アルバイト病院当直も肉体労働という認識を医者は持つべきである

大学病院に勤務している場合には、安い大学病院の給料を補うために、アルバイトを行わなければなりません。

特に若手医師の場合は、自分の専門分野に関してあまり経験がないですから、誰でもできるような当直バイトを行なっていく必要があります。

当直バイトは一晩5万円とか、割が良いように思えるのですが、医師たるもの当直のアルバイトも結局のところは肉体労働であると考えるべきなのです。

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2017年1月27日

アルバイトとしての当直業務

特に専門医の資格などを持たない若手医師の重要なアルバイトとして、近隣病院での当直業務が挙げられるかと思います。

大学病院の近くにある、規模の小さい療養型の病院に赴いて一夜を明かすと言うのは典型的な当直バイトかと思います。

入院している患者さんはそれなりに安定しており、夜に起こされることもあまりありません。実に楽してお金を稼げているように錯覚します。

療養型病院での当直のアルバイト給料

このような病院での勤務というのは、平日であればだいたい5-6万円くらい、土日であれば8-10万円といったところでしょうか。

医局からアルバイトを請け負う場合、求人サイトを介さないので、アルバイト代金は通常よりも20-30%くらい高くなりますね。

学生時代のお金のなさから、医師免許を得て研修医を終えた段階で、夜寝ているだけで数万円も稼げてしまうのです。

このように考えてみると、アルバイト当直はなんて素敵なんだろう、と思ってしまうわけです。

回数を重ねると当直業務は辛くなってくる

一見バラ色のように思えるアルバイト当直なのですが、実際には辛いものです。

大学病院での勤務を終えて病院に移動し、翌朝また大学に戻ってくると言うのは、肉体的にも精神的にも負担になります。

また日曜日に当直先の病院に缶詰になり、月曜日から大学病院での勤務となると、これまた辛いものです。

私も大学病院での勤務を初めて、最初の1-2年くらいは最大で月に7回とか8回ぐらいアルバイト当直をしていたのですが、回数を重ねるごとに辛くなってきました。

家でゆっくりと休めない現実は、人間の肉体や精神を徐々に追い詰めていくのかもしれません。やはり人間無理は禁物です。

当直業務は時間を切り売りしているという事実

冷静に考えてみると病院で当直するのは、人生の間で貴重な時間を、切り売りしているのに過ぎないと感じることがあります。

医者ってのは、椅子に座って指示を出しているだけでは収入を得ることはできません。どうしても自分の体を動かさなければならないんです。

医者と言うと、医者自身も周囲の人間も高度な技能を持ったホワイトカラーと考えがちなのですが、結局のところはブルーワーカーなのです。

特に当直業務に関しては自らの時間を切り売りしている労働者に過ぎないのかもしれません。

アルバイト業務だって時間外に病院で待機している必要があり、自分の時間を他人に売り渡しているようなものです。とてもホワイトカラーの仕事ではありません。

この辺りを十分に認識しておかなければ、ミイラ取りがミイラになる、なんてことになってしまうかもしれません。

当直のアルバイト給料も税金で持っていかれる

さらに普段は意識されないのですが、稼いだ金額の何割かは、所得税・住民税の形で税金になってしまいます。

医者の場合は大抵年収1000万円近くですから、所得税と住民税を合わせると40-50%くらいでしょうか。

一晩の当直が6万円とされている当直があったとして、実際はそのうちの2-3万円近くは、税金として持っていかれてしまうと言うわけです。

6万円稼いだつもりなのに、実際に財布に入るお金は半分くらいなんて、なんと悲しい現実なのでしょう。給与でもらう額面よりも、手取りはもっと少なくなるのです。

実際に手元に残るお金と、病院で貴重な時間を一晩過ごすということを天秤にかけて考えた場合、果たして当直が褒められる働きなのかは十分に吟味する必要がありそうです。

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