精神的に崩れてしまう病院職員の方が多いと聞きます。
そもそも医療従事者の全体的な傾向として、職種に寄らず激務、人材不足ですから、それぞれ大きな負担がかかってしまうのが原因なのかもしれません。
そんな中、精神的に辛くなる医療職員も多いのです。
精神的につらくなる看護師
私の病院の外来で働いている看護師さんが、精神的に結構辛くなってきたとのことでした。
その看護師さんは40代前半で、私たちの診療科に異動してきて半年位なのです。
慣れない環境の中で多くのことをこなさなければならないの加えて、個性の強い、気難しい医師たちの前でうまく立ち回らなければなりません。
それらの医師たちとのやりとりが精神的な負担になっているようです。
労働時間自体は決して長時間労働であるというわけでは無いのですが、慣れない環境での人間関係は看護師さんにとっては大きなストレスになるようです。
40代のベテラン看護師さんですらこのような状況なのですから、新人看護師さんはさぞや大変なのでしょう、と推測されます。
異動が頻繁にある看護師さんは、環境にうまく適応できないと精神的な負担を負うことになりますね。
精神的につらくなる放射線技師
診療科柄、CTやMRIをよくオーダーするので、放射線科の部門についてもよく知っている人がいます。
いろいろな話を総合すると、放射線部門においても、放射線技師さんがここ数ヶ月で一名休職し、そのほかの一名は他の病院に移っていったようです。
私たちの病院は比較的人材に恵まれており、労働時間だけで考えるとがとりわけ激務であると言うわけではないと思います。
しかしほかの病院に異動してしまうくらいに、やっぱり人間関係なんかが辛いんでしょうか。
放射線技師も毎日同じ環境、同じ人間関係のもとで働いているでしょう。
ですからどんなに馬の会う人と一緒に働く場合でも、険悪になってしまう可能性があります。
放射線技師という世界でも、当然上司と部下という関係性はあります。
人間関係がつらくなってしまうのも仕方ないのかもしれません。
どんどん休職する病院事務職員
これは患者さんから聞いた話なのですが、病院の事務職員でさえも、精神的な理由で休職を余儀なくされているようです。
外来で治療していたほかの病院で事務職員として勤務している患者さんなのですが、
「いま人手不足なので、簡単には病院を休めません」
とのこと。それほどまでに人手不足のようですね。
病院全体の人員削減に伴って、病院事務も慢性的に人手不足のようです。
特定の職員に過重な負荷がかかり休職、そして残された人間にさらなる負荷がかかり休息をとりにくくなる、というような悪循環が生まれているようですね。
病院職員がうつ病になる背景
このように病院職員がうつ病になってしまうのは、珍しくもなんともありません。
一般企業で長時間労働やパワハラがとりだたされるように、病院でも環境は同じなのです。
このように病院職員が精神的に苦しくなってしまう原因について考えてみましょう。
仕事が激務
まずは病院職員の根本的な人手不足という問題があるかと思います。
どこの病院でもそうですが、診療報酬の削減に伴って病院は収益を上げづらい状況が生まれています。
一生懸命働いていても、赤字なんていう病院が実はたくさんあるのです。
したがって経営を維持するために、病院内部の医療費を削減する他に、人件費を削減する方向に経営方針を進めています
数年前まで問題になっていた医師不足と同じ状況が、看護師や技師、事務職員にも及んでいるのです。
人間関係がつらい
看護師さんやコメディカルの状況を見ていると、必ずしも激務だけでうつ病になるわけでは無いようです。
コメディカルとして働いている場合には、病院の中における意志決定者である医者や、違う職種の人ともコミュニケーションをとっていかなければいけません。
また病棟の看護師の場合には、口うるさく意地悪ないわゆるお局看護師もいたりして、女社会特有の辛さがあることでしょう。
大規模な病院で人間関係が希薄であるかと思いきや、実は各部門は非常に細かく細分化されており、毎日合わせる顔は同じだったりするものです。
そんな人間関係の中で馬が合わない人がいると、かなりストレスになってしまうようです。
まとめ
このように多くの人々が精神的に体調崩していくと言うのは、なにも病院に限ったものだけではないかもしれません。
ニュースでは過労死問題や、長時間労働の問題というのが頻繁に取り上げられています。
しかし病院の中で、各職員の精神的負担、肉体的負担が増しつつあるのは事実でしょう。
病院の管理者や経営者はその辺を十分に考慮して、労働環境の整備に取り組んでほしいものです。
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