医師とプレミアムフライデー。医者にはプレミアムな金曜日は存在しない

プレミアムフライデーと呼ばれる制度が始まりましたね。

労働者の諸君は月末の金曜日は3時に家に帰っても良い制度らしいのです。

早めに会社を後にして、飲み会に出かけたり、映画を見たり、スポーツ観戦したりと、まさに夢のような制度がスタートしたような感じです。

私もぜひこのような制度の波に乗りたいなぁと思ってテレビを見ていたのですが、医者の場合は絶対に恩恵に預かることはできないですね。

ただしこの制度は、医療業界には無理ですね。完全に適応外です。

プレミアムフライデーの概要

日本国政府(経済産業省)および経済団体連合会を中心とした、経済界が提唱・推進する、毎月末金曜日(フライデー)に、普段よりもプレミアムな生活を推奨する個人消費喚起キャンペーン。

午後3時(15時)に仕事を終えることを奨励する「働き方改革」と連携し、給与支給日直後に該当しやすい月末金曜日には、夕方を買い物や旅行などに充てることを推奨している。2017年(平成29年)2月24日より実施された[4]。

Wikipedia

元々は個人消費を活性化させる目的で作られた制度のようです.

確かに金曜日が15時定時上がりになるとすると、土日で旅行するとかいろんなプランが立てられるかもしれませんね。

ただし、この制度は医療機関では到底採用できないでしょう。

プレミアムフライデーは病院では無理

もし病院全体が3時に終了しようとするのであれば、月末の金曜日は外来の時間を早めに終わらせるとか、長めの手術を入れないようにするとか、病院全体の配慮が必要になってきます。

そのような配慮をしたとしても、産婦人科とか、救急科とかでは、時間外対応が多すぎてプレミアムなフライデーにはならないでしょう。

人間の体調不良とか急変は、月末のプレミアムフライデーだからといっておとなしくしてくれているものではありません。

むしろ金曜日は定時の時間が短くなる分当直の時間が長くなり、金曜日に病院当直をする先生のモチベーションは低下するでしょうね。

そもそもこれまでも、金曜日だからと言って早めに家に帰るとか、早めに仕事を切り上げる事は出来ませんでした。

まずは労働基準法の遵守からはじめよう

医師の仕事に関しては、プレミアムフライデー以外にもまず改善すべきポイントがたくさんあるように思います。

当直とか、休日の当番とか、労働基準法に違反しながら労働を強要している医者の働き方の改革を進めるべきです。

プレミアムフライデーといった戯言は、その現実を変えようとしてから、はじめて実現可能になるんだと思います。

そういうふうに考えてみると、医者とか、病院とかは、プレミアムフライデーから最も距離の遠い存在なのかもしれません。

2018年。制度開始から1年経過して現場どうか

プレミアムフライデーがはじまって、1年経過しました。

さすがに1年経過するとニュースなんかでも報道されることなく、浸透しているのかどうなのかわからないですね。

さて、肝心のプレミアムフライデーなのですが、残念ながら医療機関においては全くもって無視されていますね。

病院の事務側もプレミアムフライデーはそもそも無理と思っているのか、「来月からプレミアムフライデー実施」なんていうお知らせもありません。

ですから病院の中にいる限りは、プレミアムフライデーが医者の働き方になんらかの影響を及ぼした形跡はまったくありません。

月末の金曜日も、いつもと同じ週末の金曜です。

医療業界がプレミアムなフライデーを享受できる日はおそらく来ないでしょうね。

医者は長時間労働や当直で休めない。病院はブラック企業である

2018年1月5日

アルバイト病院当直も肉体労働という認識を医者は持つべきである

2018年2月8日

Sponsored Link

関連する記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です