採血データや各種検体検査の結果の読み方は、臨床医であるならば必ず知っておくべき項目です。
普段なんとなく見ている検査値の詳細について勉強するには、検査値に関して解説してある教科書を読むことが大切ですね。
★★★ 検査値の読み方・考え方―専門医からのアドバイス
医学生、医師向けに出版されているテキストです。
内容量は300-400ページであり、医師国家試験を受験するにあたって知っておくべき程度の検査項目が説明されている。
検査値に関しては、総合内科学書をあたっても十分な説明がなされてないことがしばしばみられます。
本書ではESRやCRPなどの項目では、それぞれ3ページ程度を割いて説明がなされており、研修医や若手医師程度の知識は網羅されているといえるでしょう。
検査項目ごとに執筆者が異なるため一概には断言できないところですが、テーブルやイラストは1ページあたり最低1つは配置されているようです。
国家試験を含め試験勉強をしていると、ふと検査項目の意義に疑問を持つ場合があるでしょう。
そのような場合に本書を辞書的に使うとより深い理解が得られるかもしれません。臨床実習で使うには少し物足りない感はありますが、基本的な理解を得るには役立つでしょう。
★★★ 誰も教えてくれなかった血算の読み方・考え方
聖路加国際病院の先生が書いておられる教科書です。
内容はというと学生〜初期研修医を意識して書かれており、まずは各テーマ(白血球減少、血小板増加など)ごとに現病歴と血算を含む症例が示されます。
この時点で読者に鑑別診断を考えさせ、続く文章で血算の読むべきポイントを示しながら鑑別診断を絞り込み、最終的な診断までたどり着く構成になっています。
血液像やテーマごとの鑑別診断一覧も掲載されていて、おもに所見から診断を絞り込んでいくシナリオが想定されていますね。。
個人的に良いと感じたのは、学生〜初期研修医向けに書かれているためにすらすら読める事、そして問題形式で書かれているので考えながら読み進められることでしょうか。
200ページほどのテキストであるために、集中して読めば1日で読み切る事も不可能ではないでしょう。
★★★ 臨床検査データブック
一線の医療従事者向けの臨床検査解説書ですね。
1074ページにも及ぶ解説書で、各臨床検査の項目が詳細に説明されています。
各検査値の意味だけでなく、検査値の半減期や頻度別に考えられうる疾患など、より実践的な内容まで記述は及んでいます。
本書の特徴はといういと、procalcitoninやIPF (immature platelet factor) などここ数年で使われるようになった検査値までもが、詳細に説明されていることでしょうか。
文章量から考えて通読はほぼ不可能でしょう亜kら、 病棟に常備しながら、分からない検査値をみたときに開いてみる、というような辞書的な使い方が適当だろう。
★★★ 異常値の出るメカニズム
460ページに及ぶ少々分厚い本で、各検査値について詳細な説明がなされています。
各検査値を解説する部分では、イラストなどを用いて生化学的な知識も用いながら説明してあるのが印象的です。。
国家試験の勉強をしていると、検査値に関する疑問には必ず直面するでしょうから、検査値に関連したテキストは是非一冊は持っておきたいところですね。
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