【医師の視点】医学部女子が診療科を選択するときに考えるべきこと3つ




最近増えつつあるという医学の中の女子割合。

今後も女性医師はどんどん増加してくることでしょう。

そんな時代であったとしても、女性が診療科を選択する場合には、ぜひ注意すべきことがありあす。

女医さんが多くいる診療科とは

女性医師が多い診療科といえば、眼科、皮膚科、麻酔科などでしょうか。

時点で放射線科、病理診断科、耳鼻科なども女性医師が多くなっています。

忙しくない内科系の診療科であれば、数時間ごとに外来、病棟、検査といって区切りを持たせて勤務することが可能ですから、比較的女性医師にも勤務しやすい土壌が整っています。

また産婦人科や乳腺外科は元来女医さんが多いですから、出産や子育てに対するサポートが充実している可能性は高いでしょうか。

これらの診療科では、フルタイムの勤務は難しくとも、それに近い形で勤務していくことは十分可能でしょう。

つまり独身時代とはあまり変わらないタイムテーブルで働くことが可能なわけです。

このような診療科ごとの働きやすさ、についても十分に目を向けながら、診療科を選択する必要があります。

女性が診療科を選択する際に重要な要素

男性研修医の場合は仕事のことだけを考えていれば良いのですが、女性医師・研修医の場合はそうはいきません。

いろんなライフイベントを考慮に入れながら、賢く診療科を選択することが必要になってくるのです。

出産・子育てというライフイベント

まず女性においては、出産や子育てといった人生のライブイベントを考える必要があります。

最近ではイクメンと言って男性も積極的に育児に参加するような風潮が生まれていますが、それでもメインストリームは変わりません。

多くの家庭ではいまだに女性が主体となって子育てを行っている事でしょう。

出産となれば一定期間だけ職場を離れるだけで済みます。これは自らのキャリアにはあまりダメージが無いので、深く考える必要はないかもしれません。

一方で子育てに関しては、もっともっと真剣に考える必要があります。

病院で働いていたとしても、子供が熱を出したりすれば自分の仕事を誰かに預けて対応しなければなりません。

夫や家族の毎日のサポートがない状況では、独身時代のように夜の20-21時まで病院残って働く事はほとんど不可能です。

したがって女性医師の場合には、出産や子育てと言う要因を考えて診療科を選択する必要がありそうです。

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2017年8月24日

体力的なもの

また体力的なものについても考慮する必要があります

医師という職業は、幸いにも男性と女性による給与体系の差はありません。アルバイト勤務等においても、男性の方が給料が高いなんてこともありません。

同じ病院で同じ仕事をする限りは、男性と女性の給料は同じなのです。

しかしながら、外科系の診療科ではどうしても肉体労働の側面が強くなります。

脳神経外科や心臓外科では日付がかわることろまで手術をするのは当たり前です。

そうなってくると体力勝負になってきますから、男性と同じだけのパフォーマンスを発揮しようとすると、どうしても女性は不利になるでしょう。

そのような場合に、女性が本当に男性と同じ土俵で戦えるのかということを理解する必要があります。

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2018年5月23日

女性医師が活躍できる診療科

一方で、女性であることはデメリットだけではありません。

産婦人科や乳腺外科を受診する患者さんにおいては、女性医師であることのアドバンテージは計り知れません。

これら女性特有の疾患のある患者さんで、女性医師に診てもらいたい、という患者さんは星の数ほどいるとしても、男性医師でないといけないと言う患者さんはほとんどいないでしょう。

この他、泌尿器系疾患の女性患者さんも、女性医師を望んでいる患者さんは多いかもしれません。

小児科だって全般的には多少女医さんの方が有利かもしれません。

診療科によっては、女性医師であることの方が有利な診療科が確実に存在しているのです。

なぜ外科系の診療科は女性医師を必要としていないのか?

外科系の診療科の医局ホームページ等には

「私たちの医局では子育て中の女医さんも頑張っています!」

などといった記述が見られます。一見ウェルカムのようです。

ただこれは、8割程度嘘であると考えた方が良いでしょう。

たとえば外科系の診療科のうちでも、腹部外科や心臓血管外科、脳神経外科などでは、17時や18時になったからといって、手術がきっちり終わるわけではありません。

トラブルが起きれば手術時間はどんどん延長されます。

それに何かしら不足の事態に備えて、24時間365日出勤できる体制が必要になります。

独身の間はこれらの診療科で女性が働くことも問題ないかもしれませんが、子育て中の女性が働くには、相当な周囲の協力がなければ、かなり無理があります。

所詮、これらのいわゆる激務な診療科で働いている男性というのは、家事や育児を全て専業主婦である妻に任せた、恵まれた人種であると考えるべきでしょう。

残念ながら外科でバリバリやっている女性医師は少ない

私もこれまでいくつかの病院で診療してきましたが、残念ながら手術時間が長いような脳神経外科や心臓血管外科でバリバリ働いている女性に出会うことはありませんでした。

もしいたとしても、子供いないご夫婦か、独身女性である場合がほとんどでした。

乳腺外科や産婦人科、耳鼻科など、手術時間が比較的短い診療科では女性の先生方も拝見してきましたが、上記の診療科では女性はほとんどいません。

おそらく妊娠、出産、子育ての中でキャリアのメインストリームからは一線を退かなければならない、というどうしようもない背景があるのでしょう。

したがって本当のところは、18時までしか働けない子育て中の女医さんに、手術時間が長くなるような手術が割り当てられることは絶対にありません。子育て中であるというだけで、外科医の仕事に制限ができてしまうのです。

実際に外科系の診療科の先生方の中には、

女医なんかきて欲しくない

などとおっしゃっている先生方を何人も見聞きしてきました。

女性医師を取り巻く厳しい環境

2018年に明らかになった東京医大の不正入試事件では、女子受験生に対するあからさまな得点調整が明らかになりました。

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2018年8月2日

背景には、実際に医師として働き始めてからの、フルタイムで働くことがなかなか難しい女性医師の現状を考慮してとの言い訳がなされていました。

つまり上述したように、医療全体の問題として女性医師がずっとフルタイムで働き続けるのは難しく、そのしわ寄せが男性医師に向かってしまうという現状です。

もちろんこのような労働状況は必ずや解決させなければならず、問題を放置して女性を差別するのは言語道断です。

ただし状況は数日では到底変わるものではありませんから、やはり妊娠・出産を経験する女性にとっては受難の時代がしばらくは続きそうです。

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2018年6月19日

診療科の選択と現実

このように女性医師を取り巻く働き方には、いろんな問題が山積しています。

仮に脳神経外科や心臓血管外科志望の女医さんであったとしても、働きながら家庭や育児との両立を果敢に遂行することはほぼ不可能な状況です。

したがって多くの女医さんたちは、現実的な選択肢として出産後も働きやすい診療科を選ぶ傾向にあるのです。

女性医師が一生のキャリアプランを考えようとするとき、自分の興味や理想だけではうまくいかない現実があるのです。

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