研修医時代に辛かったこと4個。研修医生活は色々辛いことがあるんです。

研修医は、いつでも辛いものです。

初期研修の間には、2年間かけて病院の中のいろんな診療科をローテーションしていきます。

内科や外科などはどこの研修病院にもありますし、扱う疾患も基本的なものなので、研修医の間は必ずローテーションすることになっています。

研修医は医者になって最初の2年ですから、勝手があまりわからないですし、そんな研修医の特殊な働き方は、結構つらいものでした。

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2018年3月23日

数カ月ごとに人間関係がリセットされてしまう

辛いことの1つに、数カ月ごとに人間関係がリセットされるものがあります。

例えば内科から外科に移ったとすれば、内科で築き上げた先輩医師や看護師さんとの関係、もちろん患者さんとの関係も全てゼロにリセットされてしまいます。

これが1年間の間に何回も続くわけですから、研修医にとっては結構なストレスになっていきます。

3ヶ月後に学校を変わっていく、転校生みたいなものです。

看護師さんとの人間関係がつらい

他にも看護師さんとの人間関係が辛い場合もあります。

医師免許を持った医師とはいえども、研修医の間は自分の判断を持ってして患者さんの診療にあたることができません。

責任を持ってできる処置というのは、せいぜい採血ぐらいなものです。それぐらい研修医は未熟なのです。

したがって看護師さんからは見下された態度を取られることもしばしばです。

意地の悪い看護師さんからは、暴言を吐かれることもあります。

そのような態度をとられたからといって、何もできない研修医は反抗することもできません。

私の同期は、おばさん看護師に「ほんと今の研修医は使えねぇな」と言われたらしいです。恐ろしい話です・・・・。

労働時間が長い・休みが少ない

研修医の間は文字通り医師として働く一方で、研修生の身分でもあります。したがって労働時間に関してあまり考慮されないことがよくあります。

今考えると恐ろしいことですが、私も研修医をしていた頃には時間外手当と言うものが全く出ませんでした。

当然17時に帰れると言う事は絶対ありませんので、以後はサービス残業になってしまいます。

当時は「研修医なんだから当然だ!」なんて言われてしまいそうですが、これだけ長時間労働が問題になっている今であれば、少しは考慮してくれるかもしれません・・・。

手術が長引いた場合には、日付が変わって家に帰ることもありましたが、賃金が支給されるわけではありません。

夜中に緊急手術で呼び出されても、時間外の手当はありませんでした。1ヶ月に100時間残業したとしても、残業代は一円も出ません。

その他休日や年末年始大型連休などの際にも、患者さんの回診や処置をするために病院に来なければならないことも多々あります。

医者は長時間労働や当直で休めない。病院はブラック企業である

2018年1月5日

研修医が自殺、という悲しいニュースもある

研修医の過重労働は大きな問題で、全国的なニュースになることもあります。

都内の総合病院に勤めていた産婦人科の男性研修医(当時30代)の自殺が、過労自殺だったと労災認定された。品川労基署が7月31日付で認定した。遺族の代理人・川人博弁護士が8月9日、厚生労働省で記者会見し明らかにした。

川人弁護士は「あまりの長時間労働で疲弊しきった、その中での自殺と理解しています」と指摘。「二度と繰り返されぬよう、労務管理の抜本的改善を求める」と訴えた。

BuzzFeed Japan 2017.8.9】

医師は一般の方よりも医学的知識がありますから、自分の精神状態が問題ないのか、うつ状態に近いのか、ということは自覚できるかと思います。

そんな医師が自殺してしまうわけですから、自殺した医師の心の内は、仕事を休む、病院を替わるというくらいの、解決策を考えるほどの余裕もなかったのでしょうか。

研修医という身分上、研修を途中で中断するのはダメ医者の烙印を押されるんじゃないか、と不安に感じることは私もありました。

医師は激務である

私も平日の残業はそれほどでもないですが、休日の当番、夜間休日の呼び出し、毎月の当直などを含めると、月に60時間以上は確実に残業しています。記事の中では

1週間の労働時間が60時間を超える人の割合は、全職種の中で医師が最も多く41.8%となっているというデータもある。特に20代、30代は長時間勤務となっているそうだ。

とありますが、一般の急性期病院勤務の医師であれば、40%と言わず80-90%くらいは1週間の労働時間は60時間を超えているんじゃないでしょうか。

というのも、週一度の当直(1週あたり12時間)と週に一度の休日の当番(午前中3時間)、その他平日の当直(平日でトータル5時間)をすれば、残業20時間なんて余裕で超えてしまいますね。

異常な勤務体系が普通とされる職場

問題なのは、この勤務体系がこれまでは半ば当たり前と考えられ、働き方改革の領域からは取り残されてきた事実です。

結局は医師上がりの院長や大学病院の教授連中のリーダシップのなさ、マネージメント能力の欠如が、ここまでの劣悪な労働環境を放置してきた、ということなのでしょう。

一般企業でこれだけ過労自殺が出ればさすがに問題になりますが、問題意識を持っている病院経営者はどれくらいるでしょうね。

古い連中からは「こんな労働時間で自殺するなんてメンタルが弱い、わしらの若い頃は・・・」なんて妄言が聞こえてきそうです、というかなんども聞きます。

当直業務が多い

研修医の場合は当直業務も多いですから、慣れない中で夜間患者さんをの対応をして、朝を迎えるとそのまま通常業務をしなければなりません。

もしその時に外科をローテーションしていたとすれば、全く寝ないままに朝を迎え、そのまま何時間も手術場にいなければならないのです。

今考えると恐ろしいことですが、当直明けの手術に入らせてもらって、術者の視野を広げる器具を持ちなが、ウトウトしていたこともありました。

研修医は若いとはいえども、肉体的には非常に大きな負担になってしまいます。

研修医時代の長時間労働が原因となり、自殺まで至ってしまった例はたくさんあります。

研修医は見習いなのだから、労働条件に関してモノ申せる立場ではないとはいえども、労働基準法を無視した長時間労働と言うのは行うべきではありません。

上司である指導医は長時間労働を強制しては絶対にいけないと思います。

まとめ

研修医という身分であると、ついつい「見習いの身分なんだから長時間労働は当たり前」と、指導医も本人も考えてしまいがちです。

しかし、本来人間というのは仕事と余暇のバランスをうまい具合に保ちながら生活しているわけであって、仕事ばかりであれば精神のバランスを崩してしまいます。

ですから、負担のかかる研修医はより一層、その勤務体系について考えあげることが必要なのではないでしょうか。

医者は長時間労働や当直で休めない。病院はブラック企業である

2018年1月5日
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