病気かな、と思ったらまずは近くのクリニックへ

ちょっとした症状があり病院にかかる場合、まずはどこの医療機関を受診すれば良いのでしょうか。

よくある症状の場合

下痢が続いたり、喉が痛くなったり、39℃以下までの発熱くらいであれば、近くの個人医院(○○クリニック、●●内科など)を受診するのが最も適切な行動だといえます。

もちろん下痢を最初の症状とする大腸癌や、喉の痛みを最初の症状とする白血病など、些細な症状の裏に重大な病気が潜んでいる事はよくあります。

しかし全体として考えてみると、下痢の場合は胃腸炎、喉の痛みはただの風邪であることがほとんどで、たいていの場合は何もしなくても自然に良くなります。

もちろん、リスクのありそうな、重篤な疾患を有していそうな患者だけに追加検査を行うのが最も正しい方法ではありますが、それはスーパーマンのような医師にしかできない技であって、現実的ではありません。

また、この段階でCT、MRIなど追加検査をすべての患者に行うことは医療費や医療サービスを行う医師、看護師などの人的資源に限界があることを考えると、難しいでしょう。

加えて検査を行うことは全く体に侵襲がないわけではありません。思わぬ副作用をうむこともあります。

したがって、ありふれた症状を患者さんがいる場合には、どうしても対処療法で様子を見るというのが、一番よくみられる対応になってしまいます

症状がよくならない場合は、追加の検査が必要

下痢や喉の痛みが1週間経っても良くならないときには、胃腸炎や風邪などのありふれた病気以外を疑って、より精密な検査をする必要がありますね。

この段階になって初めて地域の総合病院を受診する必要があると言えます。

ただし、医師の中には重篤な病気であるにも関わらず、3-4ヶ月もの間だらだらと経過観察を続けた挙句、総合病院に紹介されてきた際には病気が進行していた、ということもよく経験されます。

この「自分のクリニックでは手が負えないので、総合病院に紹介するタイミング」というのは、医師としての経験、的確な判断力が求められるところですね。

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紹介状なしに総合病院を受診すると別途医療費が必要

また、入院ベッドが200床以上ある病院に紹介状を持たずに受診すると、別途負担金(5000円程度)を支払わなければなりません。

これはまず症状があれば近くの個人医院、それでも改善がなければ紹介状を持参して総合病院を受診する、という受診行動の流れが医学的に妥当であることを裏付ける制度であると言えます。

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最初から総合病院を受診することの是非

ここまで書いてきましたが、「もしかしたら重篤な病気かもしれないから、最初から設備の整った総合病院に行こう」という考えも最もかと思います。

このように国民の間には潜在的な大病院志向があり、総合病院で働く職員の労働環境の悪化、必要とする患者に適切な医療を提供できないという問題が生まれています。

したがって、上記のような紹介状なしには総合病院には受診できない、または別途初診料を支払わなければならない、などの受診抑制策が計画されてきました。

最初から総合病院を受診するということに関しては、ある程度症状が限局している場合には、やはりメリットかもしれないですね。

CTやMRIまでの検査のハードルは当然総合病院の方が低いですし、専門診療科を受診するような場合には、専門性という点ではどうしてもクリニックよりも総合病院の方が高いでしょう。

この辺りの受診すべき医療機関のコントロールというのは、なかなか解決するのが難しい医療の課題なのです。

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