Step1で高得点を目指す絶対条件として、いかに多くの問題を解くか、ということが重要になります。
この問題たちは、大学受験と同様に問題集としてオンラインや本として販売されています。その中でも最もとっつきやすいのが First Aid Q&A for the USMLE STEP1です。
各分野ごとに約50問ずつ問題が掲載されていて、step1の全体を俯瞰するには適当だと思います。いきなり突っ走ってもいいことはないので、とりあえずこの本から始めてみることをおすすめします。
コンテンツ
教科書は英語?日本語?
Step1の試験では、46問を60minで解かなくてはなりません。最初のうちは結構ハードですが、問題をやり込むにつれて自然と早く読めるようになるので、わざわざ英語の教科書を読む必要も無いかと思います。
USMLE自体は米国の試験なので、やはり試験対策本も原著は英語です。箇条書きスタイルの薄い教科書なら、原著を読むのも、日本語訳を読むのも効率はほとんど変わらない気がします。
ただ段落単位を読むということになると圧倒的に日本語の方が効率が良いので、日本語で学んで英語で確認する、という教科書の使い方が一番良いように思います。
試験勉強は短期間に集中した方が良い
これはあくまで個人的な意見なのですが、Step1を受験すると決めたら集中して徹底的に勉強した方が高得点につながる気がします。
つまり5割の力で8ヶ月勉強するよりは、8割の力で5ヶ月勉強した方が最終的な得点が上がるような気がするのです。
私自身4回生の中頃から、だらだらと(1日10問とか20問とかのペースで)First Aidを使って勉強していました。
4回生だとCBTとかOSCEとか旅行だとか課外活動だとかいろいろありまして、なかなかたっぷり時間をとって勉強できません。
学習のサイクルが途切れ途切れになってしまうと、以前やった問題と今やっている問題の知識がうまくリンクされてこないので、少しやっては忘れ、その繰り返しになっているような気がしていました。
もう少し説得力のある事を書きますと、Kaplan Q bank、USMLE WORLDなどのオンライン問題集があります。
これらはどちらも2000問弱で、払った金額に比例して一定期間だけ問題にアクセスできます。当然これらの問題集を解く場合は短い時間で多くの問題を解く方が金銭的な負担が少なくて済みます。
ゆえに、時間的に十分余裕ができてから勉強を始める事をおすすめします。
CBTが終わったあたりで受験するのが一番現実的
当たり前ですが、国家試験対策が一通り終わり、知識量が6年間で最高量になっている時、つまりは6回生の終わりに受験するのが最も高得点が狙える受験時でしょう。
国試とstep1を同列で語れるくらいstep1に熱の入っている方なら話は別ですが、多くの人は国試の方が重要なので、6回生の終わりの方に受験というのはあまり現実的ではありません。
それをふまえて勉強を開始する一番いい時期というのは、臨床に関する講義が一通り終わってから、だと思います。 そもそもstep1自体、病院実習に入る前に受ける資格試験なので、コンセプトは日本のCBTとほぼ同じですからね。
CBTの知識がstep1にどれほど役立つかというと、私の場合はほとんど役に立ちませんでした。
私の場合step1をかじる→できない→4回生の終盤にさしかかる→CBTの学習→step1の勉強を本格的に始める、
という流れで進みましたが、実感としてCBTの勉強がSTEP1に役立ったということはなかった気がします。
5回生になると多くの大学では病院実習が始まりますが、私の大学の場合は非常に緩いのでstep1の得点率upにはあまり貢献してくれていないように思いました。
というわけで、CBTや病院実習に期待せずコツコツ進めるのが良いと思われます。
コミュニティサイトを利用する
コミュニティサイトでは受験者同士の交流が可能です。モチベーションの維持には良いかもしれないですね。
Prep for USMLE
米国の受験者が集うコミュニティです。
トピックのひとつにExam Scores Threadというのがあります。これはすでに結果の出た受験者が自分の体験を書いていくスレッドなのですが、それを読んでいると
1、受験準備をする前からあり得ない得点を取っているやつがいる
2、Kaplan Q bank よりは USMLE WORLDの方が評価が高そう
3、Kaplan lecture notes というStep1対策のテキストが人気
みたいなことも分かります。
USMLE WORLD forum
http://www.usmleworld.com/forum/topics.aspx?ForumID=1
こちらはUSMLE WORLDが開設しているForumです。
http://www.usmleforum.com/forum/index.php?forum=1
こちらはUSMLE Forum. comにあるForumです。
日本の国家試験と比較した時のstep1の出題傾向
Step1は医師国家試験の出題傾向に比較して
・生化学、薬理学、微生物学の出題が多い。
・生化学分野では、一般的な反応経路について詳しく問われる。
・薬物の一般名、副作用について詳しく問われる。
・各微生物について幅広く知っている必要がある。
・行動科学という独特の分野があり、Personality disorderについての出題が多い。
・病態生理を深く考えさせる問題は少ない。
・全体として知っておくべき疾患は少ない。
・Xp、CTなど画像診断を求める問題は少ない。
・禁忌肢がない
という傾向があります。
やはりStep1は基礎知識を問う試験であり、基礎医学分野に関する出題が多いようです。
対して国家試験の重点は病態生理を深く考えさせる事にあるらしく、問題文は長い上際どい選択肢を備えた臨床問題などが出題されます。
Step1とUSMLEの出題範囲は完全な重なりをみせることはなく、国家試験の勉強ばかりしていたからと言ってStep1で高得点が保証されるわけではありませんし、その逆も然りです。
より臨床的思考力が試される出題は国家試験の方が多いと感じられますので、暗記モノが多いstep1を受験してから国家試験対策に進む方が、トータルの効率は良いように感じられます。
学習計画の一案
ひとつの案です。ベースにある知識によってやり方は変わりますが、CBTを終えた新5回生を想定します。
First Aid Q & A (1000問:2ヶ月)
BRS physiologyの問題など、分野別の問題:1ヶ月
USMLE WORLD Q Bank (2200問、2周):4ヶ月
この流れが一番効率よく知識を習得できるような気がします。
First Aidをやるとある程度自分の弱点が分かると思うので(私の場合は解剖と行動科学、薬理など)、弱点を克服する意味でBRSなど各教科書の章末にある問題を解いていけばよいでしょう。
もちろん”Pathology Question Bank Powered by USMLE Consult”などを解いても良いと思います。
最後にはやはりUSMLE WORLDをやりましょう。現在のところ各Forumを見ていても、オンライン問題集としてはWORLDが一押しのようです。知識を完全に自分のものにするためにも、正解した問題も含めて2周はしたいものです。
これで7ヶ月くらいの予定ですが、まだ時間がある場合にはKaplan Q Bankなどを解けば良いでしょう。
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