医者夫婦にとっての分譲マンションと一戸建ての位置付け。医師にとっての正しい住宅選びとは

最近、友人夫婦から転居届が来ました。

そのハガキを見てみると、どうやらその友人夫婦は東京・中央線沿線に分譲マンションを購入したようです。

2013-5年ごろからの活性化した市況の中でのマンション購入に、随分思い切った覚悟だと思ったものです。

医者の住宅事情

医者が住宅を購入するに当たって心得ておく必要があるのは、転勤のリスクです。

研修医を修了し大学病院の医局に入った場合、以後の勤務先はすべて医局が決定することになります。

学閥の強い有力大学や、人口密度の低い地方大学の場合、転居を伴う異動が頻繁に行われることは珍しくありません。

私の友人も、6年間のあいだに3−4回ほど引っ越しをしているようでした。

このような医局派遣は医局を出るまで続き、頻度は少なくなるとはいえ40代くらいになっても行われることがあります。

もちろん開業したり、病院に就職したりする場合は問題ないのですが、医局に入局し勤務医として働き続ける限り、この異動を十分に考慮する必要があります。

医者はまず30歳ごろに分譲マンションを買うことが多い

次に、一般的な医師の住宅事情について考えてみましょう。

私と同じ時期に大学を卒業した同級生の動向を見てみると、30歳前後で分譲マンションをまず購入する医者が結構多いようです。

30歳ごろになると家庭を持つ医師、子供が生まれる家庭が多いですし、金銭的にもちょっとだけ余裕ができてくるころです。

それに勤務先が頻繁にかわるといっても、資産にならない賃貸住宅に家賃を払い続けるのもったいない気がしてきますね。

全国的ににマンションの価格が値上がりしているとは言え、依然として住宅ローンの金利は歴史的な低金利です。

2010年代ごろは、住宅ローンを組むと言う点では絶好の時期かもしれません。

同級生の中には、病院の異動にともなって分譲マンションを複数購入したという強者もいます。

医者夫婦であれば、お互いが住宅ローンを組んで確定申告の際に住宅ローン減税を受けると言うテクニックも可能です(悪徳な不動産投資会社がよく使う口実ですが)。

住宅ローンの金利が低金利の現在は、金利と減税でトータルほとんど± 0に抑えることが可能なのです。

2014年以降のマンションの価格高騰

バブルの頃からは大きく下がったとは言え、東日本大震災の復興需要や、2020年の東京オリンピックを見据えて、建築資材や建築人員の不足が続いています。

その傾向に呼応するように、分譲マンションの価格は全国的に値上がりしているようです。

住まいサーフィンのサイトによると、2002年の物件価格を1としたときに、2015年の価格では1.3くらいになっているようです。

ここ20年ほどに給与所得はほとんど変わらず、物価も諸費税増税分くらいしか変わっていませんから、実質的にマンション価格は高くなったと言っても間違いなさそうです。

冒頭の友人が購入した分譲マンションですが、私からすれば超高級マンションでした。

物件概要を参照してみると、1番安い価格帯でも7-8000万円はするようなマンションでした。

23区の鉄道沿線でこれぐらいの価格がしてしまうのですから、山手線の内側の本当の都心部となれば、大して広くないマンションであっても、1億円を超えてしまうのでしょうか。

医者であっても手が出ない、恐ろしい世界です。

私たち夫婦は5000万円のマンションを購入しました

医者夫婦の場合は年収が高いので、住宅購入にも余裕があります。

私たちは、駅近物件を5000万円で購入したわけです。

一般のサラリーマンの家庭では、5000万円という金額は、一生に1度の買い物と言うことになってしまうでしょう。

もしかしたら年収を考えると5000万円のマンションを購入するのにも、住宅ローンが組めない人がいるかもしれません。

ただし医者夫婦の場合は少し事情が違ってきます。5000万円のマンションも、一時的なものとして購入できてしまうわけですね。

私たちはこのマンションに住んで、10年くらいでローンを返済して、それと同時に賃貸に出すか、中古で売却するかを考えています。

5000万円のマンションを購入するためのマネープラン

あまりいろいろと資金計画を練ってマンションを購入したというよりは、いろいろみて回っている中で気に入ったマンションがあったから購入したという感じです。

すごく単純計算ですが、頭金を1000万円、両方の親からの援助を1000万円として、残りの3000万円をローンで組みます。

夫婦どちらかだけの収入で生活していくとなると、もう片方のすべての収入をローン返済に回していく計算です。

お互いフルタイムで働き続ければ、だいたい5年くらいで返済できてしまうのではないか、というような算段です。もちろん、ローンは10-20年くらいで組んでいます。

【住宅購入】医者における住宅ローンについて。医師特有の審査から実際の契約までをご紹介

2017年7月1日

マイナス金利時代は住宅ローンを組むにはお得

2010年ごろからは金融緩和政策によって金利はほとんどゼロです。住宅ローン減税を考慮すると、住宅ローンの金利はあってないようなものです。

10-20年固定でもせいぜい1パーセントなので、住宅ローン減税の恩恵を受けることができれば、年数によっては実質的な金利は0だったりします。

住宅ローンを借りようと思ってみて初めて気付いたのですが、実質的な負担はゼロなのが現状です。

金利負担はほとんどないですし、住宅ローン減税も考えると、働きはじめてすぐの時期に値上がりの期待できるマンションをローンを組んで購入しておくというのも、現実的な選択肢かもしれません。

医者の節税は難しいが不可能ではない。必ず節税できる

2017年3月21日

医者夫婦はどのようなマンションを購入すべきか?

私たち夫婦もいろんなマンションに見学に行きました。

狭いけれどお手軽な物件、超駅近の割高な物件、駅近で広くてお手頃な物件、大学病院の近くの物件…

マンションを購入して数年経って思うことでが、少々高くても納得のいく物件を購入すべきと思います。

ダブルインカムで働く限り、予想よりも資産を蓄積していくことが可能です。

奥さんが一時的に産休を取得するにしても、出産後早期に復職するプランであれば、それなりの借り入れであっても早めの返済が可能と思います。

実際に我々夫婦は3000万円のローンを組みましたが、このままのペースならば4-5年くらいで余裕を持って完済できる見込みです(減税の関係があるので繰上げ返済はしませんが

この辺りは医師個人の収入やキャリアプランによっても大きく異なるので、確定的なことは述べられませんが、かなり余裕を持って返済することが可能になるのでないかと思います。

医者にとって一戸建て住宅を購入するのは勇気がいる

さてマンションが高いから一軒家、とは単純にことが運ばないのが医者の世界です。

一戸建てとなると、購入するのにはかなり勇気が要ります。

冒頭にも述べたように、医局派遣でいろいろな病院に勤務を命じらる若い医者時代には、簡単には売ったり貸したりできない一軒家を購入するのは大きなリスクと言えるでしょう。

医局派遣でいろいろな病院を転々とさせられる可能性がなくなり、金銭的にも余裕があり、マンションでは手狭と言う場合にのみ、一軒家の選択肢として上がってくるのでしょう。

ただしそんな時期は40-50代くらいでしょうし、必ずしもそんな時代がやってくる保証はありません。

そのような事情もあって、さすがにアラサーの私の同級生で一戸建てを購入した医者はまだ聞いたことがありません。

先輩の先生たちを見ていても、たいていはいろいろな病院に行く可能性が低くなった40代以降に購入していることが多いようです。

この頃になってくると、医局派遣で病院で働いている場合であっても、ある程度勤務する病院は固定されてきますし、開業している先生も多いのが実情です。

そういう意味では20代後半から30代で一軒家を購入する世間一般のサラリーマンと比較すると、医者が一軒家を購入する時期は遅いのかもしれません。

【住宅購入】医者における住宅ローンについて。医師特有の審査から実際の契約までをご紹介

2017年7月1日

まとめ

医者であれば、若い時分に分譲マンションを購入している家庭はおおくみられます。

しかし医局派遣という都合上、一軒家を購入している家庭は多くないように思います。

医者にとっての一軒家は実にハードルが高いんです。



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