医者になったとして、医学部の学生とお酒を飲む機会は何回かあります。
学生を目の前にして、医師として威張らずに、スマートに対応するのは結構難しいものです。
時には学生に対して説教をはじめる先生方もおられるのですが、そうなってはいけないなぁと思いながら、飲み会に参加しているわけなんです。
学生を交えての飲み会は結構開催される
病院で働いている勤務医であっても、医学部の学生と接する機会はしばしばあります。
大学病院で働いている場合には、病棟実習と称してほぼ1年中学生がやってきますから、当然学生と接する機会が多くあります。
医局でやっているイベントが行われる場合には、自らの医局に興味を持ってもらうために、学生を招待することもあります。
その他学生の歓迎会が個別に行われることもあり、そこでは医局の魅力を学生にアピールすることになります。
一般病院で働いていたとしても、学生と接する機会は少なくありません。
医学部の学生たちは、研修先の病院を決めるにあたって、研修病院の候補となる病院を見学して行きます。
私の診療科にも、少なくとも1ヵ月に2回位は、全国各地から医学部の学生がやってきます。そして時間があるときは、その学生たちと一緒に食事をすることもあります。
学生たちに説教する医者は多い
医学部の学生たちと一緒に食事をしていると、ついつい心配するをして説教したくなるものなのでしょうか。
医者の中には、自分自身の経験に基づいて、学生の考えを批判したり、将来の見通しについて「そんなの無理だと」否定する先生もいます。
学生たちと一緒に食事をしていると、ついつい心配するをして説教したくなります。
自分自身の経験に基づいて、学生の考えを批判したり、甘い考えについては否定したくもなります。
私自身は、飲み会の席で説教をする事は百害やって一利なし、だと思っていますので、学生の意見を聞き流すだけにしています。
ただ同僚の先生の中には、厳しく学生さんに接しておられる方もいます。飲み会の席にもかかわらずですね
学生たちのつらい表情
もちろん説教された学生はと言うと、当然反論することができません。
人生の先輩でもあり、医師としても先輩である医者のいうことですから、当たり前のことです。
特に研修病院の候補になるかもしれない病院に見学にきた時なんかは、
そんな学生たちの表情見ていると、なんとも辛そうなのです。
勇気を出して、気を使って飲み会にやってきたにもかかわらず、自分のことを非難したり否定するような発言を聞かなければならないのは、なんとも苦痛なことでしょう。その気持ちは痛いほどよくわかります。
説教はしてはいけない
説教を聞いていると、医者っていうのがつくづく頭が固い生き物なんだなぁと思います。
人は自分と異なる生き方をする人間に対して、ついつい批判的に捉えてしまいがちです。
医局を辞めてフリーで医者をやっていくとなれば、「おいおい就職先は大丈夫か」と批判的になりますし、医局のコネクションを持たずしてアメリカに留学するとなれば、「おいおい収入の面は大丈夫か」と批判的になったりもします。
事実私はそのような批判を見聞きしてきました。このような批判は羨望や憧れの裏返しであることも多いようですが。
新しいチャレンジには批判がつきものである
人間がが何か新しいことを成し遂げるためには、必ず周囲の批判を乗り越えていかなければならないものです。
そして新しいことの成功の影には、誰かしらそれを理解してくれる協力者がいます。
自分と異なる考えを持った医者を、批判するのに終始するのか、それとも理解し協力するかというのは、まさに人間としての器が問われているような気がします。
私は常に学生相手であっても、後者でありたいと思っています。
まとめ
学生の中には、確かに甘ったれた考えや、現実を無視した行動起こそうとしている医学部の学生がいます。
ただし10年後20年後にはそれが標準になっているかもしれませんし、その理想に向かって努力し続けることで、現実になるかもしれません。
そのように考えてみると、いろいろな考えを否定するのではなく、理解してあげると言う姿勢が重要でないかと思えてきます。
タイトルに惹かれ興味深い内容だったので何回も拝読してしまいました!!
私立医大在学の三年生で美容外科医を志し、勉学に励む日々をブログに書いているたかぴすともうします。
僕もどちらかと言うと新しいチャレンジをしたい!学生なのですが、逆に説教されるということは、
こちらに興味を示してくれてる。期待してくれてる。その上で改善点を忠告してくれてる
とプラスに捉えています!!
今の時代、学生に説教すると顔が落ち込む事が多いかもしれませんが、その場では理解できなくても言葉をそのまま受取り、生きているとそのうちあーこいうことだったのだと腑に落ちることがあるので、
一個人の学生としては、説教と言う形になったとしても話していただけるのはありがたいと思います!!
コメントありがとうございます。そうですね、説教するのはいろいろと気を使って難しいのですが、学生さんからのそのような意見があると、いろいろと心強いです。