【勤務医の視点】信頼できる医院・クリニックの選び方。注目すべきポイント4つ




風邪をひいた、お腹が痛いなどちょっとした症状で近くのクリニックにかかることはよくありますね。

ただし、どこの先生が良いとか、どこの先生が信頼できるか、その判断基準は難しいですね。

医者の私だって良い医院やクリニック選びは難しいと思いますし、失敗することもあります。

ここでは良い医療機関、特に医院やクリニックの選び方について考えてみたいと思います。

はじめに:開業医の先生のキャリアについて考える

医院やクリニックは一人の医師が一国一城の主として、診療にあたっています。

その医師のことを開業医の先生と読んだりしますね。

開業医の先生のキャリアは、どこのクリニックや医院でもほとんど同じといって良いでしょう。

医学部を卒業後、大学病院の医局に入局。そのあとは自らの専門分野で地道にと経験を積みます。

ある時には大学病院で研究をしたり、ある時は一般病院で診療をして経験を積んでいきます。

最近では医局に入らずに一般病院で10年ほど勤務した後に、親のクリニックを継いだり、新規で開業する先生もいると聞きます。

いずれにしても医師としておおよそ10−20年くらい経験を積んだのち、自らの医院やクリニックを開業する流れになります。

医院やクリニックの特徴とは

このようにして開業される医院やクリニックですから、そこで診療している先生にはいくつかの特徴をあげることができます。

医師は何らかの専門性を持っていることが多い

開業医の先生は必ずや何らかの専門医資格を保有しているはずです。つまり自らの専門領域を有しているわけです。

たとえば○○内科クリニックと名前があったとしても、そこの先生は循環器内科の専門であったり消化器内科の専門であったりするわけです。

都市部のクリニックでは、最初から○○消化器医院とか○○呼吸器クリニックなどと看板を掲げて診療に当たっているところもあるかと思います。

都市部の場合は患者の数もクリニックの数も多いですから、業務の棲み分けが可能です。人口密度の高い地域だと、専門性をアピールしたクリニックであっても十分に集客が望めます。

したがって自らが修練してきた専門分野についてだけ診療することが可能になるのですね。

もし専門医の資格を何も持っていないクリニックの医師がいたとしたら、少し疑ってかかった方が良さそうです。

診療の質は医師の知識と経験に大きく依存する

医院やクリニックは基本的には医師一人しか在籍していません。

大きな総合病院では診察の過程がどうであれ、CTやMRIなどの客観的な画像検査を行うことが多いでしょうから、医師個人の診察能力が大きく問われることはありません。

入院して治療する場合には、複数の医師の監視の目がありますから、トンデモな治療があれば周囲の先生が正しい方向に導いてくれることが一般的です。

一方でクリニックの場合は利用できる医療機器もせいぜいエコーとレントゲンくらいなものですから、そのクリニックのレベルというのは、そこで診療している医師の臨床能力に大きく依存しているわけです。

また、周囲に意見を進言してくれる同僚もいないですから、間違った方向へ向かった診療が訂正されにくい環境にあります。

あるクリニックから紹介されてきた患者さんが、トンデモない治療をされていたり、明らかな病気を何年も見逃されていた、というのは何度も経験します。

クリニックに勤務する医師の知識、経験が患者さんの運命を大きく変えてしまうことになるかもしれません。

トンデモ開業医は必ず存在する

開業医の先生の手に負えないと判断された患者さんや、高度な医療機関で精密検査や治療が必要と患者さんに関しては、地域の総合病院に患者さんが紹介されてくることになります。

総合病院で勤務していると、開業医の先生から紹介されてくる患者さんを診察することになるのですが、時折驚くような紹介されてくる患者さんがいるのです。

糖尿病があるのに見逃されていた患者、薬を処方しているのに血圧が全くコントロールされていない患者、あまりにも多くの内服薬を処方されている患者など、例を挙げればきりがありません。

ほとんどの先生の場合は標準的な診療をしているのですが、紹介されてくる患者さんの中には、「他の先生にかかっていれば病気が早く見つかったのになぁ」とか思う症例もあるわけです。

後医は名医といいますから、後になって患者を診察したい医者からいろいろと文句は言えてしまうわけですが、それでも「ひどい」と思わせる医者はいるわけです。

医者が送る紹介状・診療情報提供書は通行手形のようなものである

2017.12.09

なぜ危ない開業医が存在するのか

クリニックや医院の場合は、医者1人しかいないわけですから、診察してもらう医者の判断が全てになってしまいます。

医者も人間ですから、最新の医学知識を勉強して患者さんに優しい医者もいれば、患者さんに寄り添うことがあまり得意ではない先生もいます。

それに、どうしても不勉強な医師というのは一定数います。

自分の専門外の病気には疎く、専門とする分野の病気であっても、各所の判断が一般的な医師よりも一段劣っていることもあるでしょう。

やはり開業医院やクリニックを受診する場合には、そこに在籍する医師の技量というのが、すごく大切になってきますね。

信頼できるクリニックの選び方ポイント4つ

医師何年目で開業しているか

1つ指標になるポイントがあるとすれば、何年目でクリニックを開業しているかになるかと思います。

例えばいろいろな病院に勤務して、医者15年目に開業しましたとなれば、その先生は15年間一般病院で医師として働いたと証拠になります。

大抵どの分野であっても、15年間働けばほぼ一人前の医者といっても過言ではないレベルだと思います。

一方でこれが6年目で開業とかということになってくると、話が変わってきます。

精神科やメンタルヘルス系のクリニックには、若くして開業されている先生が多い印象です。

大体どの専門分野でもそうですが、医者6年目はとても一人前の医者とは言えません。言うなれば修行の段階です。

そのような段階でクリニックを開業してしまった場合、幅広い疾患の患者さんを診ることなく、周囲に何かしらを教えてくれる先生がいない環境になってしまうわけですから、少しリスクがあるかな、といった印象です。

どのような病院で勤務してきたか

もう一つの参考点は、どのような病院で勤務してきたかということでしょうか。

標準的にスキルのある医師というのは、いくつかの総合病院に勤務していきます。

いろいろな病院に勤務することにより、幅広い症例や各病院での多少異なる治療方針などを学んでいくわけです。

病院ごとによって集まってくる患者さんの傾向や、治療方針というのは微妙に異なっているものです。

これは病院の特徴や、そこに所属しているベテラン医師の意向を反映していることもありますが、病院ごとのカラーみたいなものです。

このようにいくつかの病院に勤務することにより、経験を積んでいくわけですね。

ですから、医師がどのような病院で勤務してきたか、ということはひとつの指標になるでしょう。

出身大学の偏差値は関係なし

一方で医師が偏差値の高い大学を出ているからと言って優れた医者とは限らないですし、その逆も然りです。

これは経験的なものですが、偏差値が高い大学を出ていても患者さんとコミュニケーションが苦手な医師もいれば、私立大学出身でも素晴らしい医師もいます。

医師の卒業大学はあまり参考にしない方が無難です。

論文や研究業績は関係なし

いくつかのホームページでは、院長の論文や研究実績などが報告されてあるところもありますね。

これは臨床的な能力とは、あまり関係ないといっても良いでしょう。

よほどのスーパーマンでもない限り、臨床能力と研究実績を高いレベルで維持するのは難しいですし、あまりにも研究実績がある医師は、要注意です。

大学病院の中には、もっぱら研究にしか従事せず、ほとんど患者さんの診療を行っていない医師もいます。

そのような医師の臨床能力は、総合病院で日々忙しく働いている医師の臨床能力には必ずや及ばないでしょう。

あまりに研究業績がありすぎるのも「臨床は苦手なのかな?」と思わせます。研究業績はあまりアテにならないでしょう。

まとめ

信頼できる医師を選ぶというのは、診療所やクリニックに限らず大変難しいです。

上記のポイントを確実に抑えることによって、可能な限りリスクを減らしたクリニック選びを心がけたいものですね。

「病気かな?」と思ったらまずは近くのクリニックへ。かかりつけ医を持つことが大切

2017.12.09

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