乳がんの標準治療と小林麻央さん

小林麻央さんが乳がんでこの世を去ってから数週間たちました。。いまでも関連したニュースをいくつか見ます。

麻央さんは最初、標準治療を受けなかった?

衝撃的なことに、乳癌がわかって最初の頃は標準治療を受けなかったと言うような話もありました。

患者さんを診療していても、抗がん剤や手術などの標準治療を受けずに、民間療法に頼る方もいます。

免疫の細胞を使ったり、マッサージをしたりなど、通っておられるクリニックや病院ホームページや説明を見ているともっともらしいことが書かれていたりもします。

民間療法はお金を捨てるようなもの

ただ実際のところは効果はほとんどないと言って良いでしょう。ごく稀に樹状免疫療法など、少しばかりエビデンスの治療をやっている場合もありますが、ほとんどは金儲けのためにやっているようなものです。

もしこれらの治療が苦痛を伴う抗がん剤や手術の治療よりも楽に受けることができ、効果があるともなれば、厚生労働省がとうの昔に保険適用しているはずです。

実際のところはこれらの民間療法は保険適用になっておらず、患者さんに聞いてみるとびっくりするような金額を支払っていたりすることも多々あります。

なんの治療を受けるかは患者さんの自由ですし、民間療法を行なっている医師や患者との関係もあるので、診察室の中では、ほとんどの医師は表立って批判することはありません。

最近は抗がん剤の値段もどんどん高くなっていますが、患者の負担には上限が定められています。一方で民間療法には上限がありません。普段病院で抗がん剤を使用している身としては、民間療法提供している側は心が痛まないのかなあとも思ってしまいます。

標準治療を受けることが大切

乳がんに限ったことでは無いですが、標準治療を受けると言うのが病気を治す確率を最大にする方法です。幸いなことに日本では国民皆保険制度であり、お金を持っている人も持っていない人も、基本的には同じ治療を受けることができます。

これは裏を返せば、いくらお金を持っていたとしても高い確率で癌を治せるような、魔法の治療を受ける方法は存在しないということです。

乳がんは若い女性がかかりやすく、患者さんの数も多いので、ホルモン剤や抗がん剤の治療など、日進月歩の言葉通りに発展している領域です。

小林麻央さんに限ったことでは無いですが、民間療法などのエビデンスのない治療ではなく、これまでの実績のある標準治療をぜひ受けてもらいたいと思っています。

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先生まだ医局辞めてないんですか?

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