このサイトで紹介している教科書レビューの読み方

ご覧いただきありがとうございます。

この項目では、医学部や研修医の時代に手にする医学書・教科書について評価とそのレビューをしています。

医学書・教科書に関する考え方

基本的に、日々ホームページの内容は更新しておりますが、改訂の間隔が非常に長かったり、内容量が中途半端で、教科書として読むには不適当な医学書は、掲載しておりません。

したがって、このサイトに挙げられている教科書は、教科書によって用途は異なりますが、基本的にはおすすめできるものです。

その中で★☆☆から★★★までのマークでミシュラン風に評価しています。

もちろん、辞書的に、講義と並行して使うような分厚い教科書と、試験対策で使う要点のまとめられた教科書は、目的、内容ともに大きく異なっているかと思います。

用途別に評価していくのは困難なので、医学書全体としての評価を★で行い、レビューの部分に辞書的に、試験対策で使うべきなのか、それとも通読する用に用いるべきなのか、を書いております。

リンク切れ、誤植等ありましたら、コメント欄からご意見いただけると幸いです。

★★★

非常におすすめな教科書。各分野でバイブルとなり得るような教科書だったり、読んでおいて損はない教科書・医学書。

★★☆

まずまずおすすめ。★★★よりも新しい版が出版されていたり、価格が安かったりする場合にも購入を検討できるテキスト。

★☆☆

普通。図書館で借りるくらいで良い。

上記のようなこのような三段階で評価しております。これから教科書を購入して勉強を始めようとする学生や研修医のみなさんの参考になれば幸いです。

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医学書・原著(臨床医学)

臨床医学の原著ということになると、選択肢はかなり限られてくると思います。

というのも、1-2ヶ月の間、座学で学び続ける基礎系の分野に比べると、臨床系の学問というのは数週間の間隔で次々と試験が行われていきます。

また病棟実習になってしまえば、1−2週間の間隔でローテーションすることになりますし、また教科書をじっくり読む時間もありませんから、ますます腰を落ち着けて医学書を読むのは難しくなってくるでしょう。

ですから、臨床系の原著というのは、自分の専門分野以外に読みこなすのは難しいのではないかと思います。

ですから、すべての臨床医が持っていて損のない原著の教科書ということになると、下記のハリソンになるのかなぁといったところです。

★★★ Harrison’s Principles of Internal Medicine

2700ページにも及ぶ内科学の名著で、現在まで原著は20版近くまで出版されている。

内容は常に最新のものとなっており、臨床で役立つ実践的な内科学書である。

疾患の治療に関する説明は、薬剤の選択、薬理作用、副作用などが非常に詳細に書かれており、これらをまとめただけでも1冊の薬理本になりそうな勢いである。HIVや肝炎の治療に関しては読めたもんではない。

また分冊になっているとは言え相当ボリュームがあるので、携帯には向かない。内容量、重量感から考えてもあくまで辞書的に使うべき教科書である。

ちなみに原著18版の時点で、日本語版は第3版までしか出版されていないようである。最新の知見を手に入れ、将来に備えるためにも是非原著を購入される事をおすすめする。

★★☆ Blueprints Obstetrics and Gynecology

blue printsシリーズの産婦人科分野本。”a concise review”となっているが、医学部の臨床講義、病棟実習、試験対策など(特にstep2)いろいろな使い方ができるマルチな教科書となっている。step1対策としても高い評価を受けている。

内容量としては、医学部の臨床講義で学ぶ内容の8割をカバーいているといったところか。詳細まで丁寧に説明してあるというわけではないが、だいたいのことは書いているので使いやすい。

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原著・英語のおすすめ教科書

医学書を原著・英語で読むことのメリット

医学書を英語で読むことにはいくつか利点があります。まずは、英語に対するハードルをなくすことです。

大学病院などのアカデミックセンターで働く場合には、論文を読む抄読会、海外講師の公演、国際学会での発表、論文の執筆など、英語とはきってもきれない関係になります。

もしこれらの施設でのキャリアアップを目指すのであれば、良質な英語論文を量産する必要がありますから、英語能力はマストになってくるわけです。

もう一つの利点は、英語の教科書の方が質が良いことです。

英語の教科書と日本語の教科書では、販売されているマーケットの規模が違いますから、当然英語の教科書の方が頻繁に改訂されますし、中身の質も優れたものになります。

さらに、発行部数を考えると英語のテキストの方が価格的にもリーズナブルになっています。

日本語の教科書でも名著とされる医学書のうちのいくつかは、そもそも英語のテキストを日本語訳したものだったりします。

専門分野になると日本語の教科書などは存在せず、原著のみしかない場合もあります。ですから医師と英語は切っても切れない関係といっても良いでしょうね。

下記では、学生時代に原著で読んでおくと有用な教科書を列挙しています。

なお、原著の教科書の多くは日本語にも翻訳されており、そちらに詳細なレビューを書いております。

病理学

Robbins Basic Pathology

有名なロビンスの教科書の原著になります。

Basic pathologyとはいうものの、内容量は専門科目の講義で学ぶ内容量からすると十分と言えるでしょう。

英語は非常に平易に書かれていますので、すらすらと読み進めることができるかと思います。英語の教科書への入り口としては、ぜひオススメしたい教科書です。

ただし、病理画像は十分とは言えませんので、アトラスは下記の本を購入することになるでしょうか。

Robbins & Cotran Pathologic Basis of Disease

こちらはロビンスのアトラス本になります。

USMLE step1では重要なテキストになります。ロビンス原著の補足という点では申し分ないですが、通常の医学部の病理学実習で使うにはやや物足りません。

薬理学

Principles of Pharmacology

英語を読むにしてはややヘビーですが、説明は理論的で非常に理解しやすい教科書ですので、薬理学はこの一冊に決めて、読み込んでも良いかもしれません。

Lippincott’s Illustrated Reviews: Pharmacology

内容量は標準的な薬理学書よりやや少ないくらいで、基礎講義と平行して使うにも十分な内容量があります。

リッピンコットシリーズは日本語訳にやや難があることも多いので、どうせなら原著で読んでしまうのも一つの手かもしれません。

細菌学

Clinical Microbiology Made Ridiculously Simple

試験対策、USMLE対策というのを念頭に書かれた教科書で、微生物の画像などは一切掲載していない。USMLE対策としては微生物学分野において圧倒的な支持を得ている。

暗記しやすいように印象に残るようなイラスト、語呂が書かれている。本文は箇条書きではないものの、試験前にレビューできるように明快、簡潔に書かれている。

Review of Medical Microbiology and Immunology

英語が書かれた細菌学の標準的な教科書といったところでしょうか。

あくまで基礎講義と平行して使う教科書であり、和書だと「標準微生物学」という位置づけになるでしょうか。

免疫学と微生物学は密接に関連しており、本書は免疫学の内容も含んでいます。

カラー写真、レイアウト、アウトラインから治療までの流れは至って標準的です。10版以上まで出版されており、教科書としての使いやすさは申し分ありません。

USMLEを意識したQ&Aが掲載されているのが米国らしいですね。

解剖学

Gray’s Anatomy for Students:

グレイ解剖学の原著です。イラストが多く掲載されており、研修医や臨床医になってからも非常に役立ちます。

発生学

Before We Are Born

発生医学の要点だけをまとめた200-300ページの教科書です。英語の分量的にも、通読に近い分だけ読み込むことは、十分可能だと思います。

生化学・分子生物学

これら原著の和書の解説はこちらです。

Lippincott’s Illustrated Reviews: Biochemistry

Essential Cell Biology

Molecular Biology of the Cell

分子生物学における名著で、英語版は頻繁に改訂されています。

他の洋書と比較しても、かなり平易な英語で書かれてあります。だらだらと文章が続いているのではなく、1ページに1トピックくらいにまとめられているので、長々と英語を読み続けて路頭に迷う事もありません。

これくらいであれば、わざわざ日本語の教科書ではなく、本書を購入するのも十分選択肢かと思います。

生理学

和書のレビューはこちらに掲載しております。

Ganong’s Review of Medical Physiology

生理学の標準的な原著です。

Pathophysiology of Heart Disease: A Collaborative Project of Medical Students and Faculty

ハーバード大学の心臓病テキストです。

神経科学

Principles of Neural Science

神経科学のテキストとして名著である。Amazonの評価もさることながら、Wikipediaにも本書を紹介するページが開設されており、本書の素晴らしさが伺える。

本書は1400ページにも及ぶ大作であるが、その内容は最新の知見を取り上げていながら非常に分かりやすい。

もちろんイラストや画像が豊富にある。そして嬉しい事に英語が平易で読みやすい。

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国家試験対策本 – イヤーノート・レビューブック

国家試験の学習において重要なのは、いかに効率よく重要なポイントを網羅するということにかかっています。

ここにきてハリソン内科学のような1kg以上の重量の教科書を1から読むことは推奨されません。ネット講座を受講しているかどうかに関わらず、基本は試験対策本を用いるべきです。

ここでは、医師国家試験対策において重要な教科書・試験対策本を紹介したいと思います。

★★★ イヤーノート  内科・外科

CBT対策、国家試験対策の参考書として、和書では随一の充実ぶりをみせる。国家試験対策では幅広く使われている教科書、参考書であると思う。

基本的に構成は箇条書きスタイルとなっており、知りたい疾患、トピックについて素早くレビューできる。

イラストや表なども充実しており見ていて疲れない。掲載内容は内科学の範囲にとどまっているが細かい事まで書かれており、驚かされる事がある。

毎年改訂されているために、診断基準などは常にアップデートされている。余白に足りない内容を書き込みつつ(と言ってもあまりないが)試験対策に使う教科書である。

★★★ 医師国家試験のためのレビューブック・マイナー

マイナー科目をレビューしやすいように作られた参考書である。イヤーノートと同じような構成になっているが、内容量はやや少ない印象を受ける。

国家試験対策に出版されているレビューブックで、マイナー科目(眼科、皮膚科など)の試験対策には非常に役立つ一冊である。

基本的には箇条書きスタイルで疾患の疫学、病態、治療などが説明されており、分野によっては理解しやすいようにカラー画像やテーブル、イラストなども取り入れてある。

内容量としては必要最小限のことしか書かれておらず、イヤーノートよりはあっさりしている。

出版社のホームページにあるように、必要な事をどんどん書き込んで、自分なりの試験対策参考書にしていくのが適当な使い方なのだろう。あくまで定期試験、国家試験対策に使う教科書である。

★☆☆ Dr.Kのスーパーフレーズ

メディックメディアから出版されている試験対策書。内容は1ページに語呂とその語呂を表したイラストが掲載されている。

語呂を集めた本としては本書が最も有名であろう。

個人的には語呂をたくさん暗記する気力があるならば、正攻法で勉強すべきだと思うが、定期試験、卒業試験などの直前に知識を増やすという意味では役立つ教科書かもしれない。

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おすすめ教科書・医学書(シリーズもの)

医学書の中には、分野ごとに一冊ごとの医学書になっている、いわゆるシリーズの教科書というのがあります。

ここでは、代表的な医学書シリーズについてご紹介したいと思います。

★★★ 病気がみえるシリーズ

国家試験対策において多くの参考書を出版しているメディックメディアが出版している医学参考書です。

病気がみえるシリーズはイラスト、画像、グラフが主体となって構成されています。

全体的にはコメディカルが読む事も視野に入れて出版されているため、資格的に理解しやすいようにまとめられています。

シリーズを通して全ページカラーで、とても医学書とは思えないテイストになっています。書かれてある文章はイラストや画像の説明がほとんどであると言っても過言ではないでしょう。

内容はというと決してコメディカルの域には留まらず、基本的な内容であれば医学生、研修医レベルのことまで書かれています。

呼吸生理のページなどでは標準的な教科書ですら割愛されているような内容が説明されていたります。

この辺りは国家試験対策の書籍を出版しているメディックメディア社の強みが出ているような気がします。

創刊されて間もないシリーズでありながら、かなりの支持を得ているようで、多くの学生がこの教科書を使っています。

講義にやって来る医師の中には「病気が見えるは教科書ではないから、ハリソンを読め」とご高説される方がいますが、同じ内容ならば分かりやすく、効率よく学んだ方が良いですね。

無理して難しい教科書に飛びつく必要もないのでしょう。

ほとんどの教科書はAmazonでの評価が非常に高く、試験対策、国家試験対策などあらゆる場面に使える教科書です。

★★☆ 標準医学シリーズ

標準医学と言うだけあって、各分野の医学的事項が標準的に描かれています。

ここで言う標準的と言うのは、導入部分から始まり、一般的な疾患の疫学や背景、病態生理、症状、診断方法、治療法などが列記してある、ということになるでしょうか。

標準シリーズ全体の傾向としては文章はやや硬く、視覚で理解すると言うよりは、文章を何度も読んで理解していくと言う形になります。

ですから、目で理解する病気が見えるシリーズとは、やや立ち位置が離れていて、どちらかと言うと文章主体のステップシリーズに近い立ち位置といえます。

内容量も、病気が見えるシリーズなどと比較すると、かなり多くなっています。また、書いてある内容も非常に細かいものになっています。

それらは国家試験のレベルを超えていますので、辞書的に使うというのが正しい使い方かと思います。

★★☆ STEPシリーズ

海馬書房が出版している医学参考書です。診療科、分野ごとに出版されています。内容量としては標準的な内科学書と同程度です。

STEPシリーズの特徴は、なんといっても文章主体で構成されていること、口語調で書かれている事の2つでしょう。

STEPシリーズの執筆者は各シリーズとも1~3名となっており、全体を通して統一性があります。改訂時期は各分野によって異なります。

そしてSTEPシリーズは文章主体で構成されており、図やイラストは最小限に抑えられています。本文は口語調で書かれていますので、文章主体ながらすらすらと読み進める事が出来ます。

全体的に内容量は標準的な教科書だと言えますが、やはり視覚での理解という点に弱点があります。

いくらわかりやすく説明されたとしても、百聞は一見に如かず、ですからね・・・。また文章主体の構成であるため、試験対策には使いにくいかもしれません。

★★☆ 病態生理できったシリーズ

STEP、病気がみえるシリーズと並んでよく読まれているシリーズです。全体的に内容は少なく抑えられており、病態生理の解説をしつつ、要点を絞って書かれてあります。

このシリーズは少数の著者によって口語調で書かれているので、統一感のある文体、内容になっています。

イラスト、画像などは最小限掲載してある程度で、各項目に対する説明も「教科書的に解説したといよりは、講義調に説明した」体裁をとっており、内容量は病気が見えるやステップに比較するとかなり少なくなっています。

試験対策や講義と平行して、というよりは各分野の導入に使うのが良いかと思われます。

良い本なのですが、出版されていない領域があったり、改訂のスピードが遅かったりしています。やはり病気が見えるシリーズには及ばない印象です。

★☆☆ TEXTシリーズ(南山堂)

南山堂より出版されているテキスト。主にマイナー科を中心に出版されているようである。

標準医学シリーズとの比較で考えてみると、本書の方が文章中心であり、なんとなく読みやすい文体、流れになっています。

また医学生を対象として執筆されており、あまり深く突っ込む事なく必要な事項だけが説明してある印象を受けます。

書籍紹介では5年以内くらいに改訂された教科書だけを掲載しています。標準医学シリーズに比較すると知名度は高くなく、また改訂の頻度も遅いため基本的には標準医学シリーズを購入されることをお勧めします。

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マッチング対策 – おすすめ教科書

研修病院を決めたあとは、第一希望の研修病院とマッチするように対策をすすめるのみです。

大抵の研修病院はマッチングの試験や面接というのはあまり変わらないですし、なにより現在は医師不足から研修医にとって有利な売り手市場です。

ですから、わざわざマッチングの試験に向けて対策を練るというは、必ずしも必要ないかもしれません。

ここでは、マッチングの際に参考になる2冊の本についてご紹介したいと思います。

ハローマッチング

小論文の書き方、面接の受け方をメインに書かれています。

小論文の説明は、マッチングの際に与えられるであろうテーマを想定し、そのテーマについて学生が書いた小論文を筆者が添削するという構成で話が進みます。

ページ数はありますが、すらすらと読み進める事ができ、小論文を書く際の要点を効率よく知ることができるようになっています。

面接の説明では、頻出質問に対する模範解答はもちろん、マッチングという観点から面接を考察し、どのように振る舞えば良いか指針を示します。

例えば、10分の面接で受験者の人間を知る事はほぼ不可能ですが、面接時間に遅れてこないか、それなりの服装をしているか、常識的に会話ができるか、など社会的規範を備えていない人間を排除することは可能ですね。

マッチング対策(シリーズ まとめてみた)

おおよその医学生が認識していることを、まとめて書いた参考書といったテイストになています。

マッチングの直前対策というよりは、マッチングの概要を知りたい時に読むと、ためになる本かもしれません。

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