医者の世界においては、診療科ごとによってその業務内容や特徴は大きく異なっています。
特に医学部再受験生は、高校からストレートで医学部に入学した医学生と異なり、年齢を重ねていることが多いかと思います。
ここでは医学部の再受験生が診療科を選ぶ際に、考慮すべき事情について解説したいと思います。
診療科を選択するにあたって年齢は重要な要素
診療科を選択する上で考えなければならないのは年齢です。
医者としての経験年数が数年ほどで、一人前の医者とみなされる診療科もあれば、10年ほどの経験を積んでもまだまだ臨床経験は不十分である診療科もあります。
例えば内科系の診療科や、麻酔科などであれば、10年間の経験を積めばほぼ一人前の医者と言っても差し支えないでしょう
しかしながら外科系のの診療科、特に脳神経外科や心臓血管外科等においては、10年間の経験ではまだ不十分といえます。
高度な技術が要求される診療科ですから、もっともっと経験を積んで初めて1人前の医師として認められる風潮にあるかと思います。
外科医として脂が乗り切っている年齢は主に40代と言われます。ちょうど経験年数としては15-20年くらいでしょうか。
したがってすでに30代や40代を目の前にした研修医がこれらの診療科を選択するのは、客観的に考えてあまり正しい選択肢とは言えないかもしれません。
再受験生にとって最適な進路とは
したがって医学部卒業が30歳以上になる医学部再受験生にとって最適な進路とは、医師として独り立ちが早く、体力的に要求されない診療科になるかと思います。
これらの診療科を考えてみると、精神科、皮膚科、眼科、内科系診療科のうち神経内科、放射線科、病理診断科…等になるかと思います。
内科系の診療科であっても、消化器内科や循環器内科は内視鏡検査やカテーテル治療・検査がメインで体力勝負を要求されますから、必ずしも最適な選択ではないかもしれません。
たまに「年齢なんて関係ない!」とおっしゃる再受験の研修医や熱血指導医の先生をお見かけしますが、無理は禁物です。
常に適材適所を考えて進路選択をする必要があります。
このうち一度社会人として勤務した経験がある場合には、精神科は良い選択肢になるかと思います。
自らの社会経験を踏まえながら患者のケアを行うことができ、再受験生としての強みを生かすことができる可能性はあるでしょう。
実際の再受験生の進路
それでは医学部再受験生が実際に選択する診療科はどのようなものでしょうか
病院の中にいる再受験生の志望する診療科を考えてみると、やはり外科系の診療科に進んだ再受験生はほとんどいないかと思います。
医師としての独り立ちの早い精神科や内科を選ぶ再受験生は多いですし、体力的に負担のない病理診断科や放射線科を選ぶ再受験生の方もおられます。
全体としては、再受験生の方も診療科の特徴を考えながら診療科を選択しているようですね。
進路選択、その後
各診療科を選択したのちの再受験生のルートは、実に様々ですね。
産業医として働く医師、専門医取得後早々に開業する医師、そしてニッチな業界で業績を積んで教授になる医師など、決して画一的ではありません。
特に社会経験があったり、異なる分野で研究をしていたような再受験生は、異なるバックグラウンドがあるゆえに、仕事の面では有利なことが多いのかもしれません。
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