研修医時代には、医師も採血やルート確保を経験します。
医者になってすぐのころには採血をうまくできないことに重い悩み、苦しんだ時期もありました。
医者10年目近くなって感じるのは、どんなに不器用な医師、看護師であっても、それなりのレベルには到達するということです。
車の運転のように、多少のうまい・下手はあるかもしれないですが、誰でもそれなりにできるようになるのです。
ですから、採血やルート確保でくよくよ思い悩むよりは、前を向いてがんばりましょう、ということですね。
コンテンツ
採血やルート確保が研修医の仕事である場合もある
たいていどこの病院・診療科でも、採血やルート確保は看護師さんがやってくれます。
でも病院によっては重要な採血やルート確保は、研修医の仕事だったりします。
たとえば内分泌内科におけるホルモン系の採血は、医師の仕事、とりわけ研修医の仕事だったりします。
また外科患者における薬剤の注入なんかも、研修医の仕事だったりもします。
そのほか、病棟の患者で採血やルート確保が難しい場合は、研修医の仕事になったりもします。
研修医は、多かれ少なかれ、たくさん採血したりルート確保することにになるわけです。
研修医時代にはたくさんの失敗を経験する
といってももちろん医者になったばかりだと、うまく採血やルート確保できないものです。
私も医者になってすぐ頃は、どうやっても入院患者のルート確保がうまくできませんでした。
今考えると血管がすごく明瞭に見えている患者ですら、ルート確保がうまくできず、先輩の先生に頼んでルート確保してもらっていました。
当時のことを考えると、病棟の看護師さんには白い目で見られていたんだろうなぁと思います。
何事もそうですが、成功のためには失敗はつきものです。ですから、なんどもトライして失敗することはどうしても避けられません・・。
大学病院でも採血とルート確保を行う
さて3年目になって大学病院に行くことになりました。
大学病院の研修医はあんまり雑用などをやらないので、雑用系は医局で一番下の医師3年目に仕事が回ってきます。
研修医を卒業したとはいえど、仕事内容としては、初期研修医時代と同じようなことばかりでした。
当然ルート確保も3年目の仕事だったわけですが、研修医時代の失敗が生きたのか、自分自身でもかなり上手くなっていたと思います。
何でもないような患者の血管であれば、ルート確保はほとんどうまくいくようになっていました。
そして看護師がうまくいかなかった患者のルートでさえも、なんとなく確保できるようになっていました。
何かやり方を変えたとか、新たに猛勉強したとか言う事は無いのですが、なんとなく上手くなっていったような、気がします。
場数を踏んだ分だけ、あまり迷わずに躊躇せずに1つの手技をやろうとしたことが、結果的に良い結果につながっているのかもしれません。
技術的な部分は別として、採血やルート確保にはやっぱりある程度の経験が必要なんですね。
結局のところ、みんな同じようなレベルに到達するのではないかと思う
結局のところ、採血やルート確保なんかの基本的な手技に関しては、子供が皆歩けるようになるのと同じで、医療者であればできるようになる技術なのでしょう。
医者になって何年も経つと、「あの先生はルート確保がうまい」という話になることはほとんどないです。
同様に「あの看護師さんはルート確保や注射がうまい」という話になることもありません。
車の運転のように、ある程度はみんなできるだろう、というそういう認識になるわけです。
ですから失敗を重ねることで、いつかはそれなりのレベルに到達するんだろうとの自信を持つことが大切です。
コメントを残す