病理学 – 教科書レビュー

病理学は基礎と臨床の橋渡しを行う学問であることを痛感させられます。

病理学実習では、非常に多くの時間を割いて顕微鏡を覗き込むわけですから、しっかりとした教科書を揃えて、真剣に勉強しておきたいところです。

★★★ 組織病理カラーアトラス

チープな表紙とは裏腹に、アトラス本としては十分な内容を持つ教科書になっています。

各章のはじめには数ページで発生、正常構造、疾患の解説をつけ、その後はページの上段に4〜5枚の病理所見を掲載、下段にその病理所見の解説をするスタイルになっています。

本書は500ページに及ぶので、病理所見の数もさることながら、肉眼解剖、顕微鏡写真、免疫染色写真、X線の所見までもを含むなど、その質もすばらしいものになっています。

また個別の病理所見に対する説明とは別に、個々の疾患に対する病理所見の総合的な説明も加えられており、厚みのある内容となっています。

病理実習と平行して、本書を使っていくのが良いでしょう。

★★★ カラーアトラス病理組織の見方と鑑別診断 第5版

病理実習向きの教科書です。

この本は題名の通りアトラス本なので、病理実習の際にこの本の画像と顕微鏡の像を見比べながらスケッチする、という使い方になると思います。

アトラスがたくさん掲載されているのはもちろんのこと、その画像に対する説明も多く記載されており、病理実習には使いやすい本だと思います。

★★★ ロビンス基礎病理学

病理学の名著、ロビンス病理学。

本来ならば日本語の教科書を紹介するべきなのだが、Amazonのレビューによると「原著の良さを日本語訳がぶち壊している」ということなので、ここでは原著を紹介する。

病理学は基礎と臨床の橋渡しをする領域であり、Robbinsを原著で読めれば医学英語全体を通しての基礎的な単語、言い回し等は習得できるので、ぜひ原著で学習することをおすすめしたい。

病理学全体をコンパクトに俯瞰した教科書ですが、その素晴らしさはまとまりのある内容のみならず、個々のセンテンスが単純明快に書かれていることです。

英文は平易に書かれていますが、深い理解にまで到達することができます。

特にneoplasm(腫瘍)の章は最新の知見までもが掲載されており、すばらしいと感じました。また代表的な病理所見であれば掲載されていますが、病理実習に耐えうるほどの量はありません。

講義と並行して、じっくりと読み進めるのが本書の使い方になるでしょうか。

960ページもあるので辞書的に使うのが適当なのかもしれませんが、特に不必要な内容もなく、通読したいところです。また試験対策には分量が多すぎて向きません。あくまで日々の勉強のお供に、といったところでしょうか。

★★☆ ロビンス&コトラン病理学アトラス

この本も”アトラス”というタイトルにはなっているが、Xp、CT、MRI、シンチなどの検査画像も含まれており、多方面から疾患を見つめ、その上で病理学が学習できるようになっている。

本書は基本的に1疾患に対して病理写真1枚、病理写真の説明で構成されているので、簡潔にまとめられており、ある疾患の代表的な所見を知りたいという場合には非常に使いやすい教科書である。

その反面、病理実習で使うには情報量がやや少ない印象である。

病理学の系統講義を終えて、臨床に進んだ時に使えるアトラス本という位置づけになるだろう。

原著は”Robbins and Cotran Atlas of Pathology”というタイトルで出版されている。

★★☆ ルービンカラー病理学

内容量や構成はロビンス基礎病理学と同じような印象を受けます。

訳書なので本文のやや堅苦しい感は否めませんが、特につまずくことなく読み進められると思います。

イラスト、図、表、病理写真などは多く用いられており、これらはロビンスよりも多い印象を受けます。Amazonでの評価も高い。

本書の使用法としては、講義と並行して読み進める使い方になると思います。病理実習に耐えうるほど病理写真はありませんし、通読するほど薄っぺらい教科書でもありません。

原著では”Essentials of Rubin’s Pathology”というタイトルで出版されています。

★☆☆ シンプル病理学

医学生にとっては入門書の域を出ない印象。

病理所見は代表的なものが最低限掲載されている。付随する説明も2〜3行で医学的とは言い難い表現も散見される(これは分かりやすくという著者の配慮なのだろうが)。

また内容は、分子的機序なまで深く入り込んで書かれてはいない。あくまで語句を表面的に説明しているに過ぎない印象を受ける。

入門書としては良いかもしれないが、試験対策、通読、実習どの使用場面に関しても内容量が足りない。

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先生まだ医局辞めてないんですか?

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