毎年のクリスマスも羽を伸ばして満喫できない。それが医者という職業です。
クリスマスはキリストの生誕祭な訳ですが、そんな時にも病気には容赦ありません。
患者さんが急変したり、亡くなったり、いろんなイベントが起こりうるのです。
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クリスマスの病院事情
クリスマスといっても、病院は平日であれば通常営業です。
クリスマスに病院で亡くなる患者さんも診てきましたし、クリスマスに救急車で運ばれてくる患者さんもいました。
しかし患者さんには少しでもクリスマスを体感できるように、病院の中でも、クリスマスにはコンサートが開かれたりします。
特に食事制限のない患者さんにはチキンが提供されたりと、しっかりとクリスマスを感じることができます。
若いうちはクリスマスは当番や当直になることが多い
医者にとってのクリスマスって、必ずしも休みではありません。
私も医者になってから数年間の間は、下っぱということもありクリスマスに当番や当直を当てられていました。
先輩の先生方は奥さんも子供もいて、クリスマスに家を空けるということが許されなかったのでしょうか。
クリスマスだからといって仕事が暇なわけではありません。当直に割り当てられる若者が割りを食うことになります。
恋人がいる人はどのようなホテルに泊まろうとか、どのようなレストランに行こうとか、どういうプレゼントあげようかとかいろいろ迷うところです。
ところが、当直が割り当てられてしまうと、もはややりようがありません。病院でクリスマスイブを1人寂しく過ごすのです。
また当直ではなくても、病棟の当番などが当たる場合もあります。
この場合にも病院に呼ばれたら、どこにいたとしてもすぐに病院に駆けつけ無ければならないですから、ホテルやレストランにもちょっといきにくいんですよね。
ましてやお互い医者だと、若いうちはどちらかに仕事が割り当てられている確率は結構なものですから、無理なわけです。
平日であれば仕事の終了時刻を予測するのが難しい
クリスマスが平日であれば、当然仕事は17時で終わるわけではありません。残業は必須です。
患者さんが急変すれば否応無く残業しなければならないですから、見通しがたちません。
結局のところ、クリスマスが平日の場合には、呑気にクリスマスディナーなんて予約できないわけです。
ディナーを途中終了した友人
私の友人の中には、最悪なイブを過ごした医者もします。
彼はクリスマスの当番がどうしても外せず、かといってクリスマスをエンジョイするのも諦めきれず、当番でありながらクリスマスディナーに出かけて行った友人がいました。
その友人曰く店に入って着席し、アルコールを注文。いよいよ前菜が到着したところで病院のPHSがなり、病院に呼ばれてしまったそうです。
もちろん「クリスマスディナーを食べている最中だから病院にはいけない」とは言い訳できず、その場のディナーをあきらめて病院に向かったそうです。
友人は仕事を忠実にこなした医者として尊敬されるべきですが、残された彼女はたいそうご立腹で、その後の関係も上手くいかず結局別れてしまったそうです。
確かにクリスマスの日にレストランに1人残された女性の身になって考えてみると、怒ってしまうのは当然のことですよね。
「医者の彼氏なんだから、そこは理解が必要」と言われましても、彼女にしてみればたまったもんではありません。
ということで私たち夫婦は、いろいろなリスクから、クリスマスのディナーにはもう何年も行っていないように思います。
それにクリスマスのレストラン・ホテルは高すぎる
上にも書いた仕事の事情に加えて、値段も高いことからクリスマスイブにレストランやホテルに行く事はほとんどありません。
クリスマスイブのあたりになると、普段はリーズナブルなイタリアンやフレンチのレストランも、急にクリスマスコースと銘打って高くなったりします。
本当にガッポリ儲けようとしているところは、2部制とか3部制とか謳って2時間おきにテーブルをローテーションさせています。
レストランからすれば儲けを出すために必然のことだと思うんですけれども、わざわざクリスマスイブだからと言って高いお金を出したいと思う思わないのです。
ホテルに関しても同様です。
クリスマスイブのシティーホテルで普段の相場の2倍位しますし、予約が取れないことも多いです。
バブルの時代はもっとすごかったらしいんですけれども、そういうところにお金を使うなら日常の生活でもっと違うところにお金を使おうとする医者は多いのではないでしょうか。
まとめ
医者には経済的な余裕がある一方で、時間的な余裕が限られます。
特にクリスマスなんかは家庭を持った先生が当番、当直を回避していきますので、必然的に若手の先生にその職務がまわってくることになります
当番や当直でクリスマスを満喫するのが難しい、それが医者という職業なのです。
それぞれのプロフェッショナルは多かれ少なかれプライベートを壊して働くことがあります。
アメリカでも、カバーをする体制は日本より優れていますが、人として生きていれば、
それが、その制約があなたの価値であり求められているものなのです。
でも、恋人はそれをわかる人が人生を共にする人になりえますよね。遊びなら遊びの時間にあえばいいし。日本人のプロに関する感覚は甘いと思います。人として優しくない順位になっている日本人は、もっともっと考えて、医療体制も自分の体も人のからだも、同じく大切だ。
と思える余裕が、できないかな。。。と願うばかりです。