医者と弁護士のダブルライセンスについて考察する。どっちの方がお得?




時折、医者と弁護士のダブルライセンスを持ったすごい人を見かけますよね。

国会議員にも、慶應大学の医学部と法学部を卒業し、医師免許と弁護士資格を持った方がいますね。

このダブルライセンスについて、果たしてお得なのか考えてみたいと思います。

医師免許と弁護士免許、どちらが難しいか?

医者になる

このサイトでもさんざん書いていますが、医者になるには、なんといってもまず医学部に入学することが絶対条件です。

医学部に入学して、6年のあいだ真面目に勉強して、国家試験に合格して初めて医師免許のライセンスを得ることができます。

医師国家試験合格率に対する考察。合格率は高いが難しい

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医学部に合格するために必要なこと。とにかく高い学力が最低条件

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医学部に一旦入学してしまえば、国家試験に合格するのはそこまで難しい、というわけではありません。

医師国家試験の合格率は、一部の大学医学部を除けばおおよそ90%となっています。

したがって、医者になるには何と言っても医学部入試を突破できるかどうか、が一番の課題になってくるでしょう。

医学部入試の場合には、出口(=医師国家試験)が割と広くなっているのですが、入口(=医学部入試)はすごく狭くなっているのです。

そして医師免許を得たとしても、一人前の医者として働くためにはそこから少なくとも8年から10年位の経験が必要です。

立派な医者になるためには、思いのほか時間がかかるものなのです。

弁護士になる

弁護士になるためには司法試験を合格する必要があるわけですが、それまでに1)法科大学院(ロースクール)を修了するか、2)司法試験の予備試験を突破するという2つのルートがあります。

今では弁護士になるためには、ロースクールを経て司法試験を受験する、というのが一般的な流れでしょうか。

かつては合格率3%のとてつもない難易度の試験だった司法試験ですが、いまでは国の政策により法科大学院が設置され、随分と弁護士になりやすい環境が整備されてきました。

司法試験の合格率はいまではおおよそ20%、ロースクールごとに合格率でいうと、トップ校ではおおよそ50%くらいになっているようですね(プレジデントオンライン)。

ですから医学部・医師免許の場合と違い、弁護士資格の場合は入り口が広く、出口が狭いといえるかもしれません。

なぜ医師と弁護士で試験難易度が違うのか

このような医師と弁護士の試験難易度の違いは、合理的な結果と言えるでしょう。

医師免許の場合には解剖学実習や病院での実習など、一人当たりの教育に随分とお金がかかります。また、教科書を読むだけでは医学教育は成立せず、解剖学実習や病院実習などが必要です。

さすがに100人の学生に解剖学実習や病院実習をさせておいて、10人しか医者になれない、なんてことになれば、リソースの無駄遣いになってしまいます。

一方では、弁護士教育の場合は基本的には座学で完結しますから、医学部教育に比べると随分安く教育できることでしょう。

法律学のレクチャーがあったとして、学生が100人であろうが150人であろうが教育にかかる費用は対して変わりません。

せいぜい広い講義室が必要になるとか、高性能なマイクが必要になる程度のものです。

このような背景があって、法科大学院を卒業したとしても、司法試験に合格できない学生が多く生まれてしまうのでしょう。

両方持ったとして、どちらになるべきか

さて、資格職である医師と弁護士。

結論から言うと、医師免許を持った弁護士の方が圧倒的に有利であると言えるでしょう。

医師免許を持った弁護士は強い

医療裁判での1番の問題点は、医療現場で行われていることがあまりにも専門的すぎて、被害者側また加害者側の主張を正しく判断できないところにあるかと思います。

テレビニュースなんかをみていると、医療者側からみて、どう考えても間違っている、と思われるような判決が下されることもしばしば見受けられます。

今の医療裁判における現状は、医者にとってはロシアンルーレットの様相を呈しており、過失がなくとも運悪く患者が病院で亡くなってしまった場合には、医師が責任を取らされてしまう印象があります。

もし医療者側にとって医療裁判に強い弁護士がいれば重用されるでしょうし、患者側としても、病院側と対等に渡り合える弁護士がいれば心強いものです。

ですから、医療知識をもった弁護士の場合は、医療裁判においてはなくてはならない存在です。

法律知識を持った医者、って必要?

一方で医療現場において法律の知識を持っていることのメリットと言うのはほとんどないと言っていいでしょう。

せいぜい思いつくのは、同意書を取ったりとか、患者とトラブルになりそうな案件があったときに、どの様な対応すべきかということがわかる程度です。

法律知識を持っていたからといって、クリニックや病院の患者が増えるわけでもありませんし、給料が増えるわけでもありません。

ですから医者として働く分には、法律知識を持っていることのメリットというのは、ほとんどないといえます。

ダブルライセンスの労力と対価

つまり医師免許→弁護士の順番で、弁護士として活動する場合には、医療知識の点からはメリットがあるかもしれません。

といっても医師免許を取得するにも最低6年、現場での知識を身につけようとすると10年くらいは必要です。

果たしてそれだけの時間と労力を使って、弁護士としてリターンのある仕事ができるかは、なかなか難しいところではないかと思います。

相当に弁護士として素晴らしい仕事をしなければ、労力に見合わないのではないかと思います。

一方で弁護士→医師免許の順番で医師として働くことは、ほとんどメリットがありませんから、全く勧められるものではないでしょうね。

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2 件のコメント

  • 最初に引用されているダブルライセンスの方ですが、医者としても弁護士としても使えません。所詮、人間の能力は限られていて、多芸多才に秀でるのは難しいのです。

    • コメントありがとうございます。確かに医者と弁護士、どちらの世界でも一流になることは難しいですよね。

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