訴えられた医者

患者意識の高まりによって、医療訴訟はより身近なものになっています。ある程度の規模病院になると、常に医療訴訟を一件は抱えているような状況だそうです。

訴訟を抱えた医者たち

私自身は、訴えられた事はありませんが、私の身の回りには訴訟を抱えた人たちまたは訴訟に関係している先生方がたくさんおられます。それぞれの案件を聞いていると、医療者側からすればどうしようもないような話ばかりなのですが、現在はやや患者さん側に有利に傾いており、医療訴訟を起こすこと=(イコール)何らかの利益につながる傾向があるようです。

安全な検査や治療はない

人間の体というのは100人いれば100人とも違います。絶対に安全とされている検査や治療であっても、1000人に1人、また1万人に1人の割合などでは副作用が出て、ときには死亡に至ることがあります。厄介なのは誰に死亡するような副作用が起こるかどうかわからない点です。

私自身はそのような予想できないような死亡例については、病院側、または国や市町村等で遺族に賠償することが必要だと思います。しかしながらそれを医療者個人や病院だけの責任に転嫁し、医療訴訟と言う観点から裁判で判決を下すと言うような手法は間違っていると言わざるを得ません。そうでなければ利用者側はリスクを取って侵襲的な治療を行わないことになってしまいます。

保険に入る

とは言っても現実がすぐ変わるものではありません。きたるべき訴訟に備えて、多くの医者は医療裁判に関する保険に加入しています。私自身も1年に5万円もかかる医療訴訟対策の保険に加入しており、私の生命保険や医療保険よりもずっと高い額になっています。たしか5万円の掛け金で1−2億円まで補償してくれる内容だったと思います。ちなみに訴訟大国であるアメリカでは、この医療訴訟対策の保険の保険料はもっとずっと高く設定されているようです。

せっかく病気を治す方向で治療をしていたにもかかわらず、予期せぬ副作用や避けることのできないトラブルで患者さんがなくなったり、重度の後遺症が残ってしまうのは大変残念なことです。そのような現実がしっかりあることを認識し、その上で医療者側も患者側もお互いに不幸な結果を招いたとしても最終的に納得できるような制度が作られていくことを望んでいます。

ドクターズマガジンを無料で購読
先生まだ医局辞めてないんですか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。