生理学は基礎分野で大きなウェイトを占める分野ですね。
ホルモン、心臓、肺などの働きを論理的に捉えるためには、生理学を深く学ぶことが必要になってきます。
生理学で学ぶ論理的な考え方というのは、実際の臨床の現場でも間違いなく必要となる考え方です。
★★★ ギャノング生理学
ギャノング先生が執筆されている生理学書です。
訳本ではありますが、日本語に読みにくい部分は特になく、また数年ごとに改訂されているので内容も常にUp To Dateなものに保たれています。
位置付けとしては標準生理学のように辞書的な使い方が主となるような気がします。ギャノング生理学の特徴として、標準生理学との比較で考えてみると
*図表が豊富で的確、理解しやすい
*臨床の観点から生理学を記述するというよりは、生理学の切り口から臨床的な内容に踏み込んでいる
ということが挙げられると思います。
★★★ 心臓病の病態生理―ハーバード大学テキスト
基本的な循環生理から、循環区分野における各疾患の病態まで説明する流れで書かれているので、深い理解が得られます。
なぜ、どうして、という疑問を持ったとき、本書に立ち戻る事でかなりの部分は解決できるでしょう。全体的に、医学部の専門講義で学ぶ循環器としては適当な内容量になっていると思います。
欠点を挙げるとするならば、イラストや病理所見が少ないことでしょうか。また内分泌や糖代謝など、心臓以外の生理学についてはあまり触れられていません。
通読に向いているとはいえ各文章はは長いので、直前の試験対策本には向いていないでしょう。講義と平行して読み進めるという使い方が向いているといえます。
原著は”Pathophysiology of Heart Disease”というタイトルで出版されています。
★★★ スタンダード生理学
400ページくらいの教科書であり、生理学書の中では薄いテキストとなっています。
語り口は正当な教科書であり、内容としても生理学分野が網羅されています。文章主体でありながら、理解に必要なイラストも多く掲載されています。
文中には生理学にまつわるコラム欄が設けてあり、読んでいて飽きないような構成になっています。
通読でき手元に置いて使える生理学書としては、本書が第一選択になるでしょうか。
コラムが面白い
★★☆ 標準生理学
標準といわれるだけあって、生理学で学ぶほぼすべての内容が網羅されています。日本語原著の生理学書の中では一番よくまとめられている印象です。
数年ごとに改訂されており、研究のトピックスも書かれており、本書の内容は常に最新にものになっているかと思います。
文章量は多いですから、1から読み進めるのではなく辞書的な使い方が適しているといえるでしょう。
★★☆ 新生理学
230ページほどの薄い教科書でありながら、最低限必要な項目がコンパクトにまとめられています。カラーのイラストが豊富に掲載され、本文にもカラーが付してあるために、視覚的に理解しやすくなっています。
これ一冊で十分とは言い難いが、生理学全体を俯瞰したり、コメディカルの方が使う教科書としては最適といえるのではないだろうか。
★☆☆ 生理学テキスト
ある程度内容の凝縮された生理学書でありますが、生理学の基礎から書かれており理解しやすくなっています。
これを6年間使い続けるには少し物足りない感じがしますが、小テスト対策ぐらいならなんとか使えるかな、という量で構成されています。
生理学本の中では薄いですから、通読するには適したほんと言えるでしょう。
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