医者だって人間ですから、当直をしていてやる気をなくしてしまうこともあります。
当直帯にやってくる患者の内訳としては、
1/3は来なくても良いけれども、まぁ仕方ないか、といった患者、
そして残りの1/3は絶対に来なくて良い患者
です。
もちろん医師として、病院で働く医療者として適切な医療は行いますが、「なんで病院にきやがったんだ!!」と思うこともあります。
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こんな患者はいやだ。その一覧
一週間前からの症状てやってくる患者
たまに当直をしていると、こういう患者がいるんです。
なんとなくお腹に違和感があって・・・というので、詳細を聞くと、同じような症状が一週間前くらいからあったというパターンです。
そのような患者に対しては、口には出さないものの(どうして平日の昼間に病院に来なかったんだよ!)と叫んでしまうのです。
そもそも平日の昼間に病院に来る必要のない程度の症状であれば、急激に悪化したなどの変化がなければ、わざわざ夜間休日に病院にやって来る必要なんてないのです。
夜間の病院はできる検査に限りがありますし、専門の医者が当直しているわけではありませんから、十分な診断が得られないことがほとんどです。
したがって、ちゃんと診断をつけて治療をするためには、日中に専門の診療科の医師を受診する必要があります。
やはり夜間休日に病院にかかった患者は、一律2万円負担、というような制度にしないと、このように安易に夜間休日に病院を受診する患者は減らないでしょうね。
態度の悪い生活保護の患者
もちろん正当な理由があって当直帯に病院を受診した場合には、こちらも一生懸命対応するのですが、患者の態度が大きかったりするとやる気をなくします。
生活保護の方は、医療費が全て免除になっています。
したがって言葉は悪いですが、タダで医療を受けることができる状況になっています。
もちろん生活保護の理由も様々ですから、当然一括りにすることはできないのですが、平日の夜や休日にノコノコやってきて、悪態をつきながら目の前に座られると、医者としては非常にやる気をなくします。
真面目に医者として働いていれば、誰もが感じることですが、本来は何万円や何十万円もかかるような医療行為を、協力的でない患者が無料で受けられてしまうのは大きな問題です。
酒の匂いのする患者アルコール中毒の患者
酒の匂いのする患者も困ったもんです。そもそも本当に緊急性のある患者であれば、酒を飲んでいる状況ではないですからね。
もちろんアルコールを飲んで、強い腹痛が出たり、強い呼吸困難が出たりして、本当に医療行為が必要であれば病院に来てもらうのは全く問題ないのです。
しかし酒を飲んだ患者が、たいした症状もないのに当直帯にこられてしまうと、非常にやる気をなくします。
またアルコール中毒で運ばれてくる患者もイメージが悪いですね。
人間ていうのは、お酒は飲まなくても生きていけるものです。
自らの欲求のためにアルコールを摂取し、それを飲み過ぎることによって体調悪くするなんて全く以て言語道断です。
急性アルコール中毒に関しては自己責任なのですが、その後始末を私たち医療者が行わなければなりません。
突然怒り出す患者
当直帯にやってきて、必要な診察や検査をやっているにもかかわらず、喧嘩腰になってくる患者も困った患者です。
そもそも発展途上国であれば時間外に医療を受けると言うこと自体が不可能ですし、先進国であってもこれほど自己負担が少ないのはごく少数です。
加えてほとんど待ち時間なしに医師の診察が好きなように受けられる国は日本ぐらいのもんです。
おそらく病院の関係者皆が思っている事ですが、救急医療に関する日本の医療費、特に患者負担の分はあまりにも安すぎます。
これでは救急の先生たちが疲弊してしまうのも無理はありません。
本来は夜間休日に病院にかかったとして、まず真っ先に感謝の気持ちが欲しいものなのですが、なぜか悪態をつく患者が出てきます。
なぜそのような態度に陥ってしまうのか私は全く理解できないのですが、困ったもんです。
したがって医療者側の心証を悪くしないためにも、夜間休日に病院にかかる際は腰を低くして、いることが大切です。
最悪の患者の一例
実際にどうしようもない患者はいます。
研修医の頃に当直した時に「競馬場で酒を飲んでいたら気分が悪くなった」といって救急車で運ばれてきた患者がいました。
一応病院ですから、一通りの検査をして異常がないことを確認し、帰宅するようにお伝えしたところ「家に帰るにもタクシー代がかかるので、入院させてほしい」とのたまうのです。
この患者は生活保護を受給していたわけですが、本来は不要な医療をタダで享受して挙げ句の果てに入院しようなんて、言語道断です。
このようなあり得ないような患者が本当に病院にやってきてしまいますから、実に注意が必要なのです。
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