空気が乾燥し気温も低くなる冬の季節。インフルエンザが流行する季節になっています。
このインフルエンザという疾患、感染症には、病院は常に注意を払う必要があるのですが、いろいろと対策をしていても、毎年の冬には振り回されるのです。
必ずワクチンを接種している医療関係者でも、インフルエンザにかかってしまうことはしばしばあります。
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医療関係者は必ずワクチンを接種する
医療関係者は病院に勤務すると関係上、毎年冬になるとインフルエンザのワクチンを接種するように通達があります。
したがって私もここ10年ぐらいはずっとインフルエンザのワクチンを打ち続けています。医者になって30年、という先生なら、30年近くワクチンを打ち続けているかもしれませんね。
一般的にはワクチンが病院の各部署に配布されて、「お互い打ち合ってください」という感じです。
医師・看護師あたりは注射するのはOKですから、普段注射をしない技師さんなんかも、知らず知らずに注射を打ってもらったりしていますね。
自分で自分にワクチンを打つこともあり
以前大学病院に勤務していた時には、医局に医者全員分のワクチンが配布され、各自で接種してください、というようなシステムでした。
同僚の先生に頼むのはちょっと気がひけるなぁ、という時は、ワクチンと注射器を持ち帰って、自分で打ったり妻に打ってもらったこともありました。
注射器を持ち帰って自分で注射するなんて、もはや薬物中毒者みたいな感じなのですが、まあ医師免許はありますから、そこは良しとしましょう。
インフルエンザのワクチン接種は痛い
毎年思うんですが、やっぱりワクチン接種は痛いです。
基本皮下注射な訳ですが、注射針を刺すのはそこまで痛くないのです。ただしワクチンの注射液を注入する時はまずまず痛いわけですね。
組織とワクチンが反応しているのか、それともワクチンを注入することで組織内の圧が上がって痛いのかわかりませんが、とりあえずワクチンを注入する時はまずまず痛いですね。
ワクチンを打ってもインフルエンザにはなる
そしてよく知られていることですが、インフルエンザのワクチンを打ったからと言ってインフルエンザにかからないわけではありません。
ワクチンを接種したから一安心、というわけではないのですね。
インフルエンザのワクチンは、あくまで今年流行するであろうインフルエンザのウイルスの型を予想して作られています。
したがって実際の流行する年になってみて、ワクチンに効果のないようなウイルスの型が流行すれば、当然ワクチンを打って意味はなくなってしまい、どんどん流行が進みます。
これがパンデミックとか新型インフルエンザの脅威と呼ばれる所以です。
冬に色々な先生や看護師さんのお話を聞いていると、ワクチンを打ったとしてもインフルエンザにかかってしまう患者さんや病院関係者を数多く見聞きしています。
高熱がなくて微熱程度であっても、関節痛や筋肉痛がありインフルエンザの検査をしてみたら陽性であった、と言うような非典型例も見られます。
あ、私インフルエンザだったんだ、というような、何でもありの状況なのでしょうか。
医療関係者がインフルエンザにかかった場合
病院の中ではインフルエンザにかかると、解熱してから2日間は病院に来ないように指導を受けます。
堂々と病院を休めると言うのは非常にありがたいことですが、高熱で苦しむということを考えると、必ずしも良いものではないのかなと言う気もしてきます。
医師の場合には自分の外来を持っていたりして、患者さんに受診日を替えてもらったりする必要がありますし、手術を行う医師の場合には最悪延期ということも想定されます。
ですから、医療関係者は自らの体調に細心の注意を払う必要がありそうです。
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