医療訴訟への対策はない。医師個人賠償責任保険に入ることが必須

患者意識の高まりによって、医療訴訟はより身近なものになっています。

医療訴訟の増加により、病院側はリスクのある治療を行うことは少なくなっています。病院側の対応やカルテ記載も、医療訴訟に備えて行われることも多いですね。

副作用を説明するための同意書、詳細なカルテ記載はもちろん、宝くじに当たるような確率の副作用でも、リスクのあることはすべて説明するよう指導されます。

医療訴訟はすぐ発生する

身の回りには訴訟を抱えた人たち、または訴訟に関係している先生方がたくさんおられます。

それぞれの案件を聞いていると、医療者側からすればどうしようもない、そりゃしょうがないといった話ばかりなのですが、実際の裁判では決して医療者側の主張が認められるばかりではありません。

なかには到底納得できないような医療の素人が下したような判例もあったりして、医療訴訟に関してはやや患者さん側に有利に傾いている印象です。

不幸にして病気や医療行為によって命を落とされた患者さんは誠に残念なのですが、医療者側の過失の有無については、公平に判断されなければなりません。

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2018.01.30

医療事故調査制度の開始

このような予期せぬ死亡例に関して、法廷ではなく病院内でその原因を追求することを目的に、平成27年から医療事故調査制度が開始されました。

医療事故調査制度の目的は、医療法の「第3章 医療の安全の確保」に位置づけられているとおり、医療の安全を確保するために、医療事故の再発防止を行うことです。

その上で、学習を目的とした報告システムでは、懲罰を伴わないこと(非懲罰性)、患者、報告者、施設が特定されないこと(秘匿性)、報告システムが報告者や医療機関を処罰する権力を有するいずれの官庁からも独立していること(独立性)などが必要とされています。

厚生労働省

医療裁判になってしまうと、金銭的な懲罰が伴い、患者、報告者、施設はすべて特定されてしまいますから、新しく始まった医療事故調査制度とは全く反対側のシステムになってしまいます。

大前提として安全な検査や治療はない

ヒトの体というのは100人いれば100人とも微妙に違います。

絶対に安全とされている検査や治療であっても、1000人に1人、また1万人に1人の割合などでは副作用が出て、ときには死亡に至ることがあります。

この不確実性の問題点について厄介なのは、誰に死亡するような副作用が起こるかどうかを事前に予測できない点です。

予期せぬ死亡例、障害例に関して医療者個人や病院だけの責任に転嫁し、医療訴訟による裁判で責任を問うのは、あまりにも医療者にとって厳しい手法と言わざるを得ません。

責任を問えない不幸な事例については、国レベルでの補償が必要かもしれない

予想できないような死亡例については、国レベルでなんらかのケアをすることは必要かもしれません。

2000年代に入ってからおもに産科医療の領域で、予期できない障害、死亡例に対して医療訴訟が頻発し、現場が疲弊するという流れがありました。

そのような医療現場を守るため、産科医保証制度が開始されています。ごく稀な薬の副作用、検査の副作用に関しては、同様の体制をとっていくことが必要かもしれません。

補償される対象条件は、以下のとおりであるが、先天性疾病に起因する場合は対象外となる。なお、医師や助産師による過失の有無に関係なく、以下の条件全てに一致した場合のみである。

  • 加入している病院や医院で出産している。(カルテなど証明する物が必要)
  • 「出生体重2,000g以上かつ妊娠33週以上」、または「妊娠28週以上で所定の要件に該当した場合」の新生児。
  • 出産時に予知せぬ事態が発生した結果、身体障害者の等級が1級または2級相当の重度脳性麻痺となった場合。

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2018.03.13

もしものために医師賠償保険に入ることが必須である

とは言っても現実がすぐ変わるものではありません。どんなに正しい医療を提供していたとしても、医療裁判で敗訴してしまうことは容易に想像できます。

医師個人として即効性のある対策は、医療訴訟に対する医師賠償責任保険に加入することでしかないのだと思います。

いつ発生するかもしれない医療訴訟に備えて、多くの医者は医療裁判に関する保険に加入しています。

保険料は有名な民間医局の医師個人賠償保険で、おおよそ年額4-5万円程度、賠償補償額が1件あたり1-2億円程度となっています。

個人にかける生命保険よりもずいぶんと高額になっていますが、医療訴訟1件で自分の人生が終わってしまわないように、賠償保険には必ず加入しておくべきなのです。

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2018.02.23

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