研修医向けの一般的な内科学書というのも、多く出版されています。
基礎医学や臨床医学に関しては、教科書が人を選ぶほど、学習者にとってあまり選択肢がありません
一方で、臨床系の教科書ということになると、これは玉石混合たくさん出版されており、学習者が教科書を選ぶ立場になってきます。
このサイトで紹介しているのは、私が研修医時代に使ったものや、同期の研修医の間で評判がよかったものを紹介しています。
すべて★★★となっています。
★★★ 内科レジデントマニュアル
聖路加の先生方が編集している教科書である。研修医向けとあるが、ポリクリ学生にも使える内容。
各疾患について診断、病態、治療が箇条書き状に書いてあるというよりは、「腹痛」「頭痛」などの症状からどのような鑑別疾患を考え、診察、検査をすべきか、症状、症候からの切り口で書いてある。
このあたりは、研修医が外来などで鑑別診断を考える際に役立つように書かれてある。どちらかというとレジデント向けの教科書なのかもしれない
★★★ Pocket Medicine
ポリクリに持って行くと”できる学生”とおもわれる1冊。
内容はというと、病棟で出会う疾患の概略や診断の進め方などがフローチャートで書いてある。糖尿病や高血圧などのメジャーな疾患、病態では、診断基準なども掲載してある。
基本的に1-2センテンスで書かれているので、とりあえず確認しておいて、あとで教科書をじっくり読むというのがスタンダードな使い方であろう。
英語で書かれているが、箇条書きで文章を読む必要がないので、医学単語さえ知っていれば大概は理解できる。
また6穴バインダーの型式になっているので、Pocket Medicineと同じ大きさのペーパーを購入してはさんでおけば、メモを足して行く事によってより理解を深める事ができるだろう。
内科レジデントマニュアルとの違いは、レジデントマニュアルは症候から鑑別を絞っていくという使い方を想定しているのに対し、本書は疾患名、診断名から疫学、検査、症状、治療などを調べて行く使い方を想定している。
★★★ がん診療レジデントマニュアル
国立がん研究センターのレジデントの方々が編集されている。余談だが原稿料は雀の涙程度であるという。
ほぼ全腫瘍を対象として、化学療法のレジメンやそれに伴う副作用に重点をおいて書かれてある。
臨床実習を行う学生にとって有用になるのは、抗がん剤の副作用や、副作用が出た場合の対処法などの項目であろう。
マニュアルの最後辺りには抗がん剤1つ1つに対して適応、副作用などが解説してあり、非常に役立つ。
★★★ 内科レジデントの鉄則
聖路加病院のチーフレジデントが、レジデントに必要だと思われる項目について横断的に解説した書。
高カリウム血症への対応、輸液の基本など、研修医が必ずぶつかる疑問についてピンポイントで解説が加えられている。
流れとしては簡単な症例を紹介した後に、それぞれのプロブレムを解決する方法を提示している。
当直中や昼間の空いた時間など、片手間に読める教科書である。
★★★ 診断力強化トレーニング
総合診療で有名な先生が執筆されているテキスト。
5ページに1疾患の割合で、症例提示、解説、関連事項の説明がなされている。救急外来、一般外来、紹介受診などのシュチュエーションごとに分けられ、全部で50症例掲載されている。内容は、国家試験のレベルを超えているだろうと思われる。
レイアウトや文章は読みやすく、体裁は整っている。
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