6年間の医学部での学習の集大成がなんといっても医師国家試験ですね。
とにかくこの試験をパスしないと医師としてスタートをきれないわけですから、何としても合格することが必要です。
そんな医師国家試験の概要、実際の会場の雰囲気などについてお伝えいたします。
コンテンツ
医師国家試験の勉強スケジュール
最近の国家試験対策は、クエスチョンバンクなどの問題集から、TECOM,MECなどのネット講座が主流になっているようです。
これらのネット講座をレビューしていて感じるのは「知識が整理されている」ということです。
QBなど1問1答式の問題では、どうしても知識が断片的になりがちです。
その一方でネット講座を見ていると、それらの知識がうまく結びつけられていくのを感じて新鮮な気持ちでした。
もちろん国家試験特有の検査に関する問題なども説明されていて、知っている事ばかり、ではないのですが。
ネット講座を利用する場合
予備校の講義、テキストは年度が変わった4月から配信、配布されていきます。
したがって予備校側の姿勢としては、国家試験の準備期間は1年で大丈夫ということなのでしょう。
1年間で予備校のテキストをすべて終わらそうとすると、講義や実習がない終日フリーの試験対策期間に入ってからは、大学受験と同じくらい机に向わなければなりません。
ネット講座を中心に勉強を進めていくとなると、メディックメディア社から発売されているクエスチョンバンクや市販の問題集をやる暇はほとんどありませんでした。
真剣に勉強するのは6回生から
では、5回生の時は何をしていれば良いかというと、真面目に実習に取り組みつつ、適度に遊んでいればよいと思います。
予備校のテキストをやり抜いて感じた事ですが、彼らの組む学習スケジュールというのは、試験勉強が効率よく進むように、考えられて組まれています。
4, 5回生からダラダラと問題集を解いていくより何倍も効率よく学習を進めることができます。
また、定期的に配信されてくるネット講座をさぼることなく視聴していれば、すべての範囲が終わらないまま試験に突入することもありません。
したがって予備校講座を利用する場合は、”試験勉強は6回生から“と割り切ってしまうのが良いと思われます。
問題集(クエスチョンバンク等)を利用する場合
主に成績上位の学生がこちらの勉強方法を選択していました。問題集は自分なりのペースで学習を進められる一方で、
2.試験までに全範囲が終わらない可能性
のような2つの懸案事項があります。
勉強効率が多少悪くなっても良い、責任は自分でとる自信があるのならば、問題集をメインに試験対策を進めることもできます。
しかしながら、「みんなと同じことをやっていれば受かる」という試験の性質から考えると、予備校メインの現在の流れからはやや距離のある学習方法と言えるでしょう。
医師国家試験当日の雰囲気など
次に、国家試験当日の会場の雰囲気などをお伝えしましょう。
90%近くの受験生が合格する試験といえども、試験会場にいると緊張するものです。
会場の雰囲気
合格率90%前後の資格試験とはよく言われるものの、試験数日前~当日になるころには、受験生に相当のプレッシャーがかかります。
その理由は人それぞれでしょうが、個人的に大きなプレッシャーとなったのは、
2.必修で8割得点できるか
ということでした。
1.に関しては、私の場合、自宅から試験会場に直接向かう毎日でしたので、相当なプレッシャーとなりました。
大学から試験会場まで遠く離れている場合は前日からホテル入りすると思うのですが、その場合は幾分心配ないのでしょうか。
2.に関しては、多くの受験生が感じていることだと思います。
いくら基礎的な問題とは言え、必修問題を確実に8割正解していくことは、確かな実力がなければ容易ではありません。
以上のような圧力に押されるように、会場内は常に一定の静寂を保っていました。
大声で話しこんだり、迷惑となる行動をする受験生はほとんどいなかったように記憶しています。
試験時間中に所持して良いもの
机の上には消しゴム、鉛筆、時計等のみが許可されるようです。ボールペン、鉛筆削りに関しては許可されませんでした。
シャールペンシルに関しては、会場ごとに判断が分かれるようですが、私の試験会場では許可されました。
しかし、シャープペンシルの芯を置くことは許されず、よくわかりません。このあたりはマニュアル化されていないのでしょうか。
いずれにしろ、鉛筆を8本くらい持っていけば困ることはないでしょう。ちなみに鉛筆のキャップは問題ないようです。
他にはティッシュ、マスク、膝かけ等も試験官のチェックを受ければOKのようです。
各ブロックが長時間に及ぶ試験ですから、万全の体制で臨みたいところです。
カンニング対策
受験番号は基本的に名前順ですが、隣に座る受験生は他大学の学生となるように工夫して決められているようです。
また、隣の受験生とはマークシートの形式(たてorよこ)が異なり、単純にマークしている場所を対応させて同じところを塗りつぶすというようなカンニングはできないようになっていました。
また、京都大学の入学試験で携帯電話を使用したカンニングが明るみなってから、携帯電話・スマートフォンに関する対応が一段と厳しくなったように感じます。
携帯電話は電源を切った状態で封筒に入れ、足元に置いておくことが求められ、試験時間中にズボンのポケットなどに入っていることが発覚した場合は、即刻連れ出されるようです。
その他、バッグの口を塞ぐ、コートは椅子の下に置くことなどが徹底されています。そして、試験時間中にトイレに行く際には必ず同性の試験官が同行し、常に行動を監視されます。
試験官がアルバイトなのか委託された企業の社員なのかは分かりませんが、学生バイトでないことは間違いなく、大学の試験のように名ばかりの試験官ではありませんでした。
なかなか厳しく監視されます。
国家試験受験後にやるべきこと
医師国家試験が終わり開放感に包まれる一方、やるべきことは山積しています。
新年度からのスムーズな社会人生活に向けて、やるべきことはやっておきましょう。
採点サービスの入力
TECOMやMECなどの大手予備校では、国家試験の採点サービスをオンラインで行っています。
この採点サービスは、合格発表前に自分の合否を知る唯一と言ってよい手段なので、必ず入力しておかれる方が良いと思います。
特に必修問題では、試験会場での手応えが良くとも簡単に8割を切ってしまいますので、後述の卒業旅行を安心して楽しむためにもぜひ利用しておきたいところです。
ちなみにこの採点サービスの入力は、一応の目安として試験後一週間以内まで受け付けているようです。
引っ越しの準備
新生活に備えて引っ越しの準備が必要です。
新居探しに関しては、年が空けて1月初旬から動き出すのがちょうど良いようです。
1月以前だと4月からの契約と言うのは難しく、2月に入ってからだと条件の良い物件が契約済になってしまうとの話です。
また、3月は引っ越しシーズンですので、引っ越し業者の手配は卒業旅行前に行う事が必要です。
健康診断書等の提出
研修病院から提出を要求される書類のひとつに、健康診断書(雇い入れ時健診)があります。
実はこの健康診断書、そこそこの規模の総合病院では、診断から発行まで1週間くらい必要な場合が多いようです。
試験から卒業旅行まで1週間前後しか余裕がない場合は、試験終了後すぐに健康診断を受けにいかなければなりません。
私がgoogleで一生懸命検索した感想だと、総合病院系の健診センターではなく個人病院で健診を受けた方が、数日以内で診断書を手にできるようです。
もし大学内や知り合いに医師がいるのであれば、記入してもらっても良いかもしれませんね。1分ぐらいあれば書いてもらえます。
実際に私が大学病院で働いている時には、卒業した学生が用紙を持ってきて、記入したことがありました。
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