学生や研修医レベルの一般内科の教科書に関しては、ある程度教科書は絞られています。
各内科の専門分野ごとの教科書となると、内容が深すぎて、学生や研修医レベルでは少々持て余してしまうと思います。
学生時代の病棟実習や、研修医で内科をローテーションする際には、まず基本となる内科一般の教科書1冊持っておくことをお勧めします。
★★★ 臨床医マニュアル
1600ページにも及ぶ、臨床医学の総合的テキストです。
臨床現場で知っておくべきことが網羅されている、総合的な内科の教科書といえるでしょう。問診や在宅酸素療法などについても詳細に説明してあります。
各疾患については、診断、身体所見、治療など臨床医学に重点をおいて説明されており、使用する具体的な薬剤とその用量までが書かれています。
各疾患の説明は文章で構成されており、すぐに理解できるものではないため、家や病棟でじっくり読むのが必要ですね。
★★★ 新臨床内科学
内科学の一般教科書・医学書です。
縮刷版の最大の利点は扱いやすいことでしょうね。文章、イラスト、写真のクオリティは高く、レイアウトもはっきりしています。
内容量は申し分なく、強皮症の項目では分類・イラスト・写真を交えて5ページに渡って説明があり、少し詳しすぎると思えるほどです。
小児科、産婦人科は掲載されていないが、内科系の分野はこの教科書一冊で事足りるといえるでしょうね。
★★★* ハリソン内科学
3000ページにも及ぶ内科学の名著で、現在まで原著は20版前後まで出版されています。間違いなく、内科学書の中では一番の名著であるでしょう。
ただし冒頭にも書いた通り、学生や研修医レベルという点では内容が深すぎますね。
学生や研修医レベルでは確実に持て余してしまうため、*マークを付しています。もちろん内科学書一般という点では、★3つといって良いでしょう。
疾患の治療に関する説明は、薬剤の選択、薬理作用、副作用などが非常に詳細に書かれており、これらをまとめただけでも1冊の薬理本になりそうな勢いですね。
今トピックになっている、HIVや肝炎の治療に関しては細かすぎて、明日から臨床の現場で使えるレベルを超えているといってよいでしょう。
分冊になっているとは言え相当ボリュームがあるので、持ち運びはほとんど不可能です。内容量、重量感から考えてもあくまで辞書的に使うべき教科書であるといえるでしょう。
★☆☆ 内科ハンドブック
コンパクトな内科マニュアルです。530ページですが、教科書自体はB5サイズで1ページあたりの文字数も少ないので、情報をたくさん詰め込んだ印象は少ないといえるでしょう
ポケットサイズのレジデントマニュアルよりは情報を多く、それでいて一般的な臨床マニュアルよりはコンパクトに、文章量を少なくしてまとめられています。具体的な治療法、薬物選択なども掲載されており実際の臨床で役立ちますね。
教科書以上の内容は書かれていないので、少し物足りなく感じてしまうかもしれません。学生実習~初期研修の最初に役立つハンドブックでしょう。
★☆☆ 内科診断学
各内科疾患を、診断に焦点を絞って解説してあります。
本書のはじめの方には、症候について多くのページを割いて解説されている。各疾患については診断についての解説が8割程度であり、治療についての解説は基本方針を示すのみにとどまっています。
診断学に絞って解説している教科書といってよいでしょう。
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