ウェブ広告の医療情報があまり信頼できない、そんなことを書いた記事です。
「国内最高峰の治療」「モデルも通う」などと虚偽や大げさな広告をウェブサイトでしていた医療機関が、5カ月間で112件あったことが厚生労働省の調査でわかった。同省はこれらの医療機関に、自主的な改善を促す通知を出した。
自由診療で行われる美容医療などの宣伝サイトに掲載される料金や効果をめぐってトラブルが相次いだ。これを受けて厚労省は昨年8月、日本消費者協会に委託してサイトを監視する事業を始めた。
12月までに730サイトを審査すると、「副作用はありません」「満足度ランキング1位」などの不適切な記載が85サイトでみられた。医療機関数はのべ112件あった。
朝日新聞デジタル 2018.1.25
自由診療は儲かる、という現実
このような不適切な広告が蔓延する現状の一つは、やはり自由診療で行われる医療の価格設定が医療機関に委ねられ、収益をあげやすい、ということが背景にあるかと思います。
つまり医療は儲けようと思えば儲かるわけです。
たくさんの患者に来院してもらうためには、不要な治療であっても効果ありとか、効果が証明されていない治療であっても、体に良いとか、少々無理な宣伝をしなければならないでしょうね。
よく都市部のクリニックで行われている、ビタミンC注射とか、にんにく注射、というのはこの類になるかと思います。
まともな総合病院では、これらの「効果があるかどうかわからない」治療をしている病院はありません。
〇〇県立中央病院とか××市立医療センターのような公的病院が、風邪気味の患者にビタミンC注射とか、にんにく注射をすすめたりすることは絶対にないわけです。
つまりは、これらの曰く付きの注射メニューというのは、効果があるかどうかかなり不透明なのが現状なのです。
本当に注射1本で風邪が治るのであれば、厚生労働省が保険診療として認めているはずですからね。
健康・医療系サイトも儲かる
また、インターネット事業のひとつである医療系サイトも儲かる現実があります。
サプリメントや健康食品を訪問者に購入させようとするとなると、どうしても誇大な宣伝文句を並べなければならないでしょう。
「この健康食品はがんに効果あり!」といって、健康食品に誘導するような文言は、インターネット上に数多く見られます。
そんながんに効果のある食品なんてないわけですが、希望を求めてさまよっている患者さんの中には、甘い言葉に惹かれてついつい購入してしまう人がいるかもしれません。
正しい医療情報を得るために。かなり難しい
しかしんがら、これらのインターネット上に蔓延する医療情報を、医療に精通していない一般の方が取捨選択するのはほとんど不可能です。
論文なんかを読んでいてすら、「これほんと?」と思うような記述が多々ありますから、健康食品やサプリメントの類の一字一句を検証するのは非常に労力が必要です。
そもそも徹底的に調べたところで、よくわからないような曖昧な表現もあるでしょうし。
「がんが予防できる」とか「リラックスできる」というような抽象的な表現で売りだされるサプリメントや健康食品を完全に取り締まるのは中々むつかしそうです。
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