下っ端勤務医から見た日本医師会について。何かやってくれているの?




日本医師会っていう団体はよくわからないですよね。

病院の勤務医、特に平社員レベルでは、日本医師会にはほとんど縁がありません。

私自身も日本医師会に入っているわけでもないですし、逆に何かしら便宜を計ってもらっているわけでもありません。

医師会との関わりといえば、医学部を卒業するときに厚さ3cmくらいの冊子をもらったことくらいですかね。

じゃあ日本医師会ってなんでしょう?

そんな自らの疑問に答えるための記事です。医者なのに、日本医師会のことを知らないのは、なんだか悪い気がしますので・・・。

日本医師会の概要

医道の高揚、医学教育の向上、医学と関連科学との総合進歩、医師の生涯教育などを目的としており、

その目的を達成するため医師の生涯教育や公開の健康セミナーなどの学術活動、医療・保健・福祉を推進する為の医療政策の確立、生命倫理における諸問題の解決等の幅広い公益事業を行っている。

wikipedia

う〜ん、長くて難しい文章ですねぇ。

この文章に関連のある内容でいうと、確かに地方のごくごく小さな学会、講演会なんかでは、地域の医師会がバックアップしていることもあるでしょうか。

上の画像は2018年に大阪で開催される日本循環器学会学術大会・市民公開講座のホームページなわけですが、後援のところにはちゃんと医師会の名前が入っていますね。

このように直接目の見えないところで、ひっそりと医師会は活動しているのかもしれません。

一般市民への医療講座の開催、医療知識の啓蒙なんかでしょうか。

ただ、そのほかの一般的なイベントでいうと、あまり医師会というのは表に出てこないですよね。。。

政治活動団体としての医師会

それよりも、政治団体としての認識の方が大きいかもしれませんね。以下、wikipediaの記述です。

また、自由民主党の支持母体で政治組織である日本医師連盟を通して政治活動を行っている。

公益法人として地道な活動をしていることは余り知られていないのが実情である。日本医師会への加入は任意であるので、会員数約16万5千人とその組織率は全医師の約6割強に留まっている。

日本医師会は自民党の有力な支援団体ですし、圧力団体というのは私も知るところです。

診療報酬などは国の専権事項である一方で、医療行為の収益に大きな影響を及ぼします。ゆえに医療は政治と深く結びついています。

日本医師会の会員

日本医師会の会員は、いまや160,000人に及んでいるそうです。

1947年の発足時、約5万人であったが、2012年12月1日現在、165,650人を擁している。

そのうち、開業医が84,051人、勤務医等が81,599人とほぼ半数ずつを占めており、世界医師会が認めている日本で唯一の医師個人資格で加入する団体である。

ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥も日本医師会員である。

開業医の先生ばかりが加入しているのかと思いきや、実は開業医と勤務医の加入は半々位で、開業医の先生と同じ位に、病院勤務医も加入しているようです。

中核病院の幹部レベルであれば、地域の医師会とも繋がりがあるみたいですから、勤務医であっても幹部レベルであれば医師会に所属、ということになるのかもしれません。

ただ私のように下っ端の医師の場合には、医師会とはほとんど縁がないでしょうね。

同僚と話す時も、医師会なんていう単語は出したこともないですし、入ることによるメリットも全くないと言っても差し支えありません。

日本医師会の主張を考察する

ここからは日本医師会の政治的主張について考えていきます。

株式会社の医療参入

実利追求型の企業論理が横行して医療倫理が崩壊する。『医療というのは儲かるらしいから俺たちにも一枚噛ませろ』と言う連中に医療を任せてはいけない。

医療費総額の伸びの抑制

出血は止めなければならない、診療報酬改定は実質マイナスで構わない。

公的保険による診療と自由診療(保険外診療)との併用(混合診療)

風邪引き腹痛など、誰にでも必要になる医療ほど保険でカバーすべきであり、それを実現している皆保険制度を維持すべきである一方、生殖医療や遺伝子治療など、誰もが利用するわけではない医療や、患者が選択できる医療については、自己負担・民間保険を考えるべき。

保険者と医療機関との直接契約

平等性が崩壊し、フリーアクセスが崩壊する

これは小泉政権当時の方針とその方針に対する医師会の反応・主張です。

株式会社の医療参入

1番目の民間企業の医療参入は私も反対です。

医療は規制がなければ大儲けできる業界ですから、利益第一主義になるとがんが治るサプリメント、体が元気になる健康食品など、怪しい商品が一気に広まるきっかけになってしまいそうです。

医療費総額の伸びの抑制

2番目の診療報酬改定の実質マイナスは、今現在では方針が変わっているようです(こちら)。

開業医に限らず、診療報酬のマイナス改定は、医療従事者全体にとって給与引き下げなどのリスクでしかありません。

したがって診療報酬引き下げを阻止するというのは、医師会だけでなく医療業界全体にってマイナスですね。

混合診療の限定解放

3番目の混合診療は、医院やクリニックの利益を守るという点で反対なのでしょうか。

個人的には自由診療の中で本当に必要な診療はごくわずかが、全くないのが現状だと思いますから、混合診療は今まで通りなし、でも良いのではないかと思います。

自由診療を躊躇なく受けることのできる患者群は富裕層でしょうから、あえて混合診療を認める必然性はあまりないのでは、と思います。

保険者と医療機関との直接契約

4番目の保険者と医療機関の直接契約は、医師会側としてはあまり同意しないでしょうね。

フリーアクセスによって病院側はたくさんの患者を集めることができており、いくつものクリニックを定期通院している高齢者なんかは最たる例です。

したがって厳密なかかりつけ医を決定することは医療の効率化の一方で、クリニックや病院にとっては収益がガタ落ちするリスクがあります。

医師会としてもなかなか認めがたい政策なのではないかと思います。

まとめ

日本医師会の概要、主張等についてみてきました。

ここまで調べてみても、医師会の貢献している部分はどこなんだろう、、、と思ってしまうわけです。

公益法人として地道な活動とありますけど、それってなんでしょう?医師として働いている私でも、あんまり知らないのですが・・・

少なくとも、これだけ長時間労働の撲滅が叫ばれる2010年代後半にあって、医師の労働環境というのは全く改善される気配がありません。

残念ながら下っ端の勤務医にとっては日本医師会の「地道な活動」はまったくみえてきません。。。

第21回・日本医師会「心に残る体験記」から思うこと。過重労働の影がみえる

2018.04.27

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