フルタイムで勤務している女性にとって、いつ子供を産むかは非常に悩ましい問題であります。
既婚女性が必ずやぶつかる壁であります。
これは女医さんも同じで、フルタイムで働きながら子供を産み育てるのは至難の技となっています。
女性医師は妊娠・出産のタイミングが難しい
働いている女性医師の悩みは尽きないものです。
あまりにも早くに子供を生んでしまうと子育ての時間を割かれてしまい、医師としてのキャリアアップが難しくなってきます。
医師の長時間労働が問題提起されている昨今ですが、若い医師時代の時間外対応、救急対応が自らの経験になるもの事実なところです。
一方で専門医の資格をとってから、大学院を卒業してから、などといったある程度の区切りのところで子供を作ろうとすると、どうしても年齢的な問題があります。
すでに年齢を重ねていて、子供が欲しいと思ってもなかなか妊娠できない場合も多々あります。
医師に限らず、働く女性にとってはキャリア形成と妊娠・出産のタイミングは難しいテーマなのです。
出産しやすい診療科・病院とは
子供を産みたいと思っても、実際に産める職場環境なのかを確認することも大切です。
この子供を生みやすい雰囲気は、女性医師が専門としている診療科や、勤めている病院の雰囲気によっても異なってくるでしょう。
大学病院で医者の数が揃っており、若い女性医師がたくさんいるような診療科、であれば、産休や育休を取ることにも理解があるでしょう。
たとえば皮膚科、眼科、麻酔科、おだやかな内科系診療科などは女性の先生も多いですから、産休・育休取得をしている先輩方のモデルがあるはずです。
そのような診療科では、育休や産休を取得することに対する周囲の反応も、穏やかである可能性が大きいですね。
出産しにくい診療科・病院とは
一方で医師が数人しかいないような、地方病院の診療科では、医師一人でも欠けてしまうと残りの医師の負担がガクンと増えてしまいます。
そのような職場環境では、自分だけ産休・育休を取得するのはどうしても躊躇されます。
また大学病院であっても外科系の診療科で、周囲は男性ばかり、理解が得られないような職場環境であれば、産休・育休を取得するのは難しいかもしれません。
表面上は周囲の医師に「おめでとう」と言われたとしても、残された医師たちは男性・女性に関わらず、当然快く思っていないはずです。
これは妊娠をした女性医師の問題ではなくて、医師不足と流動性のない雇用形態しか存在していない病院側の問題なわけですが、女性は悩んでしまわなければならないんです。
これは何も医者に限った話ではなく、仕事をしている女性に共通の問題なのでしょう。
計画的な子作りは難しい。勢いも大事であろう
いまの医師の働き方は、男性医師と専業主婦の奥さん、というステレオタイプな家族構成が前提となっています。
日本で何十年も前にローモデルとされていた核家族世帯を前提として、医師の働き方が決められているのです。
だからこそ働きに出ている医師には、病院で働いている医師は当直や時間外労働をこなすのはもちろん、急な呼び出しにも対応することが求められます。
このような医師の労働環境は数年で変わるはずもなく、女性医師が子供を生みやすい環境、子供を産んだ後も男性医師と同じように働ける環境が整備されるまでには、まだ相当な時間がかかりそうです。
勢いで子供を作るのも一考?
現場レベルで、女性医師が出産後も働きやすい環境を作るのは直近では無理です。
医師不足が叫ばれている昨今ですから、なおさら難しいのは容易に想像できるでしょう。
いくら計画的に子作りを行なったとしても、仕事と家庭、キャリアと家庭の狭間で悩むことになるのではないでしょうか。
そう考えてみると、勢いで子供を作り、子供ができてからいろんなことを考えるほうが案外良いのかもしれません。
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