医局撤退した病院において恐ろしい待遇で医者が募集されていた一例




ある関連病院から、消化器内科の医局が撤退し医師派遣が打ち切られました。

撤退された病院では消化器内科の医師が集まらず、かなり困っていたようです。

そんな病院で、消化器内科医が破格の待遇で募集されていたというお話です

関連病院から消化器内科医が消える

大学病院に人材が集まらなくなった昨今では、関連病院から医師の派遣を撤退してしまう事例が相次いでいます。

医局と関連病院のは微妙なバランスを持って関係性を維持しているものです。

働いている医師の待遇や労働条件、役職を用意しておくといった関連病院側の医局への配慮など、いろいろな要素がバランスをとって初めて成立するものです。

最近では、あるA大学から医師の派遣を受けていたB関連病院への消化器内科の医師の派遣が切られてしまうと言う話を耳にしました。

撤退の理由を聞いてみると、単なるA大学の人材不足だけではなく、B関連病院の上層部の人間と、医局がもめてしまったという理由も明らかになってきました。

どうやら今回のケースでは、医師のさらなる増員派遣を断られたB関連病院の院長が、「それだったら他の大学病院に手を回してもらうから」といって、A大学の医局側と対立してしまったことが原因だったようです。

しかし今やどこの大学病院も人材不足ですから、B病院に消化器内科医を派遣することはできず、4月から消化器内科医がゼロという、窮地の事態になってしまいました。

医局に所属している医師は人事によっていろいろな病院で勤務する必要がある

2017.01.13

消化器内科医撤退の影響は広範囲に及ぶ

総合病院はすべての診療科が揃ってこそ初めて意味をなすものです。

特に消化器内科は病院の中でも花形であり、消化器内科が撤退した病院では、消化管がんの手術は実際問題のところできなくなってしまいます。

また病院に入院している患者さんで吐血したり下血したりして、消化管内視鏡が必要となる患者さんは多くいますから、そのような人達の入院管理も難しくなります。

1つの診療科の撤退は、その診療科の収入ががさっと落ちるだけでなく、病院全体の経営に大きな影響及ぼすのです。

消化器内科も縮小 常勤医が半減。舞鶴市というある程度の都市でも医師不足

2017.03.04

超高待遇で医者を募集し始める

したがって医師の撤退が起こった総合病院ではどこでもそうなのですが、外部の医局に所属していない医師に向けて、人材派遣会社を経由して求人を求めます。

といってもどこの人材派遣会社も、医局から派遣されていたような有能な医師を割安な待遇で派遣することはできません。

巷には半日で5万円、10万円といった高待遇のアルバイト勤務がたくさん用意されていますから、それらの条件を超えるような報酬を用意しなければなりません。

そのような背景もあってかB病院は、これまで医局が派遣されていた消化器内科の医師の給料の3倍近くであろう、3000-4000万円/1年の待遇で医師を募集していたのです。

それでも医師は集まらず

それだけの好待遇であれば、医者がたくさん集まりそうですか、現実はそうではありません。

医師としてある程度経験を積み、専門医の資格を持った医師にとっては、収入だけが全てではありません。

働きやすさとか、業務内容とか、病院の雰囲気、休日の取りやすさなど、いろいろな要素を加味して働く場所を決めているのです

特にB病院は地域の急性期病院であり、一般的には激務とされる病院です。当直や当番の回数もすごく多くなっています。

加えて医局とトラブルを起こしたようなB病院に有能な人材が集まるわけもなく、医師の確保にはすごく苦労しているようです。

医局の力はやはり絶大である

今回の一件で感じたのは、今でも医局の力はすごく大きいということですね。

特に複数人の医師を抱える診療科で医局に人材派遣を依存しているような場合、一般募集したところで同じ能力の医師を、同じ待遇で勤務させることはほとんど不可能でしょう。

医局の医師派遣システムとは、いまでも有能な人材を割安で強制的に派遣するシステムであるのです。

このように突然として医師の派遣を取りやめられてしまうリスクを避けるためにも、自前の病院で医師を育成するシステムが必要なのかもしれません。

医局の弱体化と関連病院の自立。医局の力は確実に弱まりつつある

2018.01.26

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