診療科を自由選択できることの限界

米国ではStep1で高得点を獲得した学生が、QOL、給与が高い診療科のレジデントプログラムにマッチできる事を書きました。次に、日本における診療科の選択について考えてみたいと思います。

日本では自由に診療科を選択できる

日本の場合、学生の自分が知る限りでは、自由に診療科を選択できるようです。

CBTや国家試験の成績によって将来専門としたい診療科が制限されることもありません。また診療科によって給与面での待遇も変わらないようです。少なくとも開業した場合などを除いて、大学病院内で「○○内科は給料いいよ」などという噂も聞きませんし、医局からの宣伝文句もありません。

QOLは診療科によって大きく違う

ではQOLはどうかというと、これは診療科によって大きく違います。

私がポリクリ中に経験した例を挙げるならば、手術に集中している外科医とその横で寝ている麻酔科医、緊急手術で明朝3時から手術をして連続勤務している外科医と、朝9時に出勤して来る皮膚科医。

これで大学病院内での給与待遇が同じだというのだからおかしな話です。

前回の記事で書いたように、米国では診療科の選択が興味、成績、給与、QOLの4要素に依存すると仮定するならば、少なくとも日本では勤務医でいる限り、成績、給与の2つの要素が診療科の選択に影響を与える割合は小さいと考えられます。

診療科の選択はQOLに大きく左右される

したがって診療科の選択は、興味とQOLに大きく左右される事になります。この仮定を支持するように日本では外科医、産科医などのQOLの低い科が敬遠されているようです。

こう考えてみると、外科や産婦人科を選択するインセンティブが個人の興味でしかない限り、成績や給与を加味せずに診療科を選択できる現行の制度は、限界にきているのではないでしょうか。

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先生まだ医局辞めてないんですか?

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