医学論文におけるわかりやすい抄読会の方法

臨床医、研究医として生活しているうえで避けられないのが抄読会ですね。

これは最新の論文をみんなの前で紹介して、知識を共に深めようというイベントです。

研修医の場合には、どのようにしてみんなに分かってもらえる抄読会をするか、というのが大切ですね。

ちなみに抄読会の手法として、大阪大学呼吸器科・免疫内科のホームページが非常に参考になります。

ここでは分かりやすい抄読会の方法について提案したいと思います。

英語論文のチョイスが大切

どのような専門分野であっても良いと思うのですが、少なくとも1年以内に出版されたインパクトのある論文を選ぶということが大切になってくるかと思います

抄読会の1番の目的は、最新の知識を共有するという事ですから、やはり5年前、10年前の論文では出席者から冷ややかな視線を浴びせられてしまうかもしれません。

一方で最新の論文であっても、普段全く目にすることのないような雑誌に掲載されている論文は、みんなの貴重な時間を割いてまで紹介するほどではないでしょう。

どのような雑誌がインパクトのある研究を掲載しているかということに関しては、インパクトファクターが一つの指標になるかと思います。

インパクトファクターについては、インターネット上にランキングがあります。自分が紹介しようとしている論文のインパクトファクターがどれくらいであるか、ということが分かります。

諸説ありますが、抄読会で使う論文といえば、基礎系だとインパクトファクター10点以上、臨床系だと分野にもよりますが5点以上は欲しいところです(ここは本当にいろんな考えがあると思います)

抄読会の時間設定

抄読会の時間というのは、ある程度慣例で決められているものかと思います。だいたい20-30分くらいとかでしょうか。

人間の集中力というはご存知の通り限界があってそんなに長くは続かないですから、実りある抄読会という点では、せいぜい長くても30分ぐらいじゃないでしょうか。

学生時代に50分とか1時間の講義、学会で1時間のレクチャーを聞いたことがある方なら分かるかと思いますが、人間の受動的な集中力は大したことはありません。

ですから長くとも30分以内、可能なら20分くらいで抄読会が終わるように準備をしておく必要があります

抄読会資料の準備

抄読会が行われるのは、大抵の場合は朝の眠たい時間か、夕方の疲れた時間ということになります。たまに昼過ぎの時間に行われることがありますが、これも昼食後で大抵眠いことが多いですね。

つまり何が言いたいかと言うと、大抵の抄読会は人間が眠たい時間に開催されるのです。

眠たい時間に英語を用いて難解な論文を紹介しなければいけないわけですから、抄読会の1番のポイントは、いかにわかりやすくプレゼンテーションするかということになるかと思います。

私は抄読会の資料準備を行うときには、「百聞は一見にしかず」と言うことをつねに考えています。

長々と英語の文章紹介するのはご法度であり、日本語の文章でもあってもなるべく避けるべきでしょう。

論文内にあるグラフや表は、視覚的に理解できる唯一の資料ですから、これは存分に使うべきなのです。

資料の作り方

これも医局や病院によって違うので、なんとも言えないところですね。

A3用紙1枚にまとめた資料を元にする場合もあれば、論文そのものを印刷して使う場合、そのほかパワーポイントにまとめて発表する場合もあるでしょう。

ただし、基本的な資料の作成方法は、大きく変わらないかと思います。

今回はパワーポイントにまとめた抄読会資料を作るという仮定で見ていきたいと思います。

Title

1ページ目は、上記の画像のように、論文のタイトル、著者、所属、雑誌名、出版年月などは必須項目です。

この辺りは基本情報ですから、是非ともタイトルページに入れておく必要があります。

Abstract, Background, Methods

さてスライドの2ページ目からは、上記のように論文の内容を解説していく形になるかと思います。

英語のまま文章を掲載してしまうと、発表する方も言葉につまりますし、理解する方も英語を読まなければならないので、すごくエネルギーを使います。

朝一番の眠い目をこすりながら、がんばって英語のスライドを読み続ける出席者は5人に1人くらいでしょうね。

ですから、基本的にはスライド含めて資料は日本で作成してほうがベターです。

要約、背景、方法についてはどのようにまとめるかは、論文や抄読会の位置付けにも依ってくるでしょう。

皆が同じような研究、臨床をしているような抄読会の場合には、出席者はみなさん背景を共有しているわけですから、改めて深く解説する必要もないでしょう。

また、その場合には論文の研究論、方法について議論になる場合が多いですから、方法について突っ込んで紹介する必要があるかもしれません。

一方で出席者のバックグランドが曖昧で、テーマが絞られていない場合には、論文の背景を共有しておく必要があるでしょうし、そのぶん方法論についてはスキップしても良いでしょうね。

このあたりは、抄読会で議論になりそうな部分を詳細に説明するのが良いのではないでしょうか。

Results

次に大切なことは、結果については、文章ではなく視覚的なもので提供すべきです。

英語や日本語の文章で詳細に説明するよりも、グラフや図を大きく示した方が理解は容易です。

簡単な説明文章を付し、そこに自らの言葉で解説を超えた方が、聞いている方は理解が格段に高まると思われます。

より良い抄読会を目指して

自分の発表方法をより良くするための一番の方法は、他の人がやっている発表手法を取捨選択することです。

毎回、抄読会の発表を評価する立場で聞いていると、自ずと理解しやすい発表とそうでない発表が分かってきます。

論文に書いてある英語の文章をただ和訳するだけの発表や、一面に英語が羅列されたスライドを出され続けるのは聞いている方はすごくつらいんですよね。

一方では、出席者のほとんどが目を開いて、なんとなく顔を上げているような発表もありますね。このような発表者の手法を学ぶべきなのです。



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