医者は診察室で患者さんを診ているだけではありません。
病院の中では、いろんな仕事をしているのです。
ここでは一般病院に勤務する内科系医師を例にして、その1日を考えてみましょう。
コンテンツ
朝は病棟を回診する
医者の朝は8時くらいに始まります。
病院に到着するとまずは入院患者のカルテを軽くチェックし、回診を行います。
大体の患者さんは特に変わりないのですが、中には体調が変わっている患者さんもいます。必要な指示があれば看護師に伝えます。
あまりにも病状が大きく変わっているような場合には、手の空いている医師に対応をお願いしたり、検査をオーダーしたりするのです。
9時くらいから外来業務が始まる
9時を少し過ぎるくらいになると外来業務が始まります。
外来には患者さんがたくさん待っていますから、外来のブースに降りていって外来の業務が始まります。
外来では定期的に通院している患者さんを診察したり、新患でやってきた患者さんを診察したりします。
外来業務はすごく忙しくて、自分の能力以上の患者さんを診察しなければならないことが日常茶飯事となっています。
ですから大抵の場合は患者さんを予約時間よりも待たせてしまうんです。
基本的には外来は午前中だけの予定になっていますが、その日の外来の混み具合によっては1時とか2時ぐらいまでかかってしまうこともあります。
当然それぐらいまで時間がかかってしまうと、昼ごはんをゆっくり食べることが全くできず、どっと疲れます。
外来業務は途中で休憩することもできず、せいぜい水分補給とトイレくらいです。かなりハードです。
昼食を食べる
昼食をどうするかは医師それぞれです。
独身男性医師であれば、病院の売店で昼食を買ったり、食堂を利用することがほとんでしょう。
奥さんがいる医師の場合には、愛妻弁当を食べることもあるでしょう。
本当に忙しい場合には、おにぎり1個だけ、カロリーメイトだけ、なんていう日もあったりします。
医師にとっての昼食は不規則なことが多いのです。
午後は検査や病棟仕事など
昼食を食べ終わって一段落すると、午後からは検査や病棟の仕事が待っています。
内視鏡やカテーテル検査、抗がん剤のための中心静脈ポートの留置、気管支鏡など、必要な検査は午後に行われることが多いかと思います。
また入院患者について抗がん剤の指示を出したり、採血の入力をしたり、薬の処方をしたりなど本格的な病棟業務も、この時間に行うことがおおいでしょうか。
病棟の仕事に関しては時間に追われることはありませんから、午前中に比べると随分ゆったりしながら仕事ができる時間でもあります。
夕方にはカンファレンス、書類仕事など
夕方近くになってくるとどの先生もだいたい手が空いてきますから、カンファレンスが行われることが多いかと思います。
入院患者の治療方針について情報を共有する同じ診療科でのカンファレンスがあったり、患者さんごとに最適な治療法を検討する他の診療科との合同カンファレンスなど、いろいろなカンファレンスが開催されます。
またカンファレンスがない日には、診断書を書いたり、入院患者のまとめを書いたりとか、雑多な仕事を行うことが多いですね。
そのほか入院患者とその家族への説明がある場合にも、この時間帯に行われることがほとんどでしょう。
したがって夕方になっても仕事は山積みです。
業務終了は遅くなることもある
1日の仕事が終了して病院を出るのは、日毎に違います。
外来業務が夕方近くまで延びてしまった場合には、その分だけ予定が後ろにずれ込みます。それだけ病院を出る時間が遅くなるのです。
また病棟に状態の悪い患者さんがいたり、午後にやってきた救急の患者さんがいる場合には、その対応しなければなりません。
仕事のスケジュールが大幅に狂い、病院を出る時間も大幅に遅くなることがあります。
学会発表や勉強会の準備などがあれば、病院に居残りして仕事をする必要があります。
帰宅が遅い日には、日付が変わろうとする時間になるのも珍しくはありません。
そして医師の1日はこれで終わりかと思いきや、そうではありません。
病院からの時間外の電話や呼び出しも多い
ホッと一息、帰宅かと思えば、そうではないこともよくありません。
入院患者さんがいる場合には、いつの時間であっても病院から対応を求める電話が頻繁にかかってきます。
患者さんが痛がっていますとか、熱が出ています、なんていう電話です。
対応は電話で良い時もあるのですが、あまりにも入院している患者さんの状態が悪かったり、夜間救急でかかりつけの患者さんを入院させる必要がある場合には、病院に駆けつけなければなりません。
たいていの場合は当番の医師が決まっており、毎日必ず対応する必要はありません。
しかし医師が3-4人しかいない診療科では、3日に1回とか4日に1回の頻度で対応に当たらなければなりません。
医者のお仕事は、病院の中だけで完結するものではなく、家に帰ってからも続くのです。
コメントを残す