朝日新聞の記事に
「小学校や中学校の教師の1週間当たりの労働時間が、医者よりも長い」
と言う記事がありました。
週に60時間以上働く小中学校の先生の割合が70~80%に上ることが、全国の公立小中学校の教諭約4500人を対象にした連合のシンクタンク「連合総研」の調査でわかった。
医師や建設業、製造業など他業種より格段に高い割合だ。特に運動部の顧問の先生は出勤が早く、午前7時前に出勤する人が15%いた。文部科学省も学校現場の負担減へ対策に乗り出している
確かに記事の中にあるグラフを見てみると、1週間に60時間以上働く労働者の割合は、医者よりも教師の方が圧倒的に多くなっています。
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学校の先生は忙しい
確かに学校の先生も、授業以外に生徒指導とか部活動とかで、午後5時以降の労働はもちろん、週末も学校に出てこなければならない側面があると思います。
側から見ると、部活動等は熱心に取り組んだからと言って目に見えるリターンがあるわけではなく、その割には多くの時間を割いて取り組まなければならないのです。
はっきり言って学校の部活動に関する日本の現状は異常だと思っていましたし、今もそう思っています。
部活動も忙しいらしいけど、意味あるのか?
もともと部活動と言うのは、非行に走る中学生や高校生を強制的に拘束し、心身ともに正常な発達を促すという目的で始められたようです。
確かに
「心身を鍛える」
なんていう単語はたくさんの人が好きそうなワードですね。
一方で集団行動や、熱心に取り組んだことが人生の宝になると言うのは精神論に過ぎないのも事実です。
それは数多くの甲子園出場者が犯罪を犯していたり、さらにはオリンピックで金メダルを取った人間までもが性的犯罪で逮捕されると言うことに如実に表されています。
医者の労働時間は記事にあるよりも長い
さてここで問題となるのは、医者の労働時間です。
何を持って労働時間とするかは結構難しい問題ですが、当直や、休日や平日の夜間の当直もいくらか労働時間に含めるとすれば、ほとんどの医者が週に60時間以上働いていると思われます。
教師と同じで、病院で行っている日中の診察だけが労働時間とするのは大きな間違いです。
実際の労働時間はもっと長い
例えば私の場合のように、朝の8時から夕方の7時まで働くとすると、1日あたりの労働時間は昼休みを除いて10時間になります。
さらに月に2回の当直がありますので、1回あたりの当直時間が12時間として、1週間あたりの当直の労働時間は大体6時間です。
これだけで1週間当たりの労働時間は56時間です。
これに平日と休日は当番が当たりますので、休日の回診の時間やその当番で呼び出された時間も含めると、ほとんどの勤務医においては軽く60時間位は超えてしまいます。
これは何もレアケースではなくて、私のいる一般的な総合病院では、ごく一般の働き方です。
さらに地方の中規模な病院に行けば、当直の回数や当番の回数はもっと多いので、労働時間はもっともっと増えると思われます。
さらに外科や産婦人科系の診療科では、手術が毎日7時で終わるとは限りませんし、緊急手術が入れば曜日や時間帯は関係ないですね。
教師の労働時間が長いのは間違いない。しかし・・・
いずれにしても、感覚的にも実際の統計的にも教師の労働時間が長すぎることは間違いないでしょう。
しかし、いろんな要素を考慮すると医者の労働時間も教師と同じくらいか、それ以上忙しいはずです。
医者よりも働く時間が長いから、教師の働く時間は長いとか、そのような労働時間の長さ比べのような議論ではなく、法律で定められた週40時間労働よりも長いのだから長いものは長いのだ、
そんな当たり前の議論ができるような環境になってほしいことを願うばかりです。
まとめ
医者も教師も忙しいのには変わりありません。
どちらの職業の労働時間も減るように、方策を練ってもらいたいものです
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