょう。

そのような時にどのような手段があるのか、考えてみたいと思います。

患者さんの不満の原因

患者さんの主治医に対する不満の原因は、多岐に渡ります。

よく患者さんが話すのは、「主治医がしっかりと話を聞いてくれなかったせいで病気の発見が遅れた」、という主張です。

何度も病院に通院していたにも関わらず、病気の発見が遅れたのは主治医のせいだというわけです。

もちろん毎月のように血液検査、画像検査をしていれば病気の早期発見は可能かもしれませんが、こればかりは結果論でなんとも言えないことが多いですね。

そのほか、「あの先生はよく話を聞いてくれない」なんてこともあります。

日々外来診療に追われ、時間ばかりを気にしている私にとっても痛い言葉なのです。

そのほか基本的に主治医の医師としては、患者さんに対して良い情報も、良くない情報も提供していかなければなりません。

例えばがん治療と言うのは、得てして良くない情報の方が圧倒的に多いですね。

ですからどうしても、主治医の先生は嫌われ者になりやすい状況というのはあるかと思います。

いくら主治医からといえども、悪い情報ばかり提供されていては、患者さん側としては信頼できない、という思いが出てくるのも仕方ないのかもしれません。

医者患者関係は非常に大切である

治療を行う上では、医療者側と患者側の信頼関係が何よりも重要です。

医療者側からすると、信頼している患者の方が気を使わずに自ら考えていることを素直に伝えることができます。つまり、良い情報も悪い情報も、率直に伝えることができるわけです。

また患者のからも、医者の言葉や治療方針に関してより前向きにとらえることができ、治療もスムーズにいくでしょう。

ですから医師と患者の信頼関係というのは、治療を行う上で最も大切だと思われます。

医者に気持ちよく診察してもらうため心がけるべきこと。まずは医師を信頼することが大切

2018年1月18日

医者に要望を伝えても関係が改善するのは難しいだろう

主治医が信頼できない場合に、患者さんがから要望を伝えたところで、医師-患者関係を劇的に改善させるのは難しいでしょうね。

医師と患者は対等な立場であるのは事実です。

一方では医師にとっての患者と、患者にとっての医師は少し意味合いが違いますね。医師にとっては数多くの患者さんの一人にすぎません。

不満があればどうぞ違うところへ、という態度の医師がいるのも事実です。

あまり医療者側が横柄になるのも考えものですが、患者のフリーアクセスが保証されている日本では、わざわざ病院側が患者の要望に迎合する必要もありません。

第一、患者の要望に沿ってあれこれ調整しているような余裕もありません。

ですから一旦崩れてしまった医師患者関係を元どおりにするのは相当に難しいのではないかと思うのです。

主治医を変更してもらうのも一つの手段

もしどうしても、普段診察してもらっている医者が信用できないのであれば、思い切って主治医を変更してもらうのも1つの手でしょう。

医者と患者の関係とはいうものの、根本的には1対1の人間関係なわけです。

気の合う友人、気の合わない仲間がいるように、医者と患者の間においても、仲の良い悪いがあってしかるべきだと思います。

ですから、その診療科に勤務している医者が複数人いるような場合には、思い切って主治医の変更を申し出るのも1つの方法だと思います。

主治医側からすると、自分のことを気に入らないと言う意思表示なわけですから、当然良い気分はしません。

しかし一方では、なんとなく波長の合わない患者を診察し続けるのも、医師にとってはストレスです。

お互いに不信感を持ちながら治療を継続するよりは、リセットできる人間関係ならば、いっそうのことリセットしてしまった方が最終的には良い結果を生むのではないでしょうか。

病院ごと変更してしまう患者さんもいる

病院内での主治医の変更が難しければ、病院ごと変更してしまうという患者さんもいますね。

紹介されてくる患者さんの中には、「前医と仲違いしてしまったのでこちらでの治療をお願いしたい」と言って、診療情報提供書が送られてくることがあります。

善意と揉めたと聞くと、やばい患者なのか?と身構えてしまうこともよくあるのですが、診察してみるとごく普通の患者さんであることもよく経験します。

いずれにしてもお互いストレスを抱えながら治療を続けるのであれば、いっそのこと病院ごと変更しても良いでしょうね。

医者が送る紹介状・診療情報提供書は通行手形のようなものである

2017年12月9日

まとめ

病院との付き合いが長くなりそうな場合には、思い切って主治医や病院を変えてしまうのも考慮に入れるべきでしょう。

しょせん医師と患者は一人の人間なのですから、合う合わないはあるのです。

【医師の視点】セカンドオピニオンを受ける場合について心得ておくべきこと。デメリットもあり

2018年7月4日

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1 個のコメント

  • 大学病院で前立腺がんの手術をしてその後通院していたところ、今度は膀胱がんが見つかり膀胱がんの手術を予定しています。
    ただ担当医師は前立腺に関しては専門ですが膀胱がんに関しては詳しくないので不安があります。
    この医師に手術を任せても大丈夫でしょうか。

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