研修医時代にがんばるのは大事だが、適当に仕事をするのも重要

研修医時代に関して、「がむしゃらに頑張ったほうがいいよ」と言う先生もいれば、「どうせ研修医なんだからそんながんばらなくてもいいよ」と言う方がいます。

果たしてどちらが正しいのでしょう?少し考えてみたいと思います。

研修医時代は頑張った方がいい派

研修医時代にがんばった方が良い、ということを主張するのは、やる気に満ち溢れている若手〜中堅の先生が多いですね。

大抵その先生方も頑張ってこられたことが多いようです。

頑張った方がいい派の理論としては、とにかく鉄は暑いうちに打てとか、研修医のうちにしか経験できないことを経験せよとかおっしゃいます。

他には当直をしてたくさんの患者さんを診察することでレベルアップできるとか、少しばかり精神論が混じっていることもあります。

たいてい、こういうことをおっしゃる方は、研修医のときは給料などは気にせず、がむしゃらに働くべき、といったやや時代錯誤的な考えを 持った先生が多いように思います。

とりあえず頑張ることが良い、というような考えの元に動いている先生方なのかもしれません。

研修医時代は頑張らなくても良い派

どちらかという私もこちらのタイプです。

こちら側の意見としては、どうせ専門の研修に入ってしまえば、研修医で学んだ知識なんて忘れてしまうというのがメインの意見でしょうか。

所詮は研修医なんてお客さんなのだから、頑張ってもそれに見合うだけのリターンはない、などとおっしゃる先生もいます。

こちらの一派は、マイナー科の先生に多いように思います。適当にやってればいいよ〜みたいな軽いノリの先生方でしょうか。

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結局研修医時代は頑張った方が良いか、頑張らなくても良いか

医者になってある程度年数が経ちますが、どっちの理論が正しいかと言うのは、かなり難しいですね。

言うなればどちらも大切だと思います。

私はどちらかと言うと、研修医時代にあまり頑張らなかった方なのですが、研修時代にすごく頑張ると言うことに関して否定するつもりは全くありません。

ただし身の丈以上に背伸びすると、燃え尽きて、途中でドロップアウトしてしまう可能性は十分あると思います。

研修医時代にがんばらなかった私でさえ、月の残業時間は当直も入れると50-100時間くらいは確実にありました。一般の会社なら過労死レベルでしょうか。

労働時間の長さに加えて、研修医には慣れない病院での仕事という、精神的な負荷も大きなものがあります。

ですから、労働時間以上のストレスを感じてしまうものです。

燃え尽きた2例

ここで、研修医中に燃え尽きた2例をご紹介します。

ある先生は、研修医時代に日本でも有数のブランド病院に勤めながら、あまりにも忙し過ぎてのか、周囲の人があまりにも出来すぎたのか、1年も経たずにやめてしまいました。

学生時代にその方はアメリカへの臨床留学も考えていた志の高い方なのですが、当然その夢もどこかに置かれてしまいました。

今は都内の中小病院で皮膚科医として働いていらっしゃいます。

別の先生は地域でも有数の忙しい病院に勤めておられました。症例数や手技の経験数といった点では、おそらく一般的な研修医の2倍とか3倍ぐらいは経験していると思います。

ただし2年間の研修を終えて、3年目も同じ病院で勤務を続けることになったようです。

ただし責任が大きくなった3年目の途中にうつ病を発症し、数年間の休業を余儀なくされてしまいました。現在はこの方も療養型の病院でゆったりと勤務されています。

もちろんこの2例の他にも、通常の研修病院で勤務していながら、つらくなって研修を途中でやめてしまう、ドロップアウトしてしまうような例はいくらでも見聞きします。

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燃え尽き症例から何を学ぶべきか

これらの2症例で全てを語る事は到底できません。

ただこれらの2症例にいえる事は、人間ががんばり続けるには、相当の肉体的・精神的体力が必要で、運や環境も必要なのではないかと言うことです。

研修医時代に学んだ知識のほとんどは覚えていない

研修医時代は確かに医師にとって非常に貴重な期間です。

私も研修医時代に外科のローテーション中に学んだ縫合なんかは主として当直の時に役立っていますし、できた経験というのが少しばかり役立っていると実感することもあります。

一方で研修医時代に学んだ・経験した知識の98%くらいは、もうすでに役立たないものになっているような気がします。

産婦人科や精神科、麻酔科なんかは、経験として心の中には残っていますが、知識としては学生レベルと対して変わらないと思います。

もちろん責任を持って患者さんに使える知識は全くありません。研修医に学ぶことはそんな程度な訳です。

手技ということに関しては、採血やCVなんかは研修医時代にも多く経験しましたが、大学病院勤務だった3年目以降に研修医時代の10倍くらいは経験しました。

リスク管理がうるさい今の時代にあっては、CVを挿入する、などいったことはしておりません。

そういう風に考えるとみると、ほとんど風化してしまう知識や、3年目以降にいくらでも経験できる経験を、わざわざ燃え尽きのリスクを背負って激務な研修医時代を送るのはどうかな、と思ってしまいます。

普通の研修医生活で十分なのではないかと思ってしまうのです。

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