多くの大学では、医学部の学生だけしか入部できない医学部○○部が用意されています。
この医学部専用の部活では、基本的に医学部生のみが入部資格を有しています。
中には看護学生、歯学部生や薬学部の学生も入部できるようになっているクラブがありますね。
どうして医学部専用の部活動が準備されているのでしょうか。その理由を考えてみたいと思います。
コンテンツ
医学部だけの部活動の概要
これらのクラブは医学部の中に1つや2つというわけではなく、バリバリ体育会系の野球部から、ゆるりとした卓球部まで複数の部活が用意されています。
ただし大学によりますが、美術部とかダンス部とか、学生数の関係からマイナーなクラブはありませんから、そのような場を求めるにあたっては、大学全体のクラブに入部する必要がありそうです。
医学部専門の部活動は、決して珍しいわけではなく、医学部を有する大学では当たり前のことになっています。
そもそも医学部だけの医科大学では、大学全体の部活動=医学部の部活動ということもあるでしょう。
サッカー、野球など各種目においては医科歯科学生大会が毎年夏に開催されており、この大会には医学部生もしくは歯学部の学生のみが参加できるようになっています。
そしてこれらの大会に出場するためには学生証の提出が必要だった気がします。意外と身分確認はしっかりしているようです。
看護学部や歯学部の学生が入部できる場合も
この辺りは各部活、大学の裁量にもよるのですが、医学部の学生のみならず、看護学部や歯学部の学生が医学部の部活で活動する場合もあります。
大学によっては医療系の学生はひとつのキャンパスにまとめられている場合も多いことでしょう。
ですから、医学部の学生だけでなく看護学部の学生とも一緒に活動することは合理性があるわけです。
しかし医療系の学生として団結するのは素晴らしいことなのですが、看護学部と医学部では競技のレベルが違ったり、そもそも学部が違うが故にしこりがあったりなど、いろいろと大変なことはあるようですね。
医学部専用の部活動が存在する理由
さて本題ですがなぜこのような医学部の学生だけを対象とした部活動が用意されているのでしょうか。
以下のような理由が挙げられます。
活動場所が異なる
理由の1つに挙げられるのは、医学部の学生は活動場所が異なっていることです。
医学部や看護学部では、病院実習を行うために大学病院の近くにキャンパスを構えている必要があります。
多くの大学では、医学部とその他の学部が同じキャンパスにあることは少なく、たいていは大学病院と医学部が大学本部から距離的に離れた場所に位置しています。
したがって部活動をスムーズに行うために独立した医学部のためだけの部活動が作られるのは、すごく合理的なことなのです。
カリキュラムが大きく違う
また医学部ではカリキュラムが大きく違っていることが挙げられます。
医学部医学科においては、医学部で6年間学ぶことになります。
医学部の場合には大学3年、4年というのは医学部の生活の中でも最も充実した時期であり、クラブ活動にも打ち込める大事な学生時代の年代にあたります。
一方で経済学や法学部、工学部などでは4年で学部卒業になりますし、実際には就職活動で4年にはほとんどクラブ活動は行えないでしょう。
それに医学部における授業や試験は、決して他学部のように形式的なものではなく、ちゃんと試験に受からなければ留年してしまう危険性もあります。
解剖学実習や顕微鏡使った実習では、授業が終わるのはしばしば遅くなり、部活動に遅れてしまうことも珍しくありません。
特に病院実習においては、実習の終了時間が夜になってしまうことも当たり前に起こり得るのです。
このような医学部生の不規則なスケジュールを考慮すると、医学部専用の部活動が作られるのはごく自然なことなのです。
活動のレベルが違う
また医学部の学生と他の学部の学生では、部活動を行う上でのレベルが違うことも挙げられるかと思います。
大学全体の部活動は、中学校や高校などでバリバリとそのスポーツを行い、かつ大学でも週に5日、6日ほど練習している学生がほとんどでしょう。
一方で医学部の学生は、他の学部学生よりも学生時代に勉強に比重を置いてきたこともあり、明らかにそのレベルは落ちます。
そもそも多くは進学校の出身ですから、中高でクラブ活動をしていたといっても、そのレベルは高くありません。
そのような医学部の学生にとっては、他学部で一生懸命スポーツに打ち込んできた学生と肩を並べて活動するのは少々難しいですよね。
サッカーや野球などのチームスポーツでは出場機会が限られてしまいますから、自分たちの活動の場を求めて、新たに部活動作るのは合理的なことなのです。
医学部の部活では、全くの未経験者が一から競技を始めることも珍しくありません。したがって、大学全体の部活と医学部の部活のレベルを考えた場合、圧倒的に医学部の部活の競技レベルは落ちるのです。
例えば私立大学を例に考えてみると…
このような一般学部と医学部の競技レベルの差は、私立大学を考えてみると明らかです。
全国優勝もするような慶應大学のラグビー部や、日本大学のアメフト部なんかに、ちょっとしか経験のない医学部の学生が入部したところで、練習についていくのも難しいでしょうね。
ましてや試合で活躍するなんて夢物語でしょう。
したがって医学部専門の部活がつくられるのは、ある意味合理性があるわけです。
医学部の部活で発生するいろんなこと
ここからは、医学部の部活でしばしば観察される光景についてご紹介していきましょう。
部員同士の恋愛は頻繁に発生する
医学部の部活で最も頻繁に起こり得るのは、なんといっても恋愛です
特に医学部の男女が共に活動する水泳部や卓球部、テニス部なんかでは、部員同士の恋愛はほぼ必発といっても良いでしょう。
医学部の部活といえど多くは週2回とか3回ぐらい練習していますから、かなりの頻度で顔を合わせるわけです。
おまけに大会や合宿、日々の飲み会等があればその関係性はさらに濃密になりますから、これは仕方ないことなのかもしれません。
恋愛を見事成就させて、結婚していく部員たちも決して少なくありません。
部員数が多いメジャーな部活に関しては、医学部の部活動がきっかけで出会い、結婚していくカップルが1学年に1カップルくらい存在することもめずらしくないでしょう。
一方で男女が別れると大変
一方でこれには問題もありまして、例えば付き合ったり別れたりとか、浮気があったりすると大変です。
誰かしらが医学部の中にいづらい状況が生まれてしまい、恋愛での帰結が原因でクラブ活動やめてしまわなければならない事態にもなり得るのです。
恋は盲目ですから仕方ないことかもしれませんが、恋愛関係の破綻が退部の要因になるのは勿体無いですね。
同性の間では仲が悪くこともよくある
恋愛はよく見られる光景である一方で、同性の間では仲が良くなることが少なくとも、仲が悪くなることはしばしばあります。
クラブ活動する限りは、どのような競技をするにしても競争があります。
サッカーやバスケットボールであればレギュラー争いがありますし、卓球やテニスではどちらがうまいのか試合をすることもあるでしょう。
そんなライバル関係にある一方で、毎回の部活動では顔合わせ、おまけに毎日の医学部の授業でも近い距離にならなければなりません。
つまりお互い距離が近すぎるわけです。
したがって同性同士、特に同じ学年の同性同士が仲を悪くするというのはしばしば経験されるのではないでしょうか。
このような状況ゆえか、医学部の部活を卒業してみるとすぐに関係性が疎遠になってしまうこともめずらしくありません。
卒業して何年か経過すると、一度も顔を合わせないなんてこともしばしば起こり得るのです。
ましてや結婚して家庭を持っていたり、勤務地が全然違っていたりすると、ただでさえ忙しい医師ですから顔を合わせるのは簡単ではありません。
6年間の間にあれだけ濃密な時間を過ごしたのにかかわらず、卒業後は疎遠になってしまうなんてちょっと悲しい話でもあります。
医学部部活のマネージャーになるのも一苦労
これは主に首都圏にある医学部で見られる光景です。
東京大学や慶応大学の医学部となると、そこに在籍する学生たちの将来は有望ですから、それらの学生たちと関係を持ちたいと考える女性は少なくありません。
さらに視野を広げて学費の高い私立大学医学部となると、ご両親が経済的に裕福であることは間違いないですから、結婚相手をそのご子息に定めるのは非常に合理的な行動であるといます。
このような事情を背景にして一部の医学部部活には、多くの女子マネージャーが応募するために、マネージャーになるためだけの選抜が行われていると聞きます。
どのクラブに入部すべきか
医学部に新しく入部してくる学生の場合、どの部活に入るべきか悩むことはあるでしょう。
また一般学部のクラブに入部するか、それとも医学部のクラブに入部するかで迷うこともあるかと思います。
もし部活動に入部することを考えているのであれば、迷わず医学部専門の部活を考慮した方がよいでしょうね。
上に書いた通りカリキュラムについて考慮してくることは当たり前ですし、競技レベルを考えても活躍できる機会は多いでしょう。
高校時代もバリバリ部活動をやっていて、高いレベルでの活動を目指す場合は一般のクラブを考慮しても良いかと思います。
また医学部を卒業して感じるのは、決して医学部のクラブに在籍する必然性はないということです。
サークル活動でまったりと過ごすも良し、アルバイトをしながら長期休暇の海外旅行を存分に楽しむのもよし、生き方は人それぞれです。
あまりにも狭い世界にとらわれないようにしたいものです。
コメントを残す