レントゲン写真は採血や心電図と並んで医師としてもっとも基本的な検査です。
最近ではCTやMRIの普及によって、その重要性は昔ほどではありませんが、検診や毎日の検査という点では、患者さんに負担がなく、もっとも広く行われている画像検査といっても良いでしょう。
ここではレントゲンを読む際に必要な知識を解説してくれている教科書についてご紹介しております。
★★★ フェルソン読める胸部X線写真
フェルソン先生はシルエットサインを提唱された、たいへんお偉い先生のようですね。
本書の特徴としては、文章中に複数存在する空欄を埋める形で、胸部X線の基礎が理解できるような体裁になっています。
内容はというと、初学者にも理解できる内容から切り込んで、章末にあるレントゲン写真を用いて診断をつけさせるまでの流れになっています。
本書において秀逸だと思われる点は、X線写真の理論が単純明快に説明されていることでしょうか。
Air Bronchogramや胸水のことなど、何となく理解していることでも、本書に出会って読んでみると、さらに理解が深まる。X線の基礎は分かる、という方でも必ずや新しい発見があるに違いない。
★★☆ 見逃しなく読める!胸部X線画像診断QandA
はじめの100ページで胸部X線の基本事項、読み方の解説があり、残りは症例問題として約20問掲載してあります。
症例問題の部分では、現病歴、検査所見、Xp、CTなどが問題文に含まれており、診断、鑑別診断、治療などの問いが書いてあります。
症例に関する情報は豊富ですが、いかんせん初学者には難しい症例が当てられているので、X線所見がよめたとしても、診断や治療を当てるのは難しいのではないでしょうか。
フェルソンの章末に掲載してある問題よりも1段階難しい印象である一方で、解説は4ページ程度に渡って掲載してあり、親切である。
★★☆ 胸部X線診断に自信がつく本
内容としては目次の通り、読影における基本から始まり、浸潤影、結節影など一般的な所見の成り立ちを説明した後、典型的な疾患のX線所見を解説する流れとなっています。
本書は200ページながら、掲載画像は1ページに2枚程度と、贅沢なページの使い方をしている印象を受けます。また執筆者が1人のため、全体としてまとまりがあり読みやすいところも特徴でしょうか。
内容的には胸部X線の基礎を学ぶ学生向けであり、解説に力を入れているといえるでしょう。まとまった確認問題は掲載されていないため、症例問題を自ら考え、実力をつけいたいと考えている学生・研修医にとってはやや物足りないかもしれません。
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