病院の中でスムーズに医療行為を行うためには、看護師の協力が不可欠です。
したがって、医者が病棟業務で看護師さんに求めるものはたくさんあります。
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医療はチームで提供されるべきものである
病院で提供している医療はまさにチーム医療の賜物です。
病気の治療を1つとってみても、医師、看護師始め多くの医療従事者の協力のもとに成り立っています。医師だけが頑張っても、最良の結果は得られないものです。
日常の医療では、医師だけでなく薬剤師や看護師さんの力添えは必要になってきます。
手術室で手術器具を手渡したり、患者の身の回りに関して看護師さんの果たす役割も必要ですし、病棟で患者さんのケアをする看護師さんの役割も重要です。
もちろん薬の内服に関する指導や、飲み合わせについてアドバイスをする薬剤師さんの立場も重要です。
術後のリハビリを担うリハビリスタッフや、栄養指導を行うスタッフの働きぶりも大切になってくるでしょう。
このようにして、1人の患者さんの治療は多くの職種のスタッフの働きによって成り立っているわけです。
これらのどれかが欠けてしまうと、十分な医療ではなくなってしまい、あまり良くない結果を生んでしまう可能性があるわけですね。
看護師さんに仕事の上で医師が求めるもの
そのようなチーム医療の中でも、とりわけ大きなウェイトを占めているのが看護師さんの働きぶりです。
普段入院している患者さんと最も接する時間が長いでしょうし、家族背景などに踏み込んで、看護を行う必要が出てくることでしょう。
ここで医師が看護師に求める働きについて解説したいと思います。
医師の指示通りに動いて欲しい
医師が病棟業務について1番看護師さんに求める中でウェイトが大きいのは、医者の指示通りに、患者さんをコントロールしてほしいことだと思います。
例えば「検査室に13時に降りてきてください」と病棟に伝えたつもりであっても、13時を過ぎても一向に降りて来ない来ないことがあります。
しびれを切らしてに病棟に電話をしてみると、全くもって忘れられたりしていて、悲しい気持ちになります。
また「家族が来れば連絡をください」と指示簿に記載しているにも関わらず、完全に忘れ去られていることもよくあります。
お互いにコミニケーションをとっていたとしても、このように情報がうまく伝わっていないことがしばしば経験されるのです。
当たり前のことを当たり前にやるというのは、医者にとっても難しいことですが、看護師さんにとっても、患者にとっても難しいことなのかもしれません。
医学的知識を身につけてほしい
医師の中には、看護師は何もわかっていないんだから看護だけしてれば良いと考えている方もいます。
ただ私はそう思っていなくて、看護師さんが医学的な知識があればあるほど、病棟でのミスや失敗は少なくなると思っています。
私たち医者は、いくら知識があったとしても間違った指示や間違った処方してしまうことがあります。
以前には私も、飲み合わせの点からはあまり好ましくない処方を患者さんにしていたりして、それを看護師さんに指摘されたこともありました。
看護師さんが適切な医療知識を身につけることは、ダブルチェックの観点からも役立つ場合があるのです。
看護師さんがきちんとした医学的知識を持って、私たちの指示には処方のみにするのではなく対応してくれることが、必ずや患者さんの利益になるでしょう。
患者さんの変化に気づき本音を引き出す
これは少しハードルが高いかもしれません。
私たち医師は、一日に何度か病棟を回診しますが、患者さんとたいていは一言二言の会話で終わってしまいます。
患者さんとしても、忙しそうな医師にいま感じていることをすべて話するのは難しいでしょうし、正直なところ医師側もそこまで時間をかけて回診ができるわけではありません。
それと同じような流れで、体調の変化について詳しく聞けないことがあります。
したがって日中接する時間の多い看護師さんに、患者さんの本音を引き出してもらうというのは看護師さんの大切な役割ではないかと思っています。
実際に患者さんの些細な変化は、医師が一番最初に発見するのではなく、看護師がまず先に気づくことの方が圧倒的に多いですね。
普段は私たちに特に何も話してこない患者さんであっても、看護師さんを介した本音を聞き出すことで、診療がスムーズに行われる場合もあるのです。
できる看護師・できない看護師
上記に挙げたような点が、できる看護師・できない看護師のポイントになるかと思います。
できる看護師はこちらの指示に対して的確に動いてくれます。
また、十分な医学的知識を備えており、患者さんの些細な変化に気づき、医者側が早め早めの対処を行うことも可能です。
願わくば、できる看護師さんと一緒に働きたいものです。
まとめ
医師の視点から、病棟業務において看護師さんに求めるものを列挙してきました。
できる看護師になってどんどん我々の仕事をサポートして欲しいものです。
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