あるバラエティ番組で、高校の部活を取り上げた番組がありました。
その部活動は全国大会常連で、それに向けて厳しい練習をしていると言うものでした。厳しい練習だけあって、怒鳴って、叱って、という非常に厳しい指導なのです。
果たして怒る、怒鳴るという指導が正しい指導方法なのか、医療現場における指導に基づいて考えて見たいと思います。
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怒鳴るというのは正しい指導方法なのか
部活動の指導方法を見ていると、疑問に思うことばかりでした。
顧問の先生は生徒に指導すると言う名のもとに、わずかなミスや失敗を厳しく叱責し、生徒たちのやる気のない態度をを頭ごなしに否定します。
時には罰として筋力トレーニングやランニングを強要したりもしたりもしています。
一方で生徒が頑張った時や、大会が終わったときには生徒を褒める、なぐさめると言う指導のようです。
私はこのような一方的に怒鳴る、抑え込むと言う指導法に常に疑問を抱いているのです。
やはり教師という立場からの一方的な指導法と言うのは、良い結果を生まないことが多いように感じています。
病院のカンファレンスでも怒鳴るのはよくない
例えば病院の中のカンファレンスでもやはり雰囲気の良い診療科と言うのは、役職や身分に関係なく、若い人たちも活発に意見を出し合って、議論が行われるのが理想です。
ディスカッションは、それぞれの知見を深めたり、患者さんにとって最良の治療方針を決定することにつながります。
一方で問題なのは、普段からその診療科のトップが常に高圧的な態度で存在し、周囲が意見できないような体制作りになっている場合です。
いざカンファレンスや話し合いの場になったときに、正常な、活発な議論が行われないことになってしまいます。
このような状況は中小企業に見られるワンマン経営のような状況で、意思決定と言う点では素早い結果をうむかもしれません。
しかし、必ずしも正しい結果を生まないことがあるでしょう。当然経験と知識が豊富な最高権力者であっても、間違った判断を犯すことがあります。
研修医に怒鳴るのものよくない
同様に、指導と称して研修医に怒鳴るのも、すばらしい先生が行う指導方法ではありません。研修医は修行中の身分ですから、当然何かしらの失敗や間違いを犯すものです。
このようなミスに対して「なぜ失敗するんだ」と怒鳴りつけるのはすごく簡単な事ですが、必ずも正しい行いではないでしょう。
怒鳴られた研修医は萎縮してしまい、様々な事に対して積極的に進んで仕事を行わなくなってしまう可能性があります。
ですから仮に怒る理由があったとしても、感情に任せて叱りつけてしまうのは、必ずしも正しい方法とは言えないでしょうね。
怒鳴る医者は周囲からの評判が悪い
また周囲の医療関係者からみていもて、怒鳴る医者はほぼ例外なく評判が悪いですね。
感情をコントロールすべき医師が怒鳴りつけているわけですから「あの先生は怒りやすいから近づかないでおこう」という評価が下されるわけです。
看護師や薬剤師からは本来伝達されるべき情報が伝えられない事態になりますから、怒りっぽい医師にとっても不利益なのです。
医者だって、よく怒っている医者には近づきたくないものです。研修医からの情報伝達も減るでしょうね。
誰だって怒りっぽい医師とは関係を持ちたくないものですから、病院の中ではあまり怒鳴らない方が得策です。
自分で解決していく力を身につける必要がある
仕事だけではありませんが、社会に出れば様々な困難に直面したときに、自分で物事を解決していく力が求められます。
一方でどのような職業にあっても、今日の社会においては、人に対して怒鳴るとか頭ごなしに否定すると言う態度は、評価されることは少ないでしょう。
そのように考えてみると、冒頭の熱血顧問が怒鳴りながら生徒たちを指導するという方法が、果たして正しいのかどうか大いに疑問です。
特に、生徒たちの自主性や自己解決能力を高めるということを主眼に置いた、学校教育の部活動ではなおさらです。
生徒たちが自主的に考え、問題を解決していけるような環境作りを行っていくのが、教師として正しい役目ではないのかと感じています。
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