薬理学 – おすすめ教科書

薬理学は薬物の作用機序について学ぶ学問です。

基礎講義の中では、講義に割かれる時間はやや少ない印象ですが、薬物動態や各受容体の働きの理解は、臨床医として働く上でも必須の知識になってきますね。

臨床医になって振り返ってみると、生理学と生化学の間で、薬理学で学んだこと、というのは少々あいまいになっているのですが、薬物動態など、どの診療科に進んでも必須の知識になります。

★★★ NEW 薬理学

薬理学の標準的な教科書です。

大学の講義レベルから大きく逸脱した知識などは書かれておらず、600ページ程度、かつイラストも十分に掲載されているので、講義と並行して使うにはちょうど良い内容量と言えるのではないでしょうか。

また和書でありながら頻繁に改定されており、日本語原著の教科書となると、この医学書になるかと思います。

★★☆ イラストレイテッド薬理学

原著ではReview本(復習本)という位置づけになっていますが、初学者にも十分理解できる内容になっています。

内容はというと、USMLE Step1対策ということもあってか、個々の薬剤に関する記述など、やや臨床的な内容に重点が置かれている印象です。

薬物動態などの生理学的内容は、内容量としては少なくないものの、全体に占める割合は低いかもしれません。

原著は”Lippincott’s Illustrated Reviews: Pharmacology”というタイトルで出版されています。

★★☆ ハーバード臨床薬理学

ハーバードの学生と教授のディスカッションを通して仕上げられた、学生目線の教科書です。

現在のところ、原著はまだ第3版までしか出版されておらず、シリーズの歴史は浅いですが、今後はこの本が薬理学のテキストとして主流になっていくと思われます。

その証拠に訳本、原著問わず、Amazonのレビューでは高い評価を得ています。

本書は54章から成り、各章には症例提示から始まってその分野に関する生理学、薬理学的なことが総合的に書かれており、しかも非常に的確にまとめられています。

学生目線で記述されているので、本書全体を通して非常に高度な知識や無駄な記述はありません。

特に分かりやすかったのは、心臓電気生理の内容で、 この部分がうまく説明してある日本語の生理学書はあまりなかったように思うのですが、 この本は非常に分かりやすく書かれています。

内容はそれだけすばらしいのですが、ページ数は900ページを超えているために、読み進めるのに気力、体力、集中力などが必要になります。読み飛ばすような内容もないので、通読にも、辞書的にも使える教科書だと思います。

原著では”Principles of Pharmacology: The Pathophysiologic Basis of Drug Therapy”というタイトルで出版されています。

★★☆ 図解薬理学

本書の構成は、ある疾患の病態生理、症状を軽く説明したのちに、治療戦略を掲げ、実際の臨床で用いられる薬剤を解説する、という流れになっている。

図やイラストは疾患の病態生理と、薬剤の化学式のみで、薬理作用の部分ではイラストが省略されていて、かなりコンパクトにまとめられている印象を受ける。

初学者には向かないが、一通り薬理学を学び終えた人には、薬理学全体を見渡せる良書である。是非とも定期試験対策に使いたい1冊である。値段も手頃。

★☆☆ シンプル薬理学

医学生には向かないと考えられる。以下は第4版の特に「向精神薬」の項目を読んだ感想である。

要点は網羅されていると思われるが、読者にとっては混乱する書き方がされている印象。

抗精神病薬の分類では、D2 receptor阻害の第一世代(定型抗精神病薬)と5-HT2 receptor阻害の第二世代(非定型)の2種類のグループを示すのが不可欠であるが、そのような記述がほとんどない。

またSSRIの機序をイラストを交えずに説明するのは無理がある。やはりコメディカル向きの域を出ない。

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先生まだ医局辞めてないんですか?

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