どの病院にも特別室と呼ばれる、大部屋とは違った設備を持った部屋が存在しています。
民間病院で富裕層向けてに運営されている病院では、1泊あたり数万円もするような病院の特別室もあるようです。
特別室を利用するのは、どのような人たちなのでしょう。
病院の特別室の概要
一般的な特別室というのは、部屋が広くなっていますね。また部屋の中に専用のトイレがあったり、シャワールームがあったりします。
そしてプライバシー保護のためか、部屋はナースステーションやエレベーターから1番遠いところに位置しています。
私が勤務していた公立病院では、ベッドの差額として1日あたり1万円程度必要になることが多いようでした。
これが民間病院でVIPの受け入れ体制が整っている病院だと特別室の仕様も豪華になり、1日あたり5万円とか、10万円になったりするようですね。
芸能人が入院するような特別室について報道される時、たまにすごく高い1日あたりの特別室の料金を見たりして、びっくりすることがあります。
小倉記念病院の例
何かの雑誌で北九州市にある小倉記念病院の特別室がすごい、という特集を見ました。その特別室がこちらです。
画像だけ見ると、もはや旅館でも全く違和感ないですね。
ちなみにこの特別室は価格が公表されておらず、価格については「相談してください」となっています。
公表されている一番高い特別室が一泊21000円程度なので、それ以上するのは間違い無いようです。
今まで私が勤務してきた病院の一番高い特別室でもせいぜい数万円だったわけですが、ここは10万円くらいするかもしれません。
これだけの特別室ですから、金額的にも勤務医、一般弁護士程度では使うことはできず、主として企業経営者が利用することになるのでしょうね。
北九州ですから、また違った職業の方も使われるのかもしれません。
ただしこの病室を思う存分利用するためには、歩き回れるくらい自由でないと意味ないでしょうから、ある程度元気でないとだめでしょうね。
特別に入院したものの、ベッドの上に寝たきりでは宝の持ち腐れとなってしまいます。
特別室に入る患者はどんな人か
さて、それでは特別室を利用する方はどのような人たちなのでしょうか。
ちょっとお金持ち
私が勤務していた一般病院では、特別室に入る患者さんたちは、普通の人たちよりちょっとお金持ちといった程度の人でした。
流石に大金持ちだけが常に病院に入院しているわけではないので、特別室に入るのは「普通のお金持ち」が大多数を占めていると言っても良いでしょう。
病院は基本的に風呂やトイレは共同なので、やっぱり自分だけでシャワールームやトイレを使いたいという気持ちはなんとなくわかります。
また頻繁に面会の人がやってくる患者さんでは、大部屋に入るというよりは、個室で面会するほうが他の患者さんに迷惑がかからないというところもあります。
まあ電車でいえばグリーン車、飛行機で言えばビジネスクラスといったところなので、余裕があれば誰だって特別室の方が良いのかもしれません。
したがって、一般庶民だと特別室を利用できないと言うわけではなく、広く一般の方でも特別室は問題なく利用できるのではないでしょうか。
他の理由で特別室に入る人達
ほかにも特別室に入る患者さんたちがいます。
例えば自分のいびきがうるさすぎて、他の患者さんに迷惑がかかると思うので特別室に入りたいとか、人のいびきとかを聞いてしまうと本当に寝れなくなってしまうので静かな環境で入院したいという方もいました。
また個室がいいけれども病室が満室、空いているのが特別室しかない、場合にも特別室を利用される患者さんはいます。
特別室が1泊1万円程度であれば、3泊4日の入院だと3万円の負担で済みますから、金銭的にはあまりハードルにはならないのかもしれません。
また小児患者の場合には、両親が常につきそう必要がある場合もあり、スペースが必要になります。その場合にも特別室が利用されますね。
医学的に特別室に入るメリットもある
さて、特別室に入る医学的なメリットはあるのでしょうか。
小倉記念病院のサイトには下記の記載があります
また個室であることで他の患者さんからの感染リスクを低減させることができます。
確かに、といったところでしょうか。
大部屋のなかでインフルエンザを発症した患者さんがいた場合には、同室の患者さんにも感染のリスクがありますね。
またドアノブやトイレなどの人が触る部分は感染症の一番の原因になります。
特別室に入院した場合には、このような感染症の危険性の高い部分を不特定多数の人間が触るわけではありませんから、細菌やノロウイルスなどの接触感染のリスクは減らせるかもしれません。
以上のように他の患者からの感染のリスクを減らすことができるのは、特別室のメリットかもしれません。
ただ特別室に入ったからといって、医者が優しくなるわけではありません。看護師の対応がよくなるわけでもありません。医学的にはあまりメリットがないと言ってもよいでしょう。
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