【医師の視点】医学的エビデンスに基づいた青汁の効果。青汁って本当に体に良いの?

体に良いと盛んに宣伝される青汁なのですが、本当に体に良いんでしょうか。

健康食品は広く販売されていますし、イメージだけだと健康にも実に良さそうです。

ここでは青汁に関する論文から、青汁の効能・効果について検証してみたいと思います。

青汁に関する論文

医学的に本当に正しいのかどうかについては、論文を検証することが最も確実です。

論文では、青汁の効果はどのように記載されているのでしょう?

論文1:青汁には抗酸化作用や体重減少作用がある

Green juice as a protector against reactive species in rats.

Oliveira PS1, Saccon TD, da Silva TM, Costa MZ, Dutra FS, de Vasconcelos A, Lencina CL, Stefanello FM, Barschak AG.

Universidade Federal de Pelotas. Campus Universitário. Pelotas. RS. Brazil.

方法:ラットを3つのグループに分けた。3つのグループとは青汁を摂取、オレンジジュースを摂取、水を摂取するグループである。我々は各グループの抗酸化作用、フェノール類の含有量、体重増加作用を測定した。

結果:青汁は水を摂取するグループと比較して有意に体重増加が抑制された。抗酸化作用も青汁を投与したグループの方が高かった。フェノール類の含有量に関しては、変わりはなかった。

結論:青汁は体重増加を抑制し、リポペルオキシダーゼ、カタラーゼ活性を抑制した。これらの結果は活性酸素に対して抑制作用を持つことが示された。

ブラジルからの論文で、青汁と抗酸化作用、体重増加抑制作用についておもに調べられています。

この論文の結果を解釈すると、青汁は

青汁の効果
・抗酸化作用がある
・体重増加を抑制する

という2つの作用があるようです。

抗酸化作用とは結構曖昧な言葉なのですが、つまりは活性酸素と呼ばれる老化やがんの発生に関わる物質を抑える働きがあるをこと意味しているようですね。

酸素が関与する有害な反応を減弱もしくは除去する物質の総称である。

特に生物化学あるいは栄養学において、狭義には脂質の過酸化反応を抑制する物質を指し、広義にはさらに生体の酸化ストレスあるいは食品の変質の原因となる活性酸素種(酸素フリーラジカル、ヒドロキシルラジカル、スーパーオキシドアニオン、過酸化水素など)を捕捉することによって無害化する反応に寄与する物質を含む。

Wikipedia: 抗酸化物質

さて、青汁が体重増加を抑制するというのは面白い結果だと思います。

青汁でお腹いっぱいになるのか、青汁の成分の中に肥満を抑制する物質があるのかわかりませんが、青汁を飲めば肥満になりにくいと言えそうです。

もちろんこれらの結果は論文のなかにおけるラットでの実験であって、飲酒、タバコ、ストレス、仕事等々の影響が大きい人間で、同じような結果が出るのかどうかはわかりません。

しかし体重増加を抑える方向に青汁が働く可能性はありそうです。

論文2:青汁には下剤作用がある

Effects of young barley leaf powder on gastrointestinal functions in rats and its efficacy-relatedphysicochemical properties.

Ikeguchi M1, Tsubata M1, Takano A1, Kamiya T1, Takagaki K1, Ito H2, Sugawa-Katayama Y3, Tsuji H2.

Research and Development Division, Toyo Shinyaku Co. Ltd., 7-28 Yayoigaoka, Tosu-shi, Saga 841-0005, Japan.

青汁は日本では広く飲まれている。今回我々は、青汁の粉末に関して、消化管の通過時間、糞便の量と水分について小麦(ウィートブラン)とラットにおいて比較した。

加えて青汁のどの部分がこれらの作用に寄与しているか調べた。(略)。

結果として、青汁を食事に加えることによって、糞便の量は増加し、消化管の通過時間は減少した。糞便の量の増加に寄与しているのは水に溶けない食物繊維であり、これは消化管内のpHを下げる働きによる、と思われた。

さらに青汁粉末の下剤作用が、より多くの水分を含む理由となっていたようだ。

東洋新薬、岡山県立大学、大阪青山大学の先生方が著者となっている英語論文で、Young Barley Leaf、日本語に訳すと大麦若葉の効能・効果について調べた論文です。

下剤作用は、1番目の論文の結果を支持するもので、やはり体重増加を抑制する方向には働きそうですね。

野菜の食物繊維なんかも水分を吸収して、排便を促す方向にあるとは思われますので、なるほどと思わせます。

もちろんこちらもラットでの実験なので、排便に関しても様々な方面から影響を受ける人間に単純にあてはめることはできませんが、やはり青汁は科学的にも健康にいいようです。

結局のところ青汁は効果ありそう。健康に良さそう

というわけで古くから健康食品として愛されている青汁ですが、どうやら医学的にも効果はありそうですね。

私も患者さんから「入院中に青汁を飲んでも良いですか?」と聞かれることがあります。

青汁自体は野菜の栄養成分を濃縮した飲料物ですから、特別に注意が必要な患者さんでない限りは、特に飲まないようにお伝えしていることはありません。

もちろん過度に飲みすぎて嘔吐や下痢を起こしてもらっては困るので、飲みすぎないようには注意してもらっています。

がんが治るとか、膝の関節が治るとかを謳っている健康食品ではありませんので、十分患者さんや一般の方にも進められる食品、飲料物ではないかと思います。

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