アメリカの研究機関が公表しているがんになるリスク12個。こんなにもあるの?

がんの予防法はあるか。あります。

それはつまり、がんになる可能性あるリスクを避ければ良いわけですね。

ただしアメリカの研究機関が発表している発がんのリスクは12個も列挙されています。

これらをすべて避けて生活するのはいまや不可能ですから、規則正しい生活を心がけるほかないでしょう。

がんのリスク12個

下記にあげた項目は、アメリカ国立衛生研究所(NIH)が発表している発がんリスクです。

発がんリスクと聞くと、化学物質など含めるとたくさんあるように思います。

しかし日々平穏に暮らしている人が、劇物のような化学物質に毎日暴露されるなんて可能性は少ないですから、あくまで現実的な範囲でのリスクといったところでしょうか。

The list below includes the most-studied known or suspected risk factors for cancer. Although some of these risk factors can be avoided, others–such as growing older–cannot. Limiting your exposure to avoidable risk factors may lower your risk of developing certain cancers.

Age
Alcohol
Cancer-Causing Substances
Chronic Inflammation
Diet
Hormones
Immunosuppression
Infectious Agents
Obesity
Radiation
Sunlight
Tobacco

https://www.cancer.gov/about-cancer/causes-prevention/risk

こえらの項目について個別に考えていきましょう。

Age – 年齢

これはまぁどうしようもないですね。

がん患者と言って思い浮かべるのは、やはり高齢者ですね。

ですから高齢者の方ががんになりやすいことは容易に想像できるかと思います。

人間はみな平等に年老いていきますから、これは予防のしようがありません。

Alcohol – アルコール

アルコールは様々ながんの原因になりやすいことが知られています。

有名なところでは酒の飲み過ぎは頭頸部がん、食道がん、肝臓がんなどと密接に関連していると言われています。

飲み過ぎは注意です。

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2018年8月17日

Cancer causing substances – がんの原因となる物質

これはたくさんありすぎて、列挙しきれません。

有名なところで言えば、2010年代に話題になったアスベストなどでしょうか。これは悪性胸膜中皮腫の原因になることが知られています。

その他、私たちが日常接することの何ようなレアな化学物質のうちのいくつかも、強力な発癌物質であることが知られています。

ただし日本で生活している限りは、そんなに危ない化学物質に触れないように規制されていますから、あまり気にしすぎる必要はないでしょう。

Chronic inflammation – 慢性炎症、Infectious Agents – 感染物質

細菌やウイルスが原因で、がんが発生することもよく知られています。

ヒトパピローマウイルスは子宮頸癌の重要な原因とされていますし、ピロリ菌は胃がんの原因とされています。

この他にも肝炎ウイルス、EBウイルスなども発がんの原因になることが知られており、ウイルスによっても発がんがおこることが広く知られています。

また細菌やウイルスに感染すれば、当然異物ですから炎症がおきます。

ちょうど風邪をひいたみたいな状況になります。熱が出て、局所的に熱くなって、赤くなります。これが炎症ですね。

最近では発がんの背景に炎症があるのではとの説が提唱されており、注目されています。

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2018年3月28日

Diet – 食事

あまり特定の食事で発がん?ということがイメージできませんでした。

よく調べてみました。すると

But with few exceptions, studies of human populations have not yet shown definitively that any dietary component causes or protects against cancer

との記載があります。

細かい内容をみてみると、マウスなどの動物では、一部の食品で発がん性が示されているものもあるようです。

ただ人間における作用については、特定の食品ががんを抑制したり、反対に発がんを促したりということは分かっていないようですね。

週刊誌やテレビ番組で宣伝されている「これを食べるとがん予防」という謳い文句は、一歩引いて考えた方が良さそうです。

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2019年1月8日

Obesity – 肥満

肥満自体も発がんのリスクになることが知られています。

太り過ぎはがんにもよくありません。

People who are obese may have an increased risk of several types of cancer, including cancers of the breast (in women who have been through menopause), colon, rectum, endometrium (lining of the uterus), esophagus, kidney, pancreas, and gallbladder.

要約すると、肥満によって乳がんや大腸がん、直腸がん、などのリスクが高くなっているかもしれない、とのことでした。

どれほどのリスクがあるのかはわかりません。日々診療しているがん患者さんはみな決して肥満なわけではないですし、

Radiation – 放射線

放射線も重要な発がんリスクになります。

よく原子力発電所の事故なんかがおこって大騒ぎしているのは、まさに人体に悪影響があるからなんですね。

特に小児期に被爆した場合には、そのリスクが大きくなることが知られています。

ただし大切なことは、どれくらいの量で、どれくらいの時間が経過してがんが起こってくるかなど、確定的なことはわかっていないのです。

確実なことが分からないからこそ、原子力発電所の事故に過剰に反応するしかないのでしょうか。

Sunlight – 日光

日光はおもに皮膚がんの原因になります。

日本人だとあまり意識していないですが、海外では外に出る際には必ず日焼け止めを塗って、サングラスをして、ということが徹底されている国もあります。

太陽から発せられる紫外線がDNAの変異を引き起こし、発がんの原因になることはよく知られています。

そして変異が蓄積することで発がんすると考えられています。

Tobacco – タバコ

これは日常生活で、もっと有名ながんの原因じゃないでしょうか。

タバコはほとんどすべてのがんの発生率を上昇させる、つまりがんの原因になることが知られています。

私たちもがん患者さんが初診でやってくれば、必ず喫煙歴を聴取します。

どれだけタバコを吸っているかを把握するのは、患者さんのバックグラウンドを知るだでなく、この人はどれくらいの肺の機能なのか、治療には積極的になれるのかなど、多くの情報を与えてくれます。

まとめ

私たちの身の回りには、がんになる原因が多く潜んでいます。

完全にガンのリスクをゼロにすることはできないでしょうが、規則正しい健康的な生活が望まれますね。

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