法医学というと、医学部の講義の中でも、最も学ぶ時間が短い分野かもしれません。
学生時代の試験では幅広く知識を問われるかもしれませんが、国家試験で問われるのはせいぜい死亡診断書の記載くらいなものです。
それに実際に臨床の現場に進んでしまえば、死斑や死後硬直といった法医学的な知識が問われることはまずありません。
ですから法医学の医学書というのは数も限られていますし、改訂のスピードもあまり短い間隔ではない、というのが現実かと思います。
★★★ 学生のための法医学
法医学のなかでも学生向けの教科書です。学生向けとはいえど、文章主体の構成になっており、2段組の構成で280ページの内容量になっています。
医学部で学ぶ法医学の内容を考慮すると、定期試験対策、国家試験対策に関しては十分な内容量となっており、本書だけで法医学対策は問題ないといったところでしょうか。
最終改訂が10年以上前ですが、あまり問題にはならないでしょう。
★★★ 法医学
学生のための法医学と同じ南山堂から出版されている法医学の医学書です。こちらの方が10年近く新しくなっています。
内容量は約300ページで、法医学をより系統的に学習したい医学部生にはちょうどいい量だと思われます。
巻頭には60-70枚程度のカラー写真が掲載してあります。本文中にもイラストや表、写真などが文章とちょうど良い割合で配置されており、標準的な教科書と言えるでしょう。
学生のための法医学も本書も、おおむね300ページ程度かつ文章は2段組であり、大きな違いはないでしょう。
★★☆ エッセンシャル法医学
内容は決して深入りすることなく、学生レベルで必要な知識がコンパクトにまとめられています。辞書的にも講義と平行して通読にも向く教科書です。
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