手術がうまい病院を選ぶのは、患者さんにとって非常に大切ですね。
病院の中で働いていると各所の情報から、あの先生は手術がうまいとか、あの先生はそうでもない、などといった情報が耳に入ってきますね。
さらに地域レベルでは、あの病院はこの病気の手術をたくさんやっているか、この病気ならその病院といった具合に、病院ごとの評価もある程度定まっているわけです。
そのような様々な指標から、手術がうまい病院の特徴などについてお伝えしたいと思います。
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一番重要な指標は手術件数である
手術のうまい病院、そうでない病院を考えるにあたって一番の指標はなんといっても手術件数です。
これは他の何にも代えがたい、のではないでしょうか。
チャーハン作りに例えてみる
例えば1年に10回しかチャーハンを作らない料理人よりも、1年に200回チャーハンを作る料理人の方が、おそらくおいしいチャーハンを作るでしょう。
せいぜい10回くらいしかチャーハンを作っていないと、どのあたりで野菜を加えるとか、どれだけ調味料を振るかといったところにブレが出てきます。これが最終的なチャーハンの味の差になってきます。
一方で1年に200回もチャーハンを作っていれば、100回目位からは野菜を炒めるタイミングや、味付けのタイミングもほとんどブレがなくできるようになってくるでしょう。
そしてそれがいつもおいしいチャーハンを作ることにつながります。
手術もこれと同じで、何回も手術をやっている者の方がうまい可能性が高いです。
もちろん手術の場合は高度な技能を要求されますので、センスを有無というのは常に問われることかと思いますが、それ以上に経験は大切です。
そもそもセンスが全くなければ、たくさんの経験を積む前に「君はちょっと担当を外してくれるか」といって、淘汰されていきますので、手術件数はやはり大切かと思います。
週刊誌に掲載されている件数も参考になる
よく週刊誌が別冊で発行している「良い病院の選び方」と言う本に病院一覧の手術件数が掲載されてありますが、あれもいくらか参考なったりします。
実際に私も手術の件数ではないですが、ある患者の人数を週刊誌を発行している会社に事務経由で聞かれ、回答したことがあります。
手術件数は外科医の腕だけでなく、その病院の診療レベルを表す数値である
手術件数が多いとのは、なにも外科医の腕がよ指標だけにとどまりません。
病院全体の診療レベルを表す指標と考えてもよいでしょう。
肺癌を例に考える
例えば肺がんになって入院した場合を考えてみます。
たいていはある程度検査をして、いろんな診療科の医者があつまって治療方針を決めていきます。
肺癌の患者さんをたくさんみている病院であれば、外科医の腕以前に、どういう治療方針が適切か、手術が終わった後に抗癌剤を使うのか、など、より適切な治療方針が選択されることになります。
また画像検査をより詳細にみていくのは放射線科医の仕事ですが、たくさん肺癌の症例を見ている医者の方が、より適切な画像所見を述べることができるでしょう。
また手術を受けるとなれば、手術中は麻酔科医に術中管理を任せることになります。この点でもたくさん症例を経験している麻酔科医の方が有利でしょう。
手術中に取り出したがんは、病理診断科の先生が、がんの広がりや転移について診断していきます。やはり見慣れている病理の先生の方が適切な診断を下せます。
さらに手術が終わったあとは病棟で回復を図っていきます。これもまた慣れている看護師さんの方が適切なケアができる可能性が高いです。
したがって退院までの病棟管理の点でも、スムーズなことが予想されます。
このように、患者さんへの対応はいろんな医者が集まって行なっていることが多いですから、手術件数が多いとはすなわち病院全体のし飲料レベルが高い、ということになるでしょうか。
手術のレベルは病院全体のレベルを表す
すなわち、手術の件数が多い=周りの医者や看護師がその病気に慣れていることにつながるのです。
したがってその病院のある疾患に対する治療のレベルというのは高くなります。
手術件数は単に外科医の腕を表す指標だけではなくて、その病院の診療レベル全体を示していると言っても過言ではないでしょう。
実際に医療行為を行うことだけに焦点を絞れば、少々語弊があるかもしれませんが、流れ作業のように淡々と熟練したシステムで行う方が、必ず結果は良いものになると思います。
多くの患者さんをみている病院では、一般的には診断や治療の質は高いですし、患者さんの入院している病棟での管理・対応に関しても看護師が慣れているのでスムーズと考えて良いでしょう。
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