(研修医時代に書いた記事です。適度にリライトしております)
さて、研修医になってからはいろいろなことを考えます。というか、考えざるを得ない状況が起こってくるわけです。
研修医になって感じたことなど、思っていること、働くことの大変さ、などを書いてみたいと思います。
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研修病院はちょっと待遇が悪い
研修病院は医局系列の地方中核自治体病院なのですが、事務方の力が強くいろいろと不便をしいられます。
時間外手当はないですし、病院内の駐車場スペースは限られ、電子カルテも遅い。はっきり言って将来長く勤めたい病院ではないです。
事務方にメールを送っても二回に一回しか返答がないなんて、民間企業じゃあり得ないことですね。
自治体病院は事務が最悪、これが最初に学んだことでした。
上級医は思いのほか結構親切である
さて、先生方はというと全体的に親切です。
大学病院で実習していた時にはあまり親切な対応はされませんでしたが、同じ医局所属の先生でも場所が変われば態度が変わるのか、それとも研修医という身分ゆえなのか、指導を受けるには結構いい病院だなと思っています。
私はまず某内科を三ヶ月間ローテーションすることになりましたが、私の指導医はいろいろやらせてくれています。
二週間でやった手技は、採血、ルート、尿カテーテルなどなど、そんなところです。
一日の流れとしては、朝きて回診、採血をやったあとカルテを書きながら患者さんの今後の方針を聞く。
検査や手技があればそれについていって、午後はカンファレンスや検査など。だいたい終わるのは19時です。研修医としてはかなり時間的にゆとりがある方でしょう。
最初の二週間は仕事を覚えるばかりで、残念ながら医学的知識はほとんど習得できていないですね。
初期研修で得たUSMLE関連の話題
私の研修病院は、医局系列の病院なのでUSMLEの話題が会話にのぼることは皆無です。
したがって残念ながら目新しい情報は特にありません。
患者さんの疑問に自信を持って回答できない自分を考えてみると、Step1とは所詮学生時代の資格試験なんだな、と思い知らされます。
しかし、臨床医学のベースを英語で一通り学習できたことは、文献を読んだり(英語の)教科書を読んだりする上でおおいに役立っていると思います。
看護師さんとの関わり方
いろんな看護師さんがいます。やさしい人からおかしな人まで。
やさしい人は研修医の失敗にも寛容で、ささいな疑問でも笑顔で答えてくれます。対照的に、おかしな人はとことん常識がないです。
こちらから話しかけても無視をする、無言で指をさして命令する、同僚の看護師を罵倒するなど。
右も左もわからない研修医という身分であるのは重々承知していますが、大人同士の接し方、職場での対応という観点からすると常識がないなあと感じてしまいます。
いちいち気に留めても仕方ないので適当に受け流していますが、将来自分が指導医になったときには、「せめて大人な対応をしてあげよう」と反面教師にする日々です。
看護師さんとの関わり方2
そんな看護師さんたちですが、女性との出会いという面では大きな恵みを与えてくれます。
おばさん看護師に罵倒されると、怒りの感情しか沸いてこないのですが、若くてかわいい看護師に罵倒されると、どこか男の中のMっ気が刺激されるのです!
そんなわけで、研修医と看護師の恋愛関係は多々あるようで、実際に医者結婚したという看護師もかなりの数いるようです。
学生時代に人生の伴侶を見つけられなかった研修医の多くは、病院内の職員と結婚することになるんじゃないでしょうか。
研修生活も2ヶ月が過ぎました
医師になってしまうと、休みが本当にありません。5月は大型連休があったというのに、出勤しなかった日は2日しかありませんでした。もちろん旅行なんかできません。
研修医という身分上仕方ないものとは思いますが、医者になっても病理や放射線科に進まない限り、まとまった連休というのは一生ないのでしょう。
こういう現実を目の当たりにしてしまうと、何科に進むべきか躊躇してしまいます。
さて、5月にあったことと言えば、特に医者らしいことはしていないのですが、人生で初めてお給料をいただきました。
年金や保険料を支払うと額面の8割くらいしか残らないですが、なかなか良いもんです。
研修医生活も1年目を終えようとしています
この1年間は苦しいこと、うれしいこと、悲しいことなど様々なことを経験できました。
一番良かったと思えるのは身体的にも精神的にも健康で働き続けられたことでしょうか。継続するということは最も基本的でありながら、意外と難しいものです。
その一方で、将来について考えさせられ、悩むことも多くありました。
土日とはあってないようなもの、患者さんが亡くなれば昼夜祝休日問わず呼び出されること、有給休暇が数日しかないことなど。
このような生活をあと40年続けたとしたら、「生きるための労働」ではなくて「労働のために生きる」なってしまう、ということを確信しました。
過労死、サービス残業は医師に限らずどの業種にも共通する話題ですが、1年働いてみてなるほど医療崩壊するのも当然だなと思いました。
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